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相手に嫌われずに不満を伝える方法

【ご質問】

いつも記事、著書をなるほど、と興味深く楽しく拝読しております。

今回、人間関係においての「怒り方」について質問したくメールさせて頂きました。

こんにちは、20歳、大学2年生です。

私は怒りを上手に伝える方法がわかりません。本人以外に嫌だったこと(「こんなことをされて嫌だった」など)は話せるのですが、本人に対しての不満やなおして欲しいところを伝えることが中々出来ません。

しかし我慢して相手との関係が良くなるか、と考えるとそうではない気がしてなりません。

本人に言えない、というのは保身的で身勝手なのでしょうか...。

相手にうまく伝わる怒り(悲しみ)の伝え方、コツなどありましたら教えて頂きたいです。

【回答】

ご質問誠に有難う御座います。

他の人には言えるものの、本人には不満を伝えられないという現状はあまりにも危険であると言わざるを得ません。本人にも他の人にも言えないのであればまだしも、他の人には言えるけど本人には言えないというのは人間関係の構築において非常に危険な状態でしょう。

客観的に見て、今のご質問者様がされていることは「裏でヒソヒソと悪口を言う嫌な奴」で御座います。

もちろん人間という生き物は良きにせよ悪しきにせよ悪口が大好きな生き物で御座いますので、それ自体は決して珍しいことでは御座いません。

 

そう、珍しくないのです。

そしてそれこそが問題なのです。

 

ご質問者様が不満を口にした第三者の方もまた、おそらくは陰口が大好きな普通の人間でしょう。

「俺って陰でこそこそ言う悪口嫌いなんだよね」「分かる!Aさんとか陰でこそこそ悪口言ってて感じ悪いよね」なんていう落語にでもなりそうな話が出来そうなくらい人間は悪口が大好きな生き物なので御座います。

アーテイストやスポーツ選手など自分に自信がある極々一部の方は「そんなことを言う底辺とは関わるな」なんて言いますが、彼らだって作品が売れなくなったり、試合で活躍できなくなった日には悪口大好きな人間になることでしょう。そもそも「悪口をいうやつは嫌い」という言葉だって、捉えようによっては悪口と言えるのです。

 

つまり「ご質問者様が〇〇さんの悪口を言っていた」という悪口もまた、ご質問者様のいない身近などこかでされていると考えなくてはなりません。そして世の中にはなかなかどうして面倒なことに「間接的に回ってきた悪口を本人に伝えて、「僕は君の味方だよ」アピールをする嫌な人間」がかなりたくさんいらっしゃいます。

そんな人から間接的に悪口が本人に伝わったらどうなるでしょうか?直接伝えるよりも何倍も嫌われるのは間違いありません。

 

ご質問者様が保身的な感情で直接不満を口にしていないのは分かります。しかしそれは保身感情ではあっても、保身をすることは出来ておりません。ご質問者様の保身感情が生み出しているのは身の安全ではなく先送りで御座います。

まさに虫歯と同じようなものでしょう。歯医者さんに行くのを先送りにした結果、より症状が悪化する。今のご質問者様がされている行為はまさにそんなことなので御座います。

 

もちろん保身感情そのものが悪いとは申しません。人間が悪口を好むのと同じように、保身感情もまた人間にとって当たり前の感情なので御座います。

しかしご質問者様がされていることは保身にすら役立っておりません。保身感情が保身に役立っているのであればまだしも、保身の役にすら立っていない保身感情など邪魔者以外の何物でもないでしょう。

我慢なんて出来るはずがない

ご質問者様が人に嫌われても構わないという鋼のメンタルの持ち主であったとしても、人に嫌われるのが怖い普通のメンタルの持ち主だったとしても、その人との関係を長く良好なものにしたいのであればきちんと不満は伝えた方が良いでしょう。

もちろん本人に直接伝えるのが怖いという気持ちは分かります。相手が逆上するかもしれませんし、それをきっかけに相手から嫌われるかもしれません。そんな不安から直接伝えるのが怖いという気持ちは誰にでもあるものでしょう。

 

しかしもしもご質問者様が不満を伝えないでいたら、それはご質問者様が相手のことを嫌いになって関係が終わるだけなのです。ご質問者様が嫌いになろうと、相手が嫌いになろうと関係が終わるのは変わりません。ですので相手との関係を長続きさせたいのであれば、相手にきちんと不満を伝えなくてはならないのです。

 

もしかするとご質問者様はこんなことを考えていらっしゃるかもしれません。

「自分が我慢すればいいだけだから」

しかしこの考えには3つの勘違いがあると言えるでしょう。

 

1つ目の勘違いは自分の価値を高く見積りすぎているということ。

残念ながら相手の不満を我慢して耐えた程度で、人はご質問者様のことを好きになってはくれません。大変失礼を承知で申し上げますが、我慢をする程度で人から好かれるほど私たちは魅力的な人間ではないのです。

 

2つ目の勘違いは自分の能力を高く見積りすぎているということ。

残念ながらご質問者様は無限に我慢ができるほど我慢強い人間では御座いません。ご質問者様は人より我慢強い方かもしれませんが、せいぜい10%20%増し程度の話でしょう。私が3日でブチギレる事象に対して、5日我慢できる程度の話でしかありません。

「もう我慢の限界だ!」なんて言葉を仰る方は「自分は死ぬほど我慢した」と思い込んでおりますが、人の10倍も20倍も我慢しているなんてことはそうそうあり得ないのです。私たちはそんな無限に我慢ができるほど辛抱強い人間では御座いません。

 

そして3つ目の勘違い。これが最も重要な勘違いでしょう。

それは「相手もまた我慢をしている」ということで御座います。

「自分が我慢すればいい」と考える方は、自分の我慢によってのみ関係が保たれていると考えがちで御座います。しかし失礼ながらそんなものは傲慢以外の何物でも御座いません。

相手もまた何かしらを我慢しているので御座います。もちろん人間関係においてお互いに少なからず我慢をすることは必要不可欠なので相手に我慢を強いること自体は大した問題では御座いません。

問題なのは「自分だけが我慢をしている」という思い込みで御座います。

DVしまくり、浮気しまくり、子供がいるのに金は稼がずに昼間からパチンコを打っているようなクズ男だって、本人は「俺は〇〇を我慢をしている」と思っていることでしょう。仮に本当にご質問者様しか我慢をしていなかったとしても、それでもなお相手もまた「私も我慢している」と思っているのです。

ですのでご質問者様が不満を口にしないと、相手も自分の不満を口にしにくくなり、お互いに「私だけが我慢している!」と思い込む最悪の関係性になってしまうことでしょう。

もちろん不満を何でもかんでも口にするのは子供の関係で御座いますが、お互いに不満を言い合ってある程度不満を言い合える関係にした方が関係が長続きするのは間違いありません。

 

ともかく我々は自分自身の能力に期待をし過ぎているのです。残念ながら私たちは大して有能ではない平凡でポンコツな人間でしかありません。我慢なんてそうそう出来るものでないのです。

伝えるべきは不満

関係を長く良好に保つためには不満を口にすることは不可欠で御座います。

とは言え直接相手に不満を伝えるのはやはり気が引けるもの。ですので不満を伝えるときのコツについて解説をさせて頂ければ幸いです。

実はご質問文の中にご質問者様の致命的な問題点が御座いました。失礼ながらこの一文だけでご質問者様が不満を言うのがものすごく苦手な方なのだと感じます。

それがこちら。

「相手にうまく伝わる怒り(悲しみ)の伝え方、コツなどありましたら教えて頂きたいです。」

この一文には致命的な問題点が御座います。

それは「感情」を伝えようとしているという点。ご質問者様は不満の内容ではなく、その時に感じた自分の怒りや悲しみを伝えようとしているのです。

「男は論理的で女は感情的だ」という言葉を肯定するつもりは御座いません。そのような傾向が全くないとまでは言いませんが、全てがそうとは言えないでしょう。しかし今回のこの一文に関して言えば失礼ながら完全に感情の発言であると言わざるを得ません。

とは言えこれはご質問者様に限った話では御座いませんし、女性に限った話でもないでしょう。不満を言う人間は得てして自分の感情を伝えたがるものなのです。

しかし聞く側はそうではありません。

人間は不満を言う時は感情を伝えたがるくせに、不満を聞く時には論理的な話を聞きたがるのです。そのため不満を伝えようとする時に感情を伝えようとすると大抵の場合うまくいきません。

もちろん不満の中に感情を盛り込んで伝えることが悪いということはないでしょう。感情を合わせて伝えることで不満の説得力が増し、不満がより強く相手に伝わることも御座います。

しかしあくまでもそれは不満がベースになっているからの話。

まず伝えるべきは不満の内容であり、その時の感情を伝えるのは二の次で御座います。

例えばご質問者様が彼氏に対して「最近冷たい」という不満を抱えていたとしましょう。

この時に「私はとても寂しい!悲しい!」と伝えても相手は何のことかさっぱり伝わりません。面倒くさいのでその場は「うんうん」と頷いてくれるかもしれませんが、心の中では「なんかまた感情的にキレてんな」としか思われていないことでしょう。

伝えるべきは感情ではなく、不満点で御座います。そして、それに加えて改善策も伝えなくてはなりません。感情はおまけ程度につけておけば十分でしょう。

確かに感情的に伝えても不満を察してくれる人は存在します。しかしそのような方だって「察することができる」だけであり、感情的に伝えられるのが嬉しい訳では御座いません。

不満を伝えるという行為をしている以上、その中に生まれる感情は基本的に負の感情でしょう。怒り、悲しみ、苦しみ。そんな感情を人から向けられて喜ぶのは、人の不幸や苦しみが大好きな生粋のサディストくらいなもので御座います。普通の人間はそんな負の感情をぶつけられたら困るし辛いのです。

ですので不満を言う時は感情は抑えたほうが良いでしょう。ご安心くださいませ、どれほど抑えようとも不満をぶつけている時点で負の感情は相手に伝わっております。すでに十分に伝わっているのですから、それ以上に感情をぶつけても相手にダメージを与えるだけでいいことは御座いません。

不満をぶつける時の3つのポイント

不満を伝える時は出来る限り感情を押し殺したほうがいいでしょう。相手のどのような行動が嫌で、どのようにして欲しいのかということを伝えることに徹したほうが相手にきちんと伝わるのは間違いありません。

正確に言えばある程度は感情を混ぜて話した方がよく伝わるのですが、どれだけ事実関係を伝えることに徹しようと思っても大抵の場合必要以上の感情が漏れ出てしまっているので「感情を押し殺す」くらいに考えていて問題ないのです。万が一、皆様が感情0のロボットのような人間であったら、感情を出すことも考慮した方が良いのですが我々はまずそうではないので「感情を押し殺す」と考えておいて問題ないでしょう。

その上で3つのポイントを抑えておくと、よりよく不満が伝わることと思います。

1つ目は「1度に1つ」ということ。

男性はシングルタスクが得意、女性はマルチタスクが得意という話も御座いますがあれは比較の話でしかありません。確かに女性の方がマルチタスクが得意なのかもしれませんが、それは”男性に比べれば”という話であり、別に女性がマルチタスクを得意としている訳ではないのです。

人から不満を告げられるなんていう重労働を同時にいくつもこなせる人間はそうそうおりません。ですので1度に伝える不満は1つにまとめた方が良いでしょう。複数の不満を伝えても相手は頭がパンクしてストレスを貯めるだけで御座います。

すると自ずと不満を小分けにして伝える必要が出てくるでしょう。ですのでこの法則を大切にすると、自ずと不満があったらその都度言ったほうがいいということになります。

2つ目は「人格否定を決してしてはいけない」ということ。

不満を言う時に注意すべきなのは相手の行動であって人格では御座いません。こういうと簡単に聞こえるかもしれませんが、これが出来る人は物凄く少ないのです。私だって出来るかと言われれば自信は全く御座いません。

ですので人格を全く否定せずに不満を口にするのは非常に難しいでしょう。しかし「人格を否定しない」ということを心に刻んでおけば、完全に達成することはできずとも、少なくともそれを心に刻んでいない時よりは良い不満の告げ方が出来ることと思います。

そして3つ目が不満を伝えた後の態度。

これが最も重要で御座います。

そもそも世の中の大抵の人は不満を言われたくらいで相手のことを嫌いになったりは致しません。もちろん不満を伝えられたことに激昂して嫌いになる人もいるでしょうが、そんな人は言い方どうこうでどうにかなる相手では御座いません。残念ながら関係を諦めた方が賢明でしょう。

しかし現実的には不満を伝えたことで関係が悪化してしまう方は決して少なくありません。

それではどうして不満を伝えると仲が悪くなってしまうのでしょうか。

それはお互いがお互いに「嫌われた」と思うからで御座います。

不満を言われた側は当然「相手から嫌われた」と思うことでしょう。不満を伝えるということは「貴方のこういうところが嫌い」と言っているのと同義なのだから当然で御座います。

一方で言った側もまた同じく「相手から嫌われた」と思うことが非常に多いでしょう。相手に対して「こういうとこが嫌い」と言っているようなものなのですから、相手から嫌われたと思うのも仕方がありません。

そしてお互いに「相手から嫌われた」と思った結果、お互いがお互いに相手に対して遠慮がちになり、そして会う頻度が減ったり会話がぎこちなくなったりして本当にお互いに相手のことを苦手と思ってしまうのです。

だからこそ、特に不満を言った側は不満を言った後の態度に注意が必要でしょう。しつこくネチネチと不満を口にし続けるなど論外として、意識的に相手に対して「嫌っていない」ということを”行動で”示す必要が御座います。

重要なのは”行動”で御座います。

人間は究極的に言えば相手の発言を信用致しません、人間が信用するのは行動で御座います。

ですので「怒っていないよ」と言う言葉は信用されません。信用されるのは「怒っていないことを示す行動」で御座います。

ですので「今度ご飯に行こうよ」という言葉は信用されません。信用されるのは「実際に相手を誘い、そして本当にご飯に行く」という行動で御座います。

どれほど言葉を重ねようとも相手と距離を取ってしまったら、相手はその行動を信用し相手から嫌われたと確信してしまうのです。

不満を言われる側になったら

今回のご質問者様は不満の言い方にお悩みになっておりましたが、人間は誰しも不満を言う側であり、不満を言われる側で御座います。

ですのでもしも皆様がが不満を言われる側になったら、その時は相手が皆様を嫌うために不満を言った訳ではないということを心に刻んで頂ければ幸いです。

確かに不満を言った側が言った後のフォローをする方がいいと私は思います。しかしそれはそちらの方が簡単というだけであり、不満を言われが側がフォローをしない方が良いという訳では御座いません。

不満を言う側もまた言った後には「相手から嫌われた」と思っているので御座います。ですので不満を言われた側の人間は、相手の不満を受け止めるのと同時に「不満を言われたけど嫌いになっていないよ」ということを行動で相手に伝えると良いでしょう。

どうかご安心くださいませ。中学生くらいであればまだしも、まともな大人は嫌いな人に不満を言ったり致しません。

そう、今回のご質問者様と同じように本人には決して言わず、陰でヒソヒソと悪口を言うだけなので御座います。

1 Comment

アバター んごんご

うおおお。これは感動モノですね。

かなりのやり手のホストがいるんですけど、叱った後に褒めるということをよくやっていたので、自分も真似してみたら見事うまくいきました()

個人的にはホストやバンドマンやナンパ男は正直苦手です。が、彼らから学ぶことは沢山あるのかもしれません。

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