お悩み相談

男が絡んで崩壊した女の友情

【ご質問】

私は24歳女性です。

私には3歳の頃から仲良くしている同い年の友達がいます。

その子には今、彼が居るのですがどうしても好きになれません。最近では彼女のことすら嫌に感じてしまい辛いです。

まず彼のことを苦手と思う理由は、彼と彼女が付き合う経緯や喧嘩の内容の相談を友達からされた時に、それらが私にとってはとても理解出来ない内容のものだったからです。

友達の彼は、元彼女との交際を継続しながら、友達とデートに行ったり、彼女と別れられないのは彼女を傷つけたくないからだ、と友達に言ったり

喧嘩も、自分が忙しい時は彼女に冷たくするのに、反対の立場になると怒ったり。

正直、私は彼に腹が立って仕方がありませんでした。

でも、彼女が良いと思って付き合っているなら、第三者の私が色々口出しするものでは思う反面、友達のことを大切にしたいなら何故自分は交際を止めないんだ、と複雑な気持ちです。

次に、彼女も嫌になって来た理由ですが、彼と付き合ってからと言うもの、彼女の惚気がすごく多く、都合のいいような付き合いをされたり、たまにマウントにも感じられる発言をされるからです。

普段は「惚気」を聞くのは好きなんですが、彼女のは聞いていて不快な気分になってしまいます

でも、この不快感は私が、友達に嫉妬しているだけではないか?、彼女は純粋に幸せを聞いてほしいだけでマウントを取っていないのでは?と思い自分が嫌な人間に思えます。

さらに、惚気を聞いている時、私はそれなりの相槌も打ちながら、後から他の人に軽蔑した言い方で彼女達の話をしてしまいます。

嫌ならハッキリ言うなり、縁を切るなりすればいいのに、表では笑顔で接しておいて、裏で馬鹿にする卑怯な自分は最低だ、と感じます。

物心ついた頃から姉妹のように一緒に成長して来て、何があっても一緒だと信じていた友達です。彼女の幸せを素直に喜べる自分になりたいです。

純粋に彼女と楽しくいられた頃に戻りたいです。

相反する思いが頭を駆け巡り、ずっと悶々としています。私はどうしたら自分の気持ちに整理がつけられるでしょうか?

【回答】

ご質問誠に有難う御座います。

あくまでも経験則に過ぎませんが、嫉妬で心が狂ってしまっている方のご質問文にはある特徴があると私は感じています。

どういうわけか、こちらがまだ何も言っていないのに「私は嫉妬してません」「羨ましいわけではありません」というように「私は嫉妬をしていない」という文面を書かれるのです。おそらく嫉妬という体裁の悪い感情を持ってしまっているからこそ、無意識にその感情を隠そうとするのでしょう。

その点で考えると今回のご質問者様はおそらく本当にご友人様に対して嫉妬心は抱いていらっしゃらないことと思います。もちろん嫉妬が全くの0ということは流石にないかもしれませんが、悩みになるような嫉妬はないことでしょう。ご質問者様がこれまでの人生でどんな恋愛をしてきて、どんな価値観をお持ちなのかは分かりませんが、少なくとも今の時点で「友達には彼氏がいるのに何で私にはいないのよ!!ムキー」みたいな状態にはなっていないことと思います。また嫉妬がなければ基本的にマウントに悩むことも御座いませんのおそらくご質問者様の悩みの本質はマウントでもないでしょう。

それではご質問者様は一体なぜご友人様にこうも不快感を抱いているのでしょうか?

ご友人様の彼氏に不快感を抱くのは分かります。社会的な善悪はともかく、ご質問者様の価値観においては「彼女がいるのにデートをする」「よーわからん理由で別れたいと思う」「自分がされたら怒るのに相手にはする」というような行為はNGな行為なのですから、そういった行為をしている彼氏に対して不快感を抱くのは当然のことでしょう。

しかし、彼女様の行動は少なくともご質問文に書かれている限りでは特に問題があるようなことは御座いません。

幻滅という不快感

おそらくご友人様に対して抱いている不快感の正体は「幻滅」でしょう。

ご質問者様の価値観で考えると、ご友人様の彼氏様はクズ男と言っても過言では御座いません。そんなクズ男にコロッと落ちてしまったことにご質問者様は深く幻滅しているのではないでしょうか?

ご質問者様が知っている彼女、3歳の頃から20年以上も仲良くしていた彼女はそんな女の子ではなかったはずだ、という思いがご質問者様の中にはあることと思います。もしかしたら高校生の頃、放課後の教室で「こんな男は嫌だよねー」なんて話題で盛り上がったことがあるかもしれません。しかし今ご友人様は昔「こんな男は嫌」と話したまさにその男にコロッと落ちてしまっているのではないでしょうか?

仲の良い友人がマルチ商法を始めたとか、新興宗教にハマったとか、危険な匂いがする政治思想に傾倒したというような状況と非常に似た感情をご質問者様はお持ちのことと思います。

もちろんそんな彼女を見て「何とかしてあげないと!」という気持ちは少なからず湧き上がってきたことでしょう。しかしそれ以上に「貴方はそんなものにハマってしまうような人だったの……?」という幻滅の気持ちが強く湧き上がっているのではないでしょうか?

ご質問者様は友人に幻滅してしまったのです。

20年間信じていたご友人様が、実は(ご質問者様目線で)しょーもない男にコロッと落ちるような女であると、ご質問者様は気がつき、そして幻滅してしまったのではないでしょうか?

もう1つの幻滅

しかし今回のご質問者様が抱えている絶望はここで終わりません。おそらくご質問者様はご友人様に対して幻滅をしたように、自分自身に対しても深く幻滅してしまったことでしょう。

20年間付き合っていて、何があっても変わらないと思っていた大親友に対して幻滅してしまったのです。「自分はどんなことがあっても彼女のことを友達だと思えるはずだ。」と思っていた自分自身の思いがこうも簡単に崩れ去ってしまうことにご質問者様は幻滅をされたことでしょう。

もしかするとご質問者様は心のどこかでこんなことを考えていたのかもしれません。

「私たちの友情は本物だ。

女の友情は脆いなんて言う人もいるけれど、私たちの友情はそうではない。

男が絡んだくらいで崩壊してしまう偽物の友情ではない。」

そんなことを心のどこかで考えていたのではないでしょうか。

そしてそんなことが心をよぎった時、ご質問者様は少なからずこんな気持ちも抱いていたのではないでしょうか?

私は男が絡んだくらいで友情が崩壊するバカな女たちとは違う、と。

心のどこかでこのような感情が湧き出してはいなかったでしょうか。ほんの少しでもこのような感情に覚えはないでしょうか。

もしもほんのわずかでご質問者様の心にこの汚い感情が芽生えていたのであれば、ご質問者様の自分自身への幻滅は非常に強いものとなりご質問者様に強い不快感を与えることでしょう。

自分が心の中でバカにしていたバカな女に、今まさに自分自身がなってしまっているのです。

幻想の彼女

おそらくご質問者様が抱えているストレスの原因はこの2つの「幻滅」から生まれているものでしょう。

1つは友人に対しての幻滅。しょーもない男にコロッと落とされてしまったご友人様にご質問者様は幻滅をされたことでしょう。

そしてもう1つは自分自身への幻滅。たった1人の男が登場しただけでいとも簡単に友情が崩壊しかけていることにご質問者様は幻滅されていらっしゃることでしょう。

しかし残念ながらこの2つの幻滅は、どちらもご質問者様の幻想が生み出したものでしか御座いません。

しょーもない男にコロッと騙されない友人なんて、最初から存在しませんでした。ご質問者様の隣に20年間いたのは、恋に浮かれると盲目になってしまう至って普通の女の子で御座います。

どんなことがあっても決して揺るがない友情もまた最初から存在いたしませんでした。そこにあったのはちょっとした出来事で簡単に崩壊しかねない至って普通の友情で御座います。

事実は何も変わっておりません。ご質問者様の幻想が溶けてしまっただけなので御座います。

最初から存在していなかったものをご質問者様は世界に期待してしまった。そのツケが20年越しに今になって回ってきただけに過ぎません。

汚さを知り、大人になった。

残念ながらご質問者様は至って普通の汚い人間で御座います。

自分のことばかり考えて。

男が出来ると簡単に揺らぐ友情を築いて。

恋に恋がれているくせに、恋に盲目になった友人に幻滅してしまう至って普通に汚れた心を持った女性でしかありません。

嫌なことをはっきりと言う勇気もなく、縁を切る行動力もなく、それでいて会っている時には笑顔で接してしまうような人がご質問者様はお嫌いなことでしょう。しかし私もご質問者様もそんな人間と何も変わらない汚れた欲望に塗れている人間にすぎません。

残念ながら人間の心は綺麗なものではないのです。

真実の愛だとか、永遠の友情だとか、正義の心だとか、綺麗事をいくらでも口にするくせに、実際のところどれ1つとしてまともに達成することが出来ない汚い心の持ち主、それが私たち人間で御座います。

しょうもない男に騙されることもあれば、小さなことで親友を失ってしまうこともあるでしょう。

言いたいことも言えないこともあれば、言わなくて良いことを言ってしまうこともあるでしょう。

私たちはあまりにも弱く汚いので御座います。

ですが、だからと言って希望がない訳では御座いません。少なくとも今回の件でご質問者様は間違いなく人間として大きく成長いたしました。

以前のご質問者は「彼氏が出来たせいで友達を失った」って話を聞いたらどう思ったでしょうか?

「男で友情を失うなんてバカな女」と思っていたのではないでしょうか?

しかし今のご質問者様であれば、もうそんなことは言わないでしょう。人間という生き物の愚かさや弱さを実感したご質問者様であれば、このような話を聞いても「バカな女」などと切り捨てることはしないようになったことと思います。

「私たちの友情は絶対だから、何があっても絶対に壊れない!」

そんなことを言っている人間は、残念ながら人間という生き物を知りません。

そんなことを言っている人間こそ、強い言葉で弱い人間という生き物を傷つけるのです。

昔のご質問者様はおそらくそんな綺麗事を吐く嫌な奴だったことでしょう。

ですがご質問者様は今回の件で間違いなく成長されたことと思います。

人間の汚れを学ばれたことでしょう。そしてご質問者様もまた、綺麗なだけの人間から汚れも知った人間へと成長されたことと思います。



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