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気がついたらイジメの加害者になっていた女性の話

どこからがイジメ?

現在高校3年生の私は、中学3年生の時にいじめの主犯格として県内トップの中高一貫校を自主退学しています。

中1の時に仲の良かったA君とBちゃんが付き合い始めました。そして中2になる時のクラス替えで、その2人はクラスが離れ、私はA君と同じクラスになりました。

円満な関係に見えていた2人でしたが、たまにA君が彼女の束縛症やデートにかかる費用などについて呟くようになりました。中学生の私からすると行き過ぎた行為に思えたため、別れることを考えてみてもいいのではなどの返答をしたのですが、それでもBちゃんのことを好きだから別れないと彼は言っていました。

その年の夏の学年全員のキャンプで、事件は起きました。夜みんなで腹を割って恋バナをしていた時に、A君と同じ部屋(20人規模)のC君が、「実はBちゃんと付き合い始めた」と言い出しました。

A君とBちゃんの学年で知らない人はいなかったので、みんなが焦り、C君を問い詰めていくと、最初告白しても今は無理と断っていたBちゃんが、もうA君とは別れたから付き合えると言った発言があったとの事でした。

その夜のことは瞬時に学年全員に広まり、私とA君と仲の良かった数名は、A君を励ますと同時にとても怒りを覚えました。

それから、Bちゃんは「A君が私が浮気したという嘘の噂を流して、いじめてくる」と親と共に先生に訴え、3人が呼び出されることになりました。

そしてA君とは何日間か停学することとなりました。

そのこともあり、A君の怒りはヒートアップし、私やその周りも余計に不快に思うようになりました。その後、A君と仲の良かった他の子も、一緒になって陰口を言っているという理由で停学処分を受け、結果的にA君は2度退学届けを渡されていました。先生だけでなく学園長、理事長も出てきていましたが、全員がBちゃんの味方でした。

3年生になり、私とBちゃんC君は同じクラス、A君は別のクラスになりました。その頃のA君は、Bちゃんのことや学校の対応がトラウマになっており、恋はおろか日常生活にも少し支障をきたしていました。そんな中教室ではBちゃんがC君とイチャイチャしてるのを見て、私は納得がいかず、そのことについてよく友達に愚痴ったりしていました。

ある日、私が腹痛で学校を休んだ日に、夕方親と一緒に学校に呼び出されました。私は担任に狭い別室に連れていかれ、Bちゃんとその親ががあなたにいじめられていると言っていることを聞かされました。その後2時間尋問のようなことをされ続け、私はその空間(警察の取調室のような環境でした)に耐えきれなくなり、泣き叫びながら親のところに連れて行ってもらい、帰りたいと唱えていました。

しかし、今から理事長が来て下さるので帰せませんと言われ、理事長と生徒指導部長も加えての話し合いが始まりました。

いじめたのか問われ、いじめていませんと答えることを何度か繰り返しましたが、先方が聞き入れる気はないようで、証拠があるとか、何人かに個別で話を聞いた、私携帯のグループLINEであなたが悪口を言っていたことを握っているということで、お前は主犯格だから自主退学しろといった内容でした。

私の学校は進学校ということもあって、全員放課後も授業やらなんやらあり、呼び出しで抜けたりすると目立ち、すぐに噂になるのですが、A君が噂になることはあってもその他の子が個人で呼び出された様子はなく、また私はグループLINEが親友たちとのもの1つしかなく、その子たちは呼び出されていないし、そこでBちゃんの悪口を言ったこともありませんでした。また、全てが終わった後で、私の友達が「私(書き手)さんが謝るなら私も謝ります」などと答えてたことを知り、それで主犯格といった形になったのだと考えています。

私は、Bちゃんが苦手だったので、相手から話しかけられたり事務的なことがなければ自分から話しかけるようにしないようにしていました。などと答えていました。理事長は目の前で私の担任を「なぜこんなモンスターを育てたのだ」など叱り、私には「人を区別することは差別だ。」と言い、何度も無理やり退学届けを書かせようとしました。自分のどんな行いがいじめだったのかわからず、Bちゃんと話をさせてほしいとお願いしていましたが、相手を余計に傷つけるなどの理由で断られました。0時まで話し合いは続き、私はそれでもその学校が大好きだったため、退学届けにサインをしませんでした。

その後、A君に連絡を取り、辞めたくなければとにかく悔しくても謝罪しろと言われ、家族でBちゃんに話を聞きに行くのを兼ねて謝罪に行きました。しかしBちゃんが口を開くことはなく、結局何がいじめだったのか自覚出来ないまま退学となりました。

退学後は、学年集会が開かれ、理事長直々に私の罪と退学について全員に話されたらしく、私は学年のほとんどと友達だったため、泣いてくれた子が沢山いましたが、その日担任から電話で「その事ががあなたがしたことを物語っている」などと言われました。

3年生の11月だったので、高校受験をすることになり地元の公立に転校することになりましたが、理事長や担任の電話のトラウマから学校という建物に入れなくなり、理事長の罵詈雑言が幻聴で聞こえるようになり、一日に何度も過呼吸を起こし、食事がとれず夜も眠れなくなりました。

友人と連絡を取ろうにも、退学後すぐに全員研修旅行でアメリカにでも行っており、帰ってくる頃には制携帯(学校で配布されるガラケーです)は遠隔ロックを掛けられ、友達の連絡先を失いました。父親にもあらゆる通信手段を取り上げられてしまい、その後あまり公立中学にも通わないまま、高校生になりました。

何度も死ぬことを考えたりしましたが、なんとか高校生活を送り時間とともにだんだん症状も落ち着いてきましたが、3年経った今でもフラッシュバックしてしまうことがあり、苦しんでいます。

私が上野さんにお聞きしたいのは、難しいことだとは思いますが、いじめの境界線です。本当に私はいじめをしてきたんでしょうか。そして自分と、また当時の友達と今後どのように向き合えばいいのか、ということです。

私以外に呼び出された友達が数人いますが、当時は退学という犠牲者が私だけで良かったと思っていましたが、時間が経つに連れ、その子たちの発言から自分が主犯格になったこともあり、自分は苦しい思いをしているのになぜ他の子は…と考えてしまい、うまく話せなくなりました。

今でもみんなのことは大好きですが、病み期に入った時に酷い事を言ってしまいそうになり悩んでいます。

その中高一貫に入り、学校生活を送る間にに何百万というお金を両親には使ってもらい、小学校の生活全てを勉強に捧げました。また大学受験するに当たって私立中高一貫の人達の強みをひしひしと感じるようになり、余計に辛く感じることが多いです。

3年間何度も上野さんに相談するか悩みやめてきましたが、共通テスト15日前だというのにフラッシュバックから勉強に身が入らなくなってしまい相談させて頂きました。

内容が長くなってしまい本当に申し訳ありません。本業で忙しくされていることとは思いますが、どうかお返事頂けると幸いです。

よろしくお願い致します。

 

 

欠席裁判をしてはいけない

ご質問誠に有難うございます。

私はご質問文で登場した理事長とは違う考えを持っております。

何をもってイジメとするかという話もそうですし、区別に関しても思うところは御座います。

ですので私は理事長のように「ご質問者様がイジメをした」とは断言しません。

しかし、それと同時に私は「ご質問者様はイジメをしていない」とも断言することは御座いません。

もしかしたら「アナタはイジメをしていません」という言葉をかけて欲しかったかもしれませんが、そんな言葉をかけてしまったら、私は愚かな理事長と全く同じレベルの人間になってしまうのです。

一方の意見だけを聞いて判断するような愚か者に私はなりたくないのです。

ご質問者様の意見だけを聞いて「イジメはなかった」と言ってしまったら、それは被害者の意見だけを聞いてイジメがあったと断言した理事長と何も変わりません。

ですので誠に申し訳ございませんが、私は「ご質問者様はイジメをしていない」と断言することが出来ないのです。

だから申し訳ないが、貴方の意見だけを聞いて「貴方はイジメをしていない」なんて断言するようなことは出来ない。

しかし、これだけは断言できます。

ご質問者様は本当に強い。

イジメをしたにせよ、していないにせよ、ご質問者様が強い人間であるということだけは私は断言することが出来ます。

弱音を吐かない

今回のご質問文は非常に長文で御座いますが、これだけの長文でありながら、ご質問者様はBへの憎しみを一言も書かれませんでした。

「Aに対して酷いことをした」ということは書いておりますが、「Bが私を嵌めたことで退学になった」というような悪口が一切書かれていないのです。

どんな事情があるにせよ、ご質問者様は学校を退学になっているのです。

Bに対してはもちろん、ご質問者様のおかげで退学を免れた友人や、話を聞かない理事長、それこそAやCに対しても思うところがないはずがありません。

「Bのせいで退学になった」

「あいつらは私を犯人にして退学を免れた」

「そもそもAが問題を起こさなければ」

「Cが変なことを言わなければ」

「理事長が人の話を聞けば」

思うところはたくさんあることでしょう。

それなのにご質問者様はそういったことを一切書かなかったのです。

ご質問者様が心のなかで彼らのことをどう思っているかは私には分かりません。しかし、殺してやりたいと思っていたとしても不思議ではないほどの事件であったと私は思います。

それなのに、ご質問者様はそれを一切メールには書きませんでした。

どんな思いでそれを書かなかったのかは分かりません。

心の中の汚い本心を書いてはいけない、という倫理観があったのかもしれません。

自分の心の中にある憎しみを決して肯定してはいけない、という自制心があったのかもしれません。

何の関係もない第三者にそんな感情を吐き出してはいけない、という理性があったのかもしれません。

しかし、どんな事情があったにせよ、ご質問者様は自分の中にあるはずの憎しみや怒りを決してメールには書かなかったのです。

どんな人生を歩めばわずか18歳にして、こんな強い人間になれるのでしょうか。

ご質問者様が実際にイジメをしたのかどうかは私には分かりません。

私なりにイジメの定義は存在しますが、イジメている側は得てして被害を軽く語り、イジメられている側は得てして被害を甚大に語るのです。少なくとも片方の意見だけを聞いてイジメがあったとかなかった判断できるほど、私は有能ではなく、また愚かでもないつもりです。

しかしたとえご質問者様がイジメをしていたとしても、今のご質問者様が誇らしいほど立派で強い人間であることには疑いの余地がありません。

もしかしたらご質問者様はBをいじめたのかも知れないでしょう。ご質問者様が気がついていないだけで、Bに酷いことをしていた可能性は十分に考えられます。

もしかしたらご質問者様は何も悪いことをしていなかったかも知れないでしょう。彼らの発言は全て作り話や誇大妄想で、退学は不当だったかも知れません。

それは私には分かりません。

だが、どちらだったとしても、私は大した不安を抱いてはいないのです。

ご質問者様が過去に人をいじめていようが、人を殺していようが、少なくとも私が知る今のご質問者様は強く優しく、そして気高い。

私は理事長と違い差別も区別も贔屓もする人間なので、そんなご質問者様を贔屓したいと思います。

それはご質問者様がイジメなどするはずがないという盲信ではなく、たとえイジメをしていたとしてもそれでもなおご質問者様の味方になりたいという贔屓で御座います。

少しは弱音を吐いたほうがいい

これだけの環境にありながら、それでもBや理事長の悪口を書かなかったご質問者様には頭が下がる思いで御座いますが、私は何も「弱音を吐くのが悪である」と言いたいわけでは御座いません。

私は差別をしますので差別的な物言いをしますが、18歳の女の子であるご質問者様はもう少し弱音を吐いても良いと思います。

Bや理事長に思うところがないということはないでしょう。

それを一切口にしないのは確かに立派で強いことであると思いますが、そんなふうに自分の中に溜め込んでばかりではいつか爆発してしまいます。

ですので少しくらいは弱音を吐いても良いのではないでしょうか?

中学時代のご質問者様に本当のところ何があったのかは私には分かりません。ただ何があったにせよ、こうして3年経った今でも悩んでいるのですから思うところはあるのでしょう。

誰に話せとは言いません。私のお悩み相談を使って頂いても構いません。ですが少しくらい己の心のなかにある闇を吐き出さないと、いつかその闇が爆発してしまいます。

弱音を吐かない強さは確かにご質問者様の魅力ですが、その魅力をこれからも魅力とするためにも、たまには誰かに吐き出してみてはいかがでしょうか。

少し遅くなりましたが、ご質問者様の受験が上手くいくことをお祈りしております。

ただし、仮に上手くいかなくともご質問者様が強く気高いことに変わりは御座いません。たぶん勉強が出来る方だとは思いますが、私は別に勉強が出来るからこそご質問者様のことを誇りに思っているわけではございませんので。