【ご質問】
特に親しくもない知り合いとの微妙にイラッとくるコミュニケーションについて、ご相談させてください。
その方とは研究室が同じで、これから2~3年はコミュニケーションを取り続けざるを得ない人間です。
彼はよく私に質問をしてきます。例えば「研究のテーマは決まりましたか?」や「研究について今何をしていますか?」などです。
その度にこちらは「先生と相談中です。○○さんはテーマが決まりましたか?」なり、「論文を読んでいます。」なり返します。
それに対して、彼は私の答えに「了解です。」と返してきます。この返しに私は微妙にムカついてしまいます。
自分なりに理由を考えてみましたが、恐らく彼の質問の内容が、ほぼ同じなのに頻度が高いことが原因だと思います。
私自身、研究についてはまだ未熟者でわからないことばかりであるのに、そんなに質問されても困る上、「了解です。」と悪びれもしないところを腹立たしく感じているのだと思います。
しかし、これはコミュニケーションの価値観の違いです。彼としては、質問とは誰にどれだけ投げかけても構わないものであって、それで私が困っているなど微塵も思っていないのかもしれません。
どうにせよ、彼に価値観を変えてもらいたい、私のムカつきを理解して欲しいと言うわけではありません。できれば彼とは、もう関わりたくありません。
話を戻します。今回ご相談させて頂きたいのは、このように価値観の合わない、特に親密でもない、しかし何年か付き合いを持たなければならない知り合いと、どのようにコミュニケーションをしていけば良いかです。
以上の内容を本人に伝えるのが手っ取り早いとは思いますが、さすがに仲違いをすると研究室に迷惑がかかるので、それは私の本意ではありません。
普通であればできる限り話すことを避け、必要なことだけを伝え合えば良いと思うのですが、このように相手から頻繁にコミュニケーションをとってくる場合はどうすれば良いのでしょうか?
これも必要なことだと割り切って交流を続ける場合、自分のイラッとくる感情をどのように対処すれば良いのか、御教授いただければと思います。
【回答】
ご質問誠に有難うございます。
ご質問文にはご質問者様の性別が書かれておりませんでしたが、おそらくご質問者様は女性の方でしょう。文面が丁寧なこと、一人称が「私」であること、「彼とは関わりたくない」という言い回し、そして何よりもこの状況が男女でなけらばそうそう起こらない状況であることからも、ご質問者様が女性であるのはほぼほぼ間違いないかと思います。
さて、今回ご質問者様は「彼が質問は誰にいくらしてもOKをと思っていてる」から、このように質問ラッシュに遭っているとお考えのようで御座いますが、私はそうだとは思いません。
ご質問文に明記されておりませんので断言はできませんが、もしも彼が「質問は誰にいくらしてもOK」と思っているのであれば、ご質問者様以外の方にも同じように質問を大量にされていることでしょう。
もちろんご質問文に書かれていないだけで、その方が他の方にも大量に質問をされている可能性は御座います。しかしもしも彼がそんなことをしているのであれば、彼はご質問者様以外の方からも嫌われて、研究室内で阻害されている可能性が高いでしょう。もしもそうであれば、ご質問者様はここまでお悩みにならないことと思いますし、そのことをご質問文に書かれるのではないかと思いました。
そもそも仮に彼が「質問は誰にいくらしてもOK」と思っていたとして、それはご質問者様に質問をしまくる理由にはなりません。
私の在籍していた研究室とご質問者様の在籍されている研究室の仕組みが同じかは分かりませんが、今回ご質問者様はその方に「〇〇さんはテーマが決まりましたか?」と聞いていることからも、彼はまだテーマがあまり決まっていない学部生と予想されます。研究室を取りまとめ、学生を管理する立場にある助教授や院生であればまだしも、ただの学部生に過ぎない彼がご質問者様に研究テーマを聞く理由など一体どこにあるのでしょうか?
つまり彼が質問をする際に躊躇をしない理由は「質問は誰にいくらしてもOK」で説明が付きますが、そもそも質問をする動機がないのです。
会話をしたいだけじゃない?
今回私はご質問者様が女性であると予想しましたが、その最大の理由は彼がご質問者様に質問する動機を考えるとご質問者様が女性でないと成立しないからで御座います。
先程申し上げたとおり、彼はご質問者様に質問する理由が御座いません。また彼が狂気の質問魔だったとした場合、ご質問者様以外にも被害者が多数発生しているはずでしょう。そうにも関わらずそのことが一切ご質問文に書かれていないということは、被害者はご質問者様しかいないと考えられます。
つまり彼は質問する理由がないにも関わらず、ご質問者様にだけ謎の質問を何度も何度も繰り返しされていると考えられます。
それでは彼は一体なぜご質問者様にこうも質問を繰り返すのでしょうか?
色々と考えてはみたのですが、何度考えても答えは1つしか思いつきません。
彼は単純にご質問者様と会話をしたいだけなのではないでしょうか?
つまり彼は「ご質問者様と会話をしたい」という目的が先にあり、その目的を達成するために「質問をする」という手段を取っているので御座います。毎回同じような質問をされるのも、おそらくは「研究に関係ない質問は嫌われるかもしれない」という思いが彼の中にあるのではないでしょうか。
もちろん結果的に彼はご質問者様に嫌われておりますので彼の取った行動は大失敗なわけなのですが、それはあくまでも結果論に過ぎませんし、おそらく彼は嫌われているということに気がついてもいないことでしょう。ご質問者様が「〇〇をテーマにしました」と回答する日を夢見て、そのときのために役立ちそうな本や論文を何冊もストックしているかもかもしれません。
会話が出来る唯一の女性
彼が何の目的でご質問者様に話しかけているにせよ、何度も同じような質問をして、ろくに会話も広げられないあたり彼のコミュニケーション能力が著しく低いことだけは間違いありません。
失礼ながらこれほどまでにコミュニーケーション能力が低いのですから、仲の良い女性と呼べる方はほとんどいない可能性が高いでしょう。仲の良いレベルでなく、日常的に会話をすることがある程度のレベルに下げたとしても、彼が日頃会話をしている女性はほぼほぼ存在しないのではないでしょうか。
そんな中で自分の研究室に入ってきたご質問者様は、彼にとってほとんど唯一の女性である可能性が極めて高いことと思います。
また今回のご質問文を読んだだけでも私は「彼は会話がしたいだけじゃね?」という仮説にたどり着きました。しかしご質問者様がたどり着いた結論は「彼は質問は無限にOKと思っている」というもの。どちらが正解かは分かりませんが、どちらが正解であるにせよ「彼は会話がしたいだけ」という仮説にご質問者様がたどり着かなかったことは重要でしょう。
つまり大変失礼ながら、ご質問者様もまた彼ほどではないにしてもコミュニーケーション能力が低めの方と想像されます。
さて、それでは彼の目線に立って考えてみましょう。
おそらく彼は自分自身がコミュニーケーションをあまり得意としていないことは自覚されていることと思います。彼が自覚なきコミュ障で遭った場合「了解です」で会話を終わらせずに、退屈で不快な話をいつまでも続ける可能性が高いので、彼は自覚あるコミュ障と考えて問題ないでしょう。
そんな彼は当然ですが周囲に女性も少なく、仲が良いと呼べる女性はおりません。しかし彼が女性に興味がないかと言えば決してそんなことはなく、おそらく女性と仲良くなりたいという気持ちを持ち合わせていることでしょう。
それではそんな彼が話しかけるとしたら、一体どんな女性でしょうか?
コミュ力が高めのパリピ感のある女性に彼が話しかけるとは思えません。ご質問者様も共感して下さるかと思いますが、コミュ力が低い「自称陰キャ」が話しかけるのは、自分と似たようなタイプの方なのです。自分とは住む世界が違うような明るいパリピに話しかける自称陰キャなどおりません。
そう、おそらく彼はご質問者様が自分と同じくコミュニーケーション能力が低い女性だと思ったからこそ、話しかけてきたのではないでしょうか。
少々言葉は悪くなりますが、オタクの男性がオタクの女性であれば彼女になってくれるかもしれないという期待を抱くのと構造的には同じで御座います。自分と似たような女性であれば、話をしてくれると彼は思ったのだと思います。
5つの対策
彼の置かれている環境が私の想像通りであれば、彼には同情心が湧いてこないことも御座いません。しかしそうは言っても実際にご質問者様が被害を受けていらっしゃるのですから、なんとかしないわけにはいかないでしょう。
まず1つ目の対策方法で御座いますが、ご質問者様が研究室内の別の男性と極端に仲良くするという方法が御座います。
このときに仲良くすべき相手は、彼とは全く逆のパリピ感があって、コミュニケーション能力が高い方ですと良いでしょう。彼と似たような男性と仲良くしてしまうと、彼に「これなら俺でも!」という期待感を与えてしまい逆効果で御座います。ですので彼が「俺には無理だ」と諦められるようなパリピ感のある男性と仲良くするという方法が良いでしょう。
次に2つ目の方法は、彼との会話を最低限にするという方法で御座います。
ご質問者様は「先生と相談中です。〇〇さんはテーマが決まりましたか?」とお答えされているようですが、この回答にはまだ多くの贅肉が付いております。贅肉を削ぎ落として「先生と相談中です」とだけ返すようにされると良いでしょう。
「話したい」と思っている相手に質問で返すなど相手を喜ばせてしまうのは間違いありません。
相手の目的はおそらく「話したい」でございますので、その目的を達成させないように会話を極限まで短くするべきなのです。
そして3つ目の方法は割り切るというもの。
相手の方は何年生かは分かりませんが、おそらく研究室内で重要なポジションにある方ではないでしょう。それならば彼に嫌われたところで研究室に大した迷惑はかかりません。ですので彼と仲が悪くなっても良いと割り切って、無視に近い行動を取るという方法も可能で御座います。
4つ目の方法は少々意外な方法で御座いますが、こちらから話しかけるというもの。
今回のご質問者様は「変な質問をされることが不快」ということで御座いましたが、もしも質問が不快なのであって、彼自身のことが不快なわけではないのであれば、こちらから彼に話しかけることで彼の質問攻めは防げることでしょう。
ただし、彼と会話をする時間は間違いなく増加しますので「質問ではなく彼自身が嫌い」というような場合は、この方法は使うべきでは御座いません。
さて、ここまで彼が話しかけてくる理由を分析し、その対策方法を4つ紹介させて頂きましたがいかがでしょうか。
ほんの少しだけでも、彼への憎しみが軽減されたのではないでしょうか?
そもそもご質問者様は彼が「無思慮に質問を繰り返す」ということに怒っていたのです。つまり彼が無思慮に質問を繰り返しているわけではなく、単純に話をしたいだけと分かった今、彼のことが少しだけ許せるようになったのではないでしょうか。
というわけでこれが5つ目の方法で御座います。
相手の動機を理解する。
ご質問文の最後に「イラッとする感情へどう対処すれば良いのか?」というご質問が御座いましたが、その回答がこちらになります。
彼が質問してくる動機が分かれば、今より少しくらいはストレスが軽減されるのではないでしょうか?
彼は何も「質問は無制限にOK」なんて思って質問しているわけでは御座いません。単純にご質問者様と会話がしたいだけなのです。
もちろんそれを甘んじて受け入れろと言うつもりは御座いませんが、それを理解するだけでも彼への憎しみが軽減されるのではないかと思います。