【ご質問】
純粋な性格で巨乳の友人Aが、Twitterで知り合った男と同棲しています。その男は顔ダメ(誰が見てもブス)体型ダメ(デブ)性格モラ(同棲する家を男の実家近くに指定、Aの誕生日でも友達優先、ゴム無し強要し駄々をこねるetc)で、ただでさえキツイのにAが幸せそうにツイートして、さらにキツイです。(Aは声が良いと言ってます)
家庭環境が良くはなく、しかしながら実家が太くバイトをしたことがない自己肯定感低めのお嬢様なAが、自分を肯定してくれる男を求めてしまうのは仕方ないと思いますが、Bは決して高収入ではありませんし、同棲を始めてから2ヶ月Aはまだ再就職しておらず金銭的にもモラハラ的にもAのことが心配で気が気ではありません。
また私が去年結婚してから、Aが彼に執着しているようで、他の友人は「あなたが結婚して羨ましいんだと思う」と話していました。
他人のステータスを妬むような子ではない気がしていたのですが…
Aを納得させた上で、彼と別れさせる方法はないのでしょうか?
趣旨が変わらない範囲でご質問文を一部修正しております。原文はこちら
「しかし」に注目
ご質問誠に有り難うございます。
「家庭環境は良くはなく、しかしながら実家が太くてバイトをしたことのないお嬢様」
今回のご質問文で最も重要なのはこの一文。「しかし」という言葉が入る文が最も重要というのは現代文の基礎の基礎で御座います。
「逆接の後に筆者の主張が来る」と習ったことがある方も多いことでしょう。
それでは今回のご質問者様の主張はどのようなものなのでしょうか?
しかしながら実家が太くバイトをしたことがない…お嬢様
主張は「しかし」の後に来るので、ご質問者様の最大の主張は「Aはバイトもしないお嬢様」ということなので御座います。これはAに対する強い不満と言っても差し支えないでしょう。
しかし、バカ正直に「Aはバイトもしないクソ野郎」なんて書いてしまったら、さすがに人格を疑われてしまいます。そのためご質問者様は「しかし」の前に「家庭環境は良くはなく」という同情の言葉を入れたのでしょう。
そしてこの「良くはない」という表現がまた絶妙。ご質問者様のお気持ちがよく現れていると感じました。
良く’は’ない
つまり良くないだけで、別に悪くもないのです。おそらくAは色々と自身の家庭の不幸を語ったことと思いますが、ご質問者様的には「まぁ…良いとは言わないけど、それくらいよくあることでは?」といったくらいの話なのではないでしょうか?
高卒、もしくは奨学金
「バイトもしたことがない」という言葉は大卒の方によく向けられます。
一般的に大学生の多くはバイトをしているからこそ「バイトもしたことがない」という言葉が悪口になり得るのです。中卒社会人に向かって「バイトもしたことがない」と言ったところで「そりゃそうだろ」となり悪口にはなり得ません。
このことからAさんは大卒、もしくは専門卒の方でしょう。そして実家が太いということから、彼女は授業料はもちろんのこと在学中の生活費も親に払って貰っていると考えられます。もしかすると都内のタワマンかなにかに親の金で住んでいたかもしれません。
さて、日本人の大学進学率は約50%、そしてそのうち約50%が奨学金を利用しております。つまり奨学金を借りずに大学進学をしているのは、全体のわずか25%に過ぎません。さらにバイトもしたことがないとなれば、その割合は10%を余裕で下回ります。
彼女は経済的に上位10%以上の家庭なのです。
もちろん親の性格に難があったりするかもしれませんが、少なくとも家庭の経済力に関して言えばどう考えても良好と言わざるを得ません。
授業料はもちろんのこと生活費やら何やらも出して貰っておきながら、それでも「家庭環境が悪い」と愚痴る。彼女には彼女の不幸があるのでしょうが、それを聞いて皆が同情するかと言えば話は別。
特に金銭的理由で進学を諦めた方、重たい奨学金を背負った方、学費のために寝る間を惜しんでバイトをした方、返済のためにやむを得ず風俗で働いた方。
そういった方々からすれば彼女の不幸は到底同情に値しないことでしょう。それどころか強く彼女を憎んでも何の不思議もございません。
ご質問者様は必死でバイトをされたのではないでしょうか。奨学金返済のため、生活のため、在学中に必死でバイトをされたのではないでしょうか?
親の金をかじってるだけの女に「旅行しようよ」と言われて、シフトを増やしたのではないでしょうか?
バイトもしない女の愚痴を聞くために行ったカフェの代金は、あなたが2時間汗を流した対価なのではないでしょうか?
そしてそんな甘えた彼女にご質問者様はこう言われたのではないでしょうか?
「いいよね、あなたの家は。」と
言い換え図鑑
Aの外見に関して、ご質問者様は「巨乳」としか書かれておりません。
顔に関する言及は無し。それなのにやや強引とも言える力強さで「巨乳」という言葉をねじ込んできました。
それは一体なぜか。
Aは可愛くなくて、太っているのではないでしょうか?
太古の昔から、人間は友人女性を紹介する時に言葉を選ぶもので御座います。そしてその1つが「肥満」を「巨乳」と言い換える方法。たしかに肥満傾向のある女性は巨乳傾向もあるらしいので嘘ではないものの、古典的によく使われる表現で御座います。
顔について触れないのは擁護のしようがないから。さすがに「面白い顔」とか「平安顔」なんて言葉では悪意を隠しようもありません。
また、ご質問者様はAに対して言葉を選ぶ一方で、Aの彼氏に対しては強烈とも言える表現をしております。
「体型ダメ(デブ)」
「顔ダメ(誰が見てもブサイク)」
ここまで強烈に外見に口出すご質問者様が、なぜAの外見に関しては触れないのか。それはもう触れたら悪口になるから以外に考えられません。女性の外見について語るのは失礼と思っている可能性は0でしょう。胸のサイズなんていう最もセンシティブな話題には平気で触れているのです。
この仮説が正しいとすれば、Aの外見に対するご質問者様の本心は想像に難しくありません。
ご質問者様は「デブ=ダメ」と言っているのです。男性にここまで厳しいくせに、女性には甘いなんてことがあり得るでしょうか。
あり得ません。もしも女性に甘いなら、嘘でも「Aは可愛い」と言えば良いのです。肥満はまだしも可愛いなんて基準のない曖昧な言葉、なんと言おうと文句は言われません。そもそも私がAの顔を見ることありえないのです。
それでも可愛いとは書かなかった。Aのことを可愛いと言うのは、ご質問者様の中の何かが許せなかった。
AさんにはAさんの不幸があるのでしょう。
もしかしたら痩せにくい体質なのかもしれません。
もしかしたらメイクでは手の施しようがないほどなのかもしれません。
もしかしたら肌荒れしやすい体質なのかもしれません。
彼女には彼女の不幸があるのでしょう。ですが、それを聞いて皆が同情するかと言えば話は別。
特に食べたいものを必死で我慢してダイエットした方、必死でバイトして整形資金を貯めた方、どれだけ疲れていても寝る前のケアを続けた方。
そういった方々からすれば彼女の不幸は到底同情に値しないことでしょう。それどころか強く彼女を軽蔑しても何の不思議もございません。
そんな彼女にご質問者様は言われたのではありませんか?
「あなたはいいよね。痩せてて、可愛くて」と
合法的に嫌いになりたい
Aの彼氏様がいい男だとは思いません。
しかしご質問者様がAの幸せを願っているとはそれ以上に思えません。
もちろんご質問者様は「そんなことない」と否定されることと思いますが、それならばお聞きしたいことが御座います。
どうしてAの幸せそうなツイートを見ると「キツく」なるのでしょうか?
幸せそうだからこそ、不幸との落差が見えて不安になる。そんな言葉遊びはいくらでも思いつきますが、幸せを願っているなら普通は逆でしょう。
幸せそうなツイート見てキツイと思うのは、相手の不幸を願っている方か、もしくは相手の痛々しい行動に嫌悪感を抱いている方で御座います。
勘違いしないで頂きたいのですが、私はご質問者様のに「嫌な奴」とか「最低な人」と言いたいわけではございません。
むしろその逆。私がここまでAの悪口を書きまくったのは、ご質問者様のことを擁護したいからで御座います。
AにはAの不幸があるのでしょう。
それはご質問者様もご理解されているはず。だからこそこうして苦しんでいらっしゃるのではないでしょうか?
Aの家庭に何があったのかは知りません。経済的に豊かでも、それでもなお不幸だったのかもしれません。
だからこそ嫌いになれなかった。少なくとも経済的に自分よりもはるかに恵まれた環境にありながら、その環境を不幸だと嘆く彼女のことを心の底では嫌悪していながら、そんな理由で嫌いになってはいけないと言い聞かせていたのではないでしょうか。
ほかの友人は「あなたが結婚できて羨ましいんだと思う」と話していました。
ほかの友人とやらの言葉は本来このご質問文に必要のない一文で御座います。それなのにわざわざそれを書いたのは、これこそがご質問者様が望んでいた言葉だからなのではないでしょうか。
「Aが私のことを一方的に妬んできたのだから、Aと距離を置くのは仕方のないことだ」と思いたかったのではありませんか。
肯定してくれる彼を求めてしまうのは致し方ない
Aは肯定してくれるからこそ彼を求めた。そこまで分かっているのなら、次に出る言葉は「どうすれば彼女の自己肯定感をあげられるか」になるはずです。
ですが、それが出てこない。彼女を肯定したくないのではないでしょうか。
実家が太いというただそれだけの理由で、経済的苦労をせずに進学した彼女を。
実家が太いというただそれだけの理由で、次も決まっていないのに平気で仕事を辞める彼女を。
それだけ実家に寄生してるくせに、それでもなお実家を悪く言うこの女を。
彼女には彼女の不幸があるのでしょう。ですが、ご質問者様にはご質問者様の不幸があるのです。
それなのにさも自分だけが世界で最も不幸かのように、愚痴をばらまくこの女を肯定したくないのではありませんか。
彼女には彼女の不幸がある。彼女が何か悪いことをしたわけではない。
そんなことはわかった上で、私もAがあまり好きにはなれそうもありません。
とは言えこれでは私が悪者になってしまいます。申し訳ありませんが、私と一緒にAのことを嫌いになってはいただけませんか?
どうかご安心ください。正当性がなくても、理由がなくても、根拠がなくても人を嫌いになって良いのです。
超えてはいけない壁はそこにはございません。超えてはいけない壁は「好き」と「嫌い」の間ではなく「加害行為」の手前に御座います。
大丈夫、もう彼女は遠く離れた新天地で暮らしてます。会うこともそうそうないでしょう。
嫌いになって良いのです。
ですが加害の壁は超えてはいけません。つまり「デブ=ダメ!!」と思っていてもいいですが、口には出さないようお気をつけくださいませ。