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可哀想とすら思ってもらえない可哀想な人たちへ

無敵の人に現行法は通用しない

それでは今の日本の法律は無敵の人の目にどう映っているでしょうか?

無敵の人は自分の命に価値を置いておりません。

ですので死刑は罰として機能しないでしょう。

無敵の人は金もろくにありません。

もしも年収1億であれば、殺人を起こすことは事実上数十億の金銭的罰金になりますが、彼らは収入もろくにないので、人を殺しても金銭的に罰を被らないのです。

そして何よりも、無敵の人には希望がありません。

もしも明日に希望があったなら、その希望を絶ってしまう殺人など行わないでしょうが、彼らの未来には希望が1つもないのです。

ですので懲役だろうが死刑だろうが、それは罰にはなり得ません。なぜなら彼らにとっては現世こそが罰なのです。

我々が人を殺さないのは、もちろん倫理的な理由もあるでしょう。

しかし「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあるように、倫理だの道徳だのは「恵まれた人間」にしか生まれないものなのです。

「腹が減れば、人は誰でも人を殺す」

私も、そして皆様も。

私たちが人を殺さずに済んでいるのは、たまたま偶然、人を殺さなくてはいけないほど追い詰められていないからに他なりません。

私も、皆様も。

餓死寸前の時に、目の前に飯があれば必ず盗みを働きます。

そしてその盗みのために人殺しが必要なのであれば、私たちは人を殺してしまうのです。

無敵の人を思いとどまらせる罰とは

今回の犯人についての詳しい情報はまだ出回っておりませんが、彼は一体なぜ人を殺したのでしょうか?

「無敵の人だから人を殺した」というのは、ブレーキがないから事故を起こしたという話に過ぎません。

例えブレーキが壊れていたとしても、アクセルを踏まなければ事故は起きないのです。

もしも彼が餓死寸前なまでに食に困っていて、コンビニを襲ったのであれば彼のアクセルは「ご飯を食べたい」でしょう。

しかしさすがに飯に困っていたということはないでしょうし、もしも飯に困っていたら歩いている人を刺したりは致しません。

もしも彼が借金苦に悩んでいて、銀行を襲ったのであれば彼のアクセルは「金が欲しい」でしょう。

しかし、彼が襲ったのは子供ばかり。それに自殺もしていますので金目当ての犯行ではないのは明白です。

それでは彼のアクセルは一体なんだったのでしょうか?

私は「認知」であったことと思います。

彼は誰かに自分の存在を知って欲しかった。

自分が生きていたという痕跡をこの世に刻みつけたかった。

それこそが彼の望みであったのだと私は思います。

彼は私たちに存在を認知して欲しかったのです。

誰からも注目されず、誰からも好かれず

誰からも認められず、誰からも尊敬されず

誰からも愛されず、誰からも必要とされず

誰からも褒められず、誰からも敬われず

誰からも妬まれず、誰からも求められず

誰からも

誰からも人間として扱われなかったからこそ、彼はせめて誰かから嫌われ、恐れられ、畏怖されたかったのでしょう。

何もできない人間が人から認知されるためには、悪い意味で誰もやらないことをしなければならないのです。

 

交差点で寝る

コンビニのショーケースに入る

過激な男女差別論を展開して炎上する

 

有能な人間が奇行を起こさないのは、彼らが有能ゆえに奇行に手を出す必要がないからというだけなのです。

何もできない人間は必ずしもその行為が悪いことだと知らずして、その行動を取っているわけでは御座いません。

何も手段が思いつかない人間にはそれしか手段がないのです。

リスクを十分に承知した上で、それでもなお奇行に手を出さなくてはならない状況に追い込まれているからこそ、彼らは奇行に手を出すのです。

今回の事件の犯人もきっとそんな人間だったのでしょう。

もっと真っ当な方法で人から認知される方法が取れるほど有能であったなら、彼はこんなことをしなかった。

 

 

だからこそ私たちは彼を決して認知してはいけないのです。

殺人をすれば、人から認知してもらえるなどという前例を作ってはいけないのです。

 

 

「殺したら認知してもらえる」ではなく「殺しても認知してもらえない」と彼らに理解させなければならない。

殺人を犯した犯罪者に「嫌ってあげる」「軽蔑してあげる」「罵倒してあげる」という認知のご褒美を与えてはいけないのです。

 

先日ニュージーランドで発生したテロ事件の際に、ニュージランドの首相であるジャシンダ・アーダーン首相はこう言いました。

「皆さんは、大勢の命を奪った男の名前ではなく、命を失った大勢の人たちの名前を語ってください。男はテロリストで、犯罪者で、過激派だ。私が言及するとき、あの男は無名のままで終る」

News Japanより引用

今回の犯人はすでに死亡しているので2度と罪を犯すことはないでしょうが、この国に何十万と存在する無敵の人に、彼が認知される姿を見せてはいけません。

名も知れず、誰からも認知されない哀れですらない存在のまま、彼には死んでもらうことこそが、殺人という大罪を犯した彼に課すべき罰でしょう。

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