人間性というものは普段なかなか見えて来ないものであり、人が追い詰められたときにこそ見えてくるものでしょう。
特に何か大きな問題が発生したときの態度というのは、その人間の本質を見極める重要なポイントで御座います。
今回、回答させていただくご質問はそんな「問題が発生したときの人間性」を見極めるために非常に役立つものでした。
問題が発生したときの「3つの態度」から、その方の本質を見極めて下さいませ。
また逆に自分が「悪い態度」を取っていないかということも、合わせて考えて頂ければ幸いです。
ご質問
私は友人だったAさんから人として欠如していると言われました。
どれだけ考えても自分では分からず悩んでおります。
他者であり、たくさんの方々を見てきた上野さんに分析をしてほしいです。
事の発端はグループワークでした。
仲のいい人同士のグループで、わいわいと進めていました。
しかし、仲のいいメンバーというものはいいことだけではなく、話し合いをしているとすぐに脱線してしまったり、やらなければいけないことをやってこなくても笑って済ませたりとどこか甘えがでてしまうことが多々ありました。
最初こそ仕方ないと思いつつもやらなければいけないことをやれていない状況が私にとってはとてもストレスで、それがあまりにも続くので苛立ちを隠しきれなくなり1度Aさんに「これは1週間でやれるの?やれないの?」と聞き、やれると答えたものですから「本当にやれるんだね?信用していいんだよね?」と上から目線で強く、私はあなたを信用していないということを言ってしまいました。
不足分の仕事は私が請け負い、なんとかデータを完成させまとめ、あとは印刷して終わりというところで私は滅多にないアルバイトが入っており、印刷しに行く時間がないということでBさんにデータを送り代わりに行ってもらうことにしました。
しかし、あまりにもデータが重たくBさんのパソコンでデータを開くことが出来ませんでした。
私は朝の7時に家を出てアルバイトに向かっていたためBさんからの開けなかったというメッセージに気付いたのは午後4時くらいでした。
メッセージをみてびっくりし、どうしようと解決策を考えているとAさんから怒りのメッセージが届きました。
「なぜパソコンを持ってきていなかった!?なぜバイトを入れたの!?」と責められた時はなぜと言われても…と思ってしまい、どうして彼女がこんなに怒っているのかわかりませんでしたし、片付けが残っていたので考える時間もありませんでした。
とにかくデータさえUSBに移せればなんとかなるので、付近に住んでいる友人にデータを移すだけの作業をしてもらえないかと頼みました。
すると友人はパソコンよく分からないから同じ寮に住んでいるBさんにパソコンを貸すよと答えてくれ、これで解決する!と思いましたが、友人とBさんは関わりがほとんどなく、友人の友人という関係だったことからAさんから猛反対、「信じられない、人の迷惑考えられないの?」と言われてそれから無視されるようになりました。
結局1度家に帰りパソコンをもってまた戻り、夜遅く終電もない時間になってしまったので友人宅にお世話になり入稿しましたが、結果的にこっちの方が迷惑かけてるうえ私への迷惑は考えてくれないのかな…と不満を持ちました。
それから何日かしてこのままでは良くないと思い、印刷を自分で行かなかったことや、Bさんへちゃんとデータが届いたか確認しなかったこと、結果Bさん任せになってしまったことを謝り、その後どうしてそんなに怒っているのか、何がダメだったのか聞きましたが、拒絶されるだけで答えてもらえず最終的に人を思いやる気持ちが足りない、人として欠如していると言われブロックされました。
パソコンを借りる行為がだめだったのか、又貸し?になることがだめだったのか色々考えましたが、友人からいいよと言われた好意を受けとらないのも逆に失礼じゃないのか…プライバシーの問題であればゲストログインがあるから問題ない、高価なものだからと言っても持ち帰るわけではないうえ私のパソコンを貸したことあるし…と理由が見つからず
それから毎日考えてはわからないとなり、悲しくなって涙を流すばかり理由が分からないことが既に欠如しているからなのかと考えては落ち込みを繰り返しています。
長文になってしまいましたがどこがどう欠如していて、私はどうすればよかったのかをわかる範囲でいいので教えてもらえないでしょうか?
もう仲直りすることは出来ないと思いますが、このようなことが2度と起こらないように気をつけたいと思いますのでアドバイスお願い致します。
回答
ご質問誠に有難う御座います。
今回のご質問はまさに「追い詰められたときの人間性」の問題であると言えるでしょう。
何か問題が発生した時、人間が取る行動は大きく分けて3種類に分類出来ます。その分類の違いこそが、ご質問者様とA様の違いであり、ご質問者様がA様の考えを理解できない原因であるといえるでしょう。
それでは早速では御座いますが、その3つの行動を紹介させて頂きます。
1つ目のタイプは「解決」
ご質問者様はこのタイプに分類されます。
問題が発生した際に、まずその問題を解決することに注力するタイプであり、最も現実的かつ生産的かつ責任感に溢れたタイプであると言えるでしょう。
このタイプの方は、問題が解決するまで責任の所在を確認したり、自己弁護をしたりは致しません。
あくまでも問題解決が第一であり、それ以外のことは解決した後の話なのです。
もちろん問題が解決した後は責任の所在を確認しますが、その場合でも糾弾が目的ではなく「再発防止」を考えて責任の所在を明らかにするタイプでしょう。
最も人から尊敬され、能力的にも優れていますが、残念ながら組織では責任を押し付けられて左遷されてしまうことが多いのも事実。
彼らを左遷した後、その組織がどうなるかは言うまでもありませんが……
2つ目のタイプは「自己弁護」
Aさんはこのタイプに分類されます。
このタイプは問題が発生した際に、まず「自己弁護」を考えるタイプです。そのため問題の解決は後回しになり、被害が拡大することも少なくありません。
どう考えても一緒に仕事をしたくないタイプの方でありますが、残念ながら現実的に決して少なくないタイプであるのも事実。
特に大きな組織になればなるほど、このタイプの方が増えていく傾向にあるといえるでしょう。
このタイプの基本理念は「自己保身」なので、自分にいかに責任がないか、いかにあの人が悪いか、ということを主張することが多いのです。
3つ目のタイプは「停止」
これは問題が発生するとパニックになり、何も出来なくなってしまうタイプです。
本当は解決をしたいものの能力がそれに全く追いついていない「解決型停止タイプ」と、自己弁護をしたいものの能力がそれに全く追いついていない「自己弁護型停止タイプ」の2つの型が存在しますが、傍目からすればどっちも「何もしない」という点で同じなので「停止タイプ」と分類させて頂きました。