パチンコを潰したのは出店規制ではない
イジメを無くすために、イジメが悪だと教えることを否定したいわけでは御座いません。
それはそれで非常に重要なことでしょう。
ですがそれと同時に「自分もイジメをしたらハマる」という危機感を持つことも重要であると私は考えます。
「自分はイジメが大嫌いだ! だからイジメは絶対にしないし絶対に許さない」と言っている方は得てして「でもイジメって難しいよね」という「イジメ問題穏健派」を叩き潰します。彼らは正義感でやっているつもりですが、構造としてはイジメとあまり変わりません。
自分の中の正義の軸で人を社会的に抹殺しようとしている、という点では何も変わらないのです。
だからといって私はイジメ撲滅鷹派を否定したいわけでは御座いません。イジメを減らすためには彼らのような過激派も必要でしょう。
しかし、自分がイジメっ子を力でねじ伏せた時、自分の中の「人を屈服させたい」という負の感情が発芽しかかっていないかということをいつも注意深く警戒して頂きたいのです。その負の感情はどこまでも甘美に人を飲み込みます。
さて、最後にパチンコのお話をさせて頂きましょう。
ここ30年ほど、パチンコ産業は衰退の一途を辿りました。その善悪はともかくとして、この衰退の原因は「射幸心規制」と「他の娯楽の成長」であったと私は考えます。
特に1996年の大当たり規制が極めて重要であったことでしょう。パチンコのピークが1995年であったことからもその効果は明らかです。
別にパチンコに膨大な税金をかけたわけでもなければ、広告規制をしたわけでもありません(広告規制はすでにかなり衰退していた2011年から)、出店規制は衰退の前から行われていました。
パチンコをつまらないものにし、そしてパチンコ以外の娯楽を充実させただけなのです。
パチンコを衰退させるにはそれだけで十分でした。
- 「イジメは悪」という教育
- 「自分もイジメをしかねない」という危機感
- イジメをするよりも楽しい環境の構築
パチンコとイジメを同列に並べられるのかは分かりませんが、1は勿論のこと2と3もイジメを減らすためには必要なのではないかと思います。