ディズニーなんざ少しも楽しくねえ!
結論から言えば、男性はディズニーリゾートがそこまで好きではありません。
これは感覚的にも来場者数的にも明らかで御座います。
もちろんディズニーリゾート好きの男性もおりますし「死ぬほど嫌い」なんていう方はそこまで多くありません。
しかし「別に嫌いとは言わないけど、好きでもない」くらいの男性が圧倒的多数派でしょう。
さらに言えば例えディズニーが好きであったとしても多くの場合は”自主的に行くほどではない”くらいの”好き”なので御座います。
つまりディズニーデートもまた雀荘デートと同じように「彼女のために仕方なく付いてきた」という構造が成立していると言えるでしょう。
さて、私は何も「恋人とディズニーに行くな!」と言っている訳では御座いません。
明確な「温度差」があることを理解して頂きたいと申し上げているだけで御座います。
男性はディズニーのアトラクションに大して興味がありません。アトラクション好きは富士急かナガシマスパーランドに行きます。
パレードも大して興味がありません。ディズニーに限った話では御座いませんが、キラキラしたイルミネーションが好きなのはいつだって女性で御座います。
ディズニーの雰囲気にもそこまで興味がありません。非日常感を求めるのは女性ですし、そもそも男性は女性と比較して「雰囲気を楽しむ」ということが苦手で御座います。
それでは男性がディズニーに求めているものは何か。
「楽しそうにはしゃぐ彼女」以外一つもないのです。
彼女が笑ってくれるなら、7400円×2=14800円のチケット代も、構造ミスとしか思えない東京駅の京葉線乗り換えも、浅草花やしきの営業時間(480分)を超えるトイストーリーマニアの待ち時間(最高500分)も、大したことでは御座いません。いえ、トイストーリーマニアはちょっとキツイですが、まぁ許容範囲です。
ですのでどれほど物価が高かろうと、アトラクションの絶叫度が低くとも、アホみたいに並ぼうとも、どこで使うか分からない耳を買おうとも、大量のLEDを見るために2時間場所取りをさせられても、”彼女が喜んでくれるなら”我慢が出来るのです。そしてその我慢は決して苦痛ではなく、むしろ「彼女を楽しませることが出来た」という勲章なのです。
しかし、
しかし、
ディズニーの魔法はそのクオリティが高すぎるが故に、女性にこう言わせてしまうのです。
「あなたもディズニーランド楽しんでいたじゃん」「ディズニーは男性も楽しめる」「ディズニー好きでしょ?」と。
そして、そう言われてしまったら男性はこう思わざるを得ないのです。
ディズニーなんざ少しも楽しくねえ!と。
キャスト(店員)とゲスト(お客様)
ディズニーリゾートのクオリティに疑うところは御座いません。
男性でも楽しめることもまた否定は致しません。
しかし、その「楽しさ」と「温度差」は男女で大きく乖離しているのです。
男性が楽しめないのではなく、女性が楽しめすぎると言っても良いでしょう。
ですので男性は基本的に自らディズニーには行きません。
行くのは誰かが「行きたい」と言った時だけ。主役の付き添いとして舞浜の改札を通るのです。
家族でディズニーに行くお父さんも、彼女を連れてディズニーに行く男性も、その日の主役が自分だとは思っていません。
お父さんは子供のために。
彼氏は彼女のために。
主役が楽しむために全力で自己犠牲を行うのです。
彼らはゲストではなく”キャスト”としてディズニーランドに行っている。全てはゲストの笑顔のために。彼らは金と時間と労力を割いてキャストになるのです。
そんなキャストに「あなたもゲストだ」と私は言えません。彼らは「ディズニー」を楽しむ気なんてないのです。
恋人とディズニーに行くなら
ご質問者様にお伝えさせて頂きます。
ぜひ、ディズニーを楽しんできてくださいませ。
先ほど雀荘のところでも少しお話をさせて頂きましたが、人は基本的に「人のワガママ」に付き合っている自分が嫌いではありません。大好きな人のために自分が割りを食らおうという気持ちは多くの方が持ち合わせている感情でしょう。これは言い換えれば「人の役に立ちたい」という感情なのです。
「彼氏とディズニーに行きたい」というご質問者様の願いを叶えたいと、きっと彼氏様も思っていることでしょう。ですのでその願いを捨てることは、ご質問者様の願いを捨てるだけではなく、彼氏様の「彼女の役に立ちたい」という願いも捨てることに他なりません。
どうか彼氏様に「ディズニーに行きたい!」と言ってくださいませ。そして全力で彼氏を使ってください。彼はゲストの笑顔のために頑張るキャストです。ゲストと、ゲストを笑顔に出来たキャストとはますます良い関係になることでしょう。
ご質問者様がパレードを見ている時、パレードには目もくれずご質問者様の喜ぶ顔を眺めているような、そんなディズニーデートになることをお祈りしております。