「友達は数と質のどちらが大切か」という議論は古今東西あらゆる場面でされてきました。
どちらかと言えば「友達は数よりも質」派の方が多数派であるように感じますが、数が全くもって重要ではないわけでは御座いません。
友達の数が多ければそれだけ交友は広くなりますし、得られる刺激も増えることでしょう。
しかし友達の数について語る際には、数だけではなく「系統数」についても考える必要が御座います。
一夜で友達が0になった女性
私の知人女性の話をさせて頂きましょう。名前を仮にAとさせて頂きます。
Aは誰の目から見ても友達の多い女性で御座いました。LINEは常に鳴り続け、土日の予定は2月先まで埋まっているような女性といえば想像しやすいことでしょう。
さて、そんなAは些細な原因で1人の女性と揉めることになってしまいました。
とは言えAにはたくさんの友達がおります。友達を失うことは悲しいことでは御座いますが、数多く存在する友達の1人を失うことはそこまで大きな痛手ではないでしょう。
しかし、Aの交友には1つ大きな問題が御座いました。
確かにAには友達が多かったのですが、Aは地方の出身で友達が全員高校の頃からの顔なじみだったのです。
Aと仲が悪くなったのは、数多く存在する友達の中の1人に過ぎません。しかしその女性と険悪になってしまった結果、Aは地元の友達全員と気まずくなり、一夜にして全ての友達を失うことになってしまったのです。
系統数が1だと詰む
Aの最大の問題は友達の系統数が「地元の友達」という1系統しかなかったことでしょう。
もしもAの友達が「地元の友達」「大学時代の友達」「趣味の友達」というように複数の系統に分かれていれば、たとえ1人の友人と不仲になってもそれ以外の系統の友人とは何の問題もなく仲良くすることが出来ました。
しかしAの交友関係は
moaa「地元の友達」という1系統しかなかったので、その系統が気まずくなってしまった瞬間に全ての交友関係を失うことになってしまったのです。
Don't put all your eggs in one basket.
投資の格言と知られるこの言葉を日本語に訳すと「卵を1つの籠に盛るな」となります。
投資には国債や株、通貨など様々な投資先が御座いますが、どれか1つに投資をしてしまうとそれが駄目になったとき全ての資産を失ってしまいかねません。
ですので資産の20%は国債、30%は株というように投資先を分散させることで、そのリスクを軽減させるのです。これが先程の「卵を1つの籠に盛るな」という意味で御座います。
友達もまたこれと同じことが言えるでしょう。
友達が1系統しかいないと、何人友達がいたとしても1人と気まずくなるだけで全ての友達を失ってしまうリスクがあるのです。
ですので友達は数よりも系統数が大事。
仮に友達が10人だったとしたら、「地元の友達10人」よりも「地元の友達3人・趣味の友達2人・高校の友達2人・大学の友達1人・ネットの友達1人」というように系統を分散させた方が、安定性が高まるのです。
安定性だけの問題じゃない
友達の系統数を増やすのは、何も失ったときのリスクの問題だけでは御座いません。
そもそも友人関係に悩む方の多くは「どれだけ酷い扱いをされても、その友達を失うことが出来ない」という状況に陥ってしまっていることがほとんどなので御座います。
絶対に失うことが出来ない状態になってしまうと、何をされても文句を言うことが出来ません。
ブラック企業に勤めている方が酷い扱いをされ続けるのも「絶対に会社を辞められない」と会社に思われているからなのです。
ですので対等で公平な友人関係を維持するためにも、友達の系統数は非常に重要でしょう。
たとえ悪意がなかったとしても、相手が絶対に自分から離れられないと分かってしまうと人間は知らず知らずのうちに失礼で傲慢な態度をとってしまう生き物なので御座います。
もしも皆様が友人に酷い扱いをされている、どうしても対等と思えないとお悩みなのであれば、それは系統数の問題かもしれません。
皆様の友人がいくつの系統に分かれているか、少し考えてみてはいかがでしょうか。