久保裕丈という天才の演出
木村ゆかりさんの辞退という形で大幅なプラン変更を強いられた久保さんですが、バチェラーには2つだけ久保さんでも破ることが出来ないルールが御座います。
1つ目はバラの本数。例えば初日のバラは20本ですが、久保さんが「21本にしたい」と言っても残す人数を増やすことは出来ません。
2つ目はデートプラン。
久保さんは堀江貴文さんの番組で「デートの人数は番組が指定していた」と語っています。また他の番組などで「すごいデートプランです」というようなことを言っていることからも「デートのプランと人数」は番組側が指定していることでしょう。
このうち重要なのは2つ目のデートプラン。
特に4日目に番組が用意していた2on1デートは久保さんにとって極めて重要なポイントだったでしょう。
2on1デートいうのは女性2人を選んで、そのうち1人にバラを渡し、もう1人はその場で脱落という仕組みのデートです。
つまりこのデートに選ばれた2人は完全なるライバルになるのですが、バチェラーという番組としてもかなり見所になるデートでしょう。
さて、それではこのデートで番組を盛り上げるためには一体どんな2人を選べば良いのでしょうか?
まずどちらか片方が圧倒的に気に入られているような2人は選ぶべきではありません。何故ならばデートをするまでもなくどちらが勝つか分かってしまっているので、視聴者は興醒めになってしまうのです。
そのため「どちらが勝ってもおかしくない」という2人を選ぶ必要があるでしょう。ですので鶴愛佳さんのような「ここで落とされることはないだろ」的な人物は選ばれることがありません。
次にその女性の関係性を考えてみましょう。
バチェラーに参加した女性はバチェラーハウスと呼ばれる家で共同生活をすることになるのですが、長い時間共同生活をしていれば女性の中でも人間関係が生まれます。
それでは次の3つの関係性のうち、番組が最も盛り上がるのは一体どのペアでしょうか?
1)非常に仲が悪い2人
2)非常に仲が良い2人
3)あまり関係のない2人
3)が論外なのは皆様すぐにお分かり頂けることと思いますが、問題なのは1)と2)です。
このうち「視聴者」が喜ぶのは一体どちらのペアでしょうか?
これは皆様の心の中にあるドス黒い感情を理解しなければなりません。
25人の女性の中からたった1人の女性を選ぶ、なんていう歪な番組を見ている時点で視聴者は「女同士のドロドロした争い」が見たいのです。これは非常に重要なポイントなので、皆様も覚えておいていただければ幸いです。
さてそうだとすれば、1)と2)のどちらを選んだ方がより視聴者は楽しめるでしょうか?
正解は2)の非常に仲が良い2人で御座います。
嫌いな者同士のバトルはお互いに敵意を隠していないので、ある意味で清々しい戦いになってしまうことでしょう。一方で仲が良かった2人の勝負は「それまで仲が良かった2人の女性の関係性が男を巡ってぶち壊れる」という視聴者が最も見たいものを演出することが出来るのです。
それではこの25人の中で最も仲の良い2人はいったい誰でしょうか?
それは初日に話を戻さなくてはなりません。
初日、25人の女性と初めて出会ったパーティーで森田紗英さんという女性が久保さんと2人きりになり会話をしておりました。
しかし森田さんがあまりにも長く会話をしているので、横槍を入れた人物がいるのです。
それこそが坂本くるみさんと古賀あかねさんの2人。
この2人はことあるごとに2人で行動をしています。映像に写っていない場面ではどうだったか分かりませんが、映像に写っている場面では少々奥手な坂本さんを古賀さんが引っ張るという姉妹のような関係が成立していたのです。
天才久保裕丈がこれを見逃すはずもありません。
2on1デートで坂本さんと古賀さんの2人が選ばれることは久保さんの予定に組み込まれていたことでしょう。
なおこのデートは古賀あかねさんの勝利で終わりました。
さて、先ほど「視聴者はドロドロした女の戦いを見たがっている」と申しましたが、実はこれは”ある2人の女性”が落とされる理由につながっていきます。
先ほどの古賀さんと坂本さんの2on1デートが終わった後、5回目のローズセレモニーを迎えます。この時点で番組は古賀さんv.s.坂本さんという「ドロドロモード」に入っていたので、久保さんもそれを想定した落とし方をしたと想像されます。
この時点で残っていたのは
豊島はるか・岡田ゆり子・柏原歩・木村ゆき(ゆきぽよ)・古賀あかね・鶴愛佳・蒼川愛・飯倉早織・森田紗英・橋本真依・KONAN・松長ゆりこ
の12人。
この中から2人を落とさなくてはならないのですが、ここでこの12人の年齢を見てみましょう。
豊島はるか | 26 |
岡田ゆり子 | 21 |
柏原歩 | 26 |
木村ゆき(ゆきぽよ) | 20 |
古賀あかね | 22 |
鶴愛佳 | 33 |
蒼川愛 | 22 |
飯倉早織 | 26 |
森田紗英 | 24 |
橋本麻依 | 30 |
KONAN | 31 |
松長ゆりこ | 30 |
結論から言えばこの中で落とされたのは31歳のKONANさんと30歳の松長ゆりこさんの2人でした。
一見すると年齢が高い2人を落としたようにも見えますが、それであれば鶴さんや橋本さんでも良かったはずでしょう。
それでは一体なぜKONANさんと松長さんの2人が落とされてしまったのでしょうか?
私は「番組を盛り上げるため」であったと考えます。
実はKONANさんと松長さんは年上であったため、女性たちの精神的支柱のような存在になっておりました。女性同士で揉め事があった場合、KONANさんか松長さんがその場を取り持つという場面が何度か見られたのです。
ですのでこの2人が残っていると、女性同士の争いが抑制されてしまう恐れが極めて高かったことでしょう。
番組の序盤はそれでも良いのですが、視聴者がドロドロを見たくなってきたこの頃になると、ドロドロを抑制してしまう2人は番組にとって邪魔な存在になってしまったのです。
一方で鶴さんや橋本さんは年齢こそ上ですが、揉め事を解決するどころかむしろ揉め事を起こす側の人間でした。
これこそがKONANさんと松長さんを落とさなくてはならなかった理由ではないでしょうか?
久保裕丈という天才の愛情
先ほどからちょくちょく名前が出ている「鶴愛佳」という女性について語りましょう。
初対面の久保さんに折り鶴を渡す33歳。初日のファーストローズを獲得し、その後も順当に勝ち上がり、25人の中で最も積極的に久保さんにアピールをしている女性の1人でした。
もちろん鶴さんは本業が女優なので、鶴さんの行動が演技かどうかを私は見抜くことが出来ません。ですが、少なくとも画面に映る鶴さんは25人の女性の中で最も結婚に執着しているように見えました。
岡田ゆり子さんなども、かなり積極的にアピールはしていましたが彼女が21歳ということもありそこまで「結婚」という2文字はチラついていません。
つまり鶴さんは番組内で最も結婚の話が多く、尚且つ最も積極的にアピールをしている女性だったのです。森田紗英さんなども結婚を匂わせてはおりましたが、鶴さんほどではありませんし、この時点ではそこまで積極的にアピールしているようにも見えません。
それでは久保さんの立場に立って考えてみましょう。
久保さんが自分の知名度を上げるために番組に出ているとすれば、この番組で結婚相手を決める気などさらさらないはずです。もちろん良い人がいれば結婚したかも知れませんが、あれから3年が経ち38歳になった今でも独身を貫いているということは結婚願望が希薄な方なのかも知れません。
そもそも久保さんレベルのスペックを持っていれば、こんな番組に出なくても結婚相手を見つけることなど難しくはないでしょう。ですので久保さんの結婚願望はともかく、久保さんが本気でこの番組で結婚相手を探している可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
だとすれば最終的に選んだ人に本気で結婚を迫られると久保さんは困ってしまうのです。つまり結婚に対して本気であればあるほど久保さんはその女性を最終候補から外す可能性が高いと言えるでしょう。
その点、鶴さんは最終候補から最も外されるべき女性でした。しかし初対面で折り鶴を渡したり、水着でベタベタしたり番組を盛り上げるためのキャストとしてはかなり優秀な人材であったのも間違いありません。
そのため鶴さんは番組の後半まで残されました。
しかし、そんな鶴さんは6回目(ちなみにローズセレモニーは全12回)のローズセレモニーで落とされることになります。
この段階で鶴さんが落とされた理由は2つの可能性があると私は思います。
1つ目の理由は不要説。
鶴さんが落とされた時点で残りの女性は8人になるのですが、ここまで来ると鶴さん以外の女性もかなり積極的にアピールをしているので、強アピール枠の鶴さんを残す必要がなくなったという説で御座います。
そしてもう1つの理由は愛情説。
先ほど申し上げた通り、この番組に参加していた25人の女性の中で最も積極的に結婚をしたがっていたのは鶴さんだったことでしょう。
他の24人に結婚願望がなかったとは言いませんが、少なくとも鶴さんが落とされた時点では鶴さんが最も結婚願望の強い女性であったことと思います。
そうだとすれば鶴さんに「結婚できるかも」という期待を抱かせ続けることはあまりにも酷なことであると言わざるを得ません。
そのため久保さんは鶴さんをここで落としたのではないでしょうか?
もちろんこれには「これ以上、鶴さんを残したら面倒になりそう」という久保さんの打算も少なからずあったかも知れません。
しかし、ここで期待を断ったのは久保さんなりの愛情だったのだと私は思います。
久保裕丈という天才の決断
番組は進み、女性は4人に絞られました。
・古賀あかね
・柏原歩
・蒼川愛
・森田紗英
この中で最初に落とされたのは柏原歩さんでした。そしてその次に古賀あかねさんが落とされます。
この2人はおそらく全く同じ理由で落とされてしまったことでしょう。そしてそれは久保裕丈という天才の”ある信念”によるものであったと思います。
それでは久保さんの信念とは一体なんだったのでしょうか?
これは久保さんの著書「その恋はビジネス的にアウト」の質問42を読むと見えてくることでしょう。
取引先で知り合った5歳年下の女性と付き合いはじめましたが、過去に六本木の路上で5人組の男性にナンパされ輪姦されたことを告白されました。 『その恋はビジネス的にアウト』 久保裕丈著
この質問に対して久保さんは「受け止めて欲しいというのは彼女のエゴ。本気だったら、言わないで欲しい」と回答しています。
この久保さんの意見には私も同意しますが、この中で久保さんは「過去は過去」と切り捨てているのが特徴的でした。
久保裕丈という天才は常に「今」を生きているのです。そして過去にいつまでも取り憑かれているような人間と付き合う気がありません。
そう、柏原歩さんと古賀あかねさんはこの久保さんの地雷を踏み抜いてしまったのです。
「昔の男の話をした」
久保裕丈という天才は良い意味でも悪い意味でもサイコパス性の高い人物です。そしてその目は常に前を向いていて、自分の過去にも、相手の過去にも、執着をするような男ではありません。
ですので古賀さんや柏原さんがどんな男と付き合っていたとしても、そのことを理由に彼女たちに幻滅するような男ではないでしょう。良い意味でも悪い意味でも、今この瞬間を生きている彼は彼女たちの過去に興味などないのです。
だからこそ、彼は古賀さんと柏原さんを残すことができませんでした。
それは彼女たちに「前の男がいたから」ではありません。
彼女たちがその話を久保さんにしたからなのです。
その話をした瞬間、古賀さんと柏原さんの目は過去を向いていました。
そして自分の過去を受け入れて欲しいというエゴを久保さんにぶつけてしまったのです。
今この瞬間を生き、常に前を見つめている彼にとって、そのような人間はパートナーとして選ぶことが出来ません。
昔の男の話をした古賀さんと柏原さんを落とした久保さんに対して「前の男がいたと分かったら落とすなんて、小さい男だな」と罵倒する方もいらっしゃいましたが、それは久保裕丈という男をあまりにも理解していないと言えるでしょう。
彼はそんなことで女性を嫌いになったりはしません。彼が落としたのは「昔の男がいたから」ではなく2人が過去に囚われていたからなのです。
ですのでもしも古賀さんが「これまで1度も彼氏が出来たことないけど、そんな女でも大丈夫?」と言ったとしても、恐らく古賀さんは落とされていたことでしょう。彼にとって重要なのは「元彼がいたかどうか」ではなく「前を向いているかどうか」なのです。
しかし、視聴者のことを考えれば、ここで古賀さんと柏原さんを残し「過去の話をされても気にしないデカい男」を演じた方が良かったでしょう。そしてそのことは久保さん自身も重々理解していたことと思います。
信念を取るか、番組の演出を取るか。
恐らく久保さんが最も悩んだのが、この2人をどうするかということだったでしょう。
だからこそこのシーンはバチェラー1でも屈指の名シーンなのです。
久保裕丈という天才が、番組の演出と自分の信念の狭間で悩んでいる。
そして、久保さんは自分の信念で決断を下しました。
久保裕丈フリークの私としては、この時の久保さんこそが最高に魅力的な男に見えるのです。
久保裕丈という天才の誠意
久保裕丈さんは最終的に蒼川愛さんを選びました。
この決断の理由も私なりの仮説はありますが、それを書いてしまうのは流石に2人に失礼というものでしょう。
ですので久保裕丈さんが蒼川愛さんを選んだ理由については、皆様でお考え頂ければ幸いです。
ここまでにそのヒントは盛り込みました。
・久保さんはどんな男なのか
・なぜ久保さんは番組に出たのか
・なぜ鶴さんを落としたのか
・森田さんと蒼川さんの差は何か
・二人はその後どうなったのか
そして蒼川愛という女性が「視聴者からどのような女性として見られていたのか」ということを考えると、久保裕丈という天才の誠意が見えてくるでしょう。
久保裕丈という天才は、確かに冷酷で合理的でサイコパス的な側面を持ち合わせていると私は思います。
しかし、最後の最後で蒼川さんを選んだのは、彼が「売名」のみを目的にしていると考えれば明らかに不合理な選択でした。
それでは久保さんは一体なぜ蒼川さんを選んだのでしょうか?
私なりの答えは、下記のLINEに「バチェラー」と送って頂ければお答えさせて頂きます。(手動のため時間がかかることが御座います、誠に申し訳ございません)
さて最後になりますが、今回の記事でバチェラーに興味が湧いた方は是非一度バチェラーをご覧下さいませ。
狂気の天才・久保裕丈。
彼がバチェラーを勤めたシーズン1は恋愛ドキュメンタリーではなく、天才主人公によるサスペンスなのです。
是非、この機会にバチェラーをご覧いただければ幸いです。
バチェラーシーズン1はこちら