キーワードをワイルドカードに変えていく
さて、先ほどの段階で「名前」と「地名」を手に入れたクラッシュが、この２つの言葉をどのように調理していくのかということを解説させて頂きましょう。
まずセクション5の「親との会話」が終わった時点で、クラッシュはウミガメの挨拶を必ず挟んできます。
ウォー！！！
ポイントになるのはこの次にクラッシュが必ず言うあるセリフで御座います。
それは
これには他にもいくつかパターンがあり
などの場合もあるのですが、いずれにしても先ほどの観客の名前を使ってイジリをすることには変わりません。
それではこの過程をご理解いただいた上で、クラッシュが次にする会話に入りましょう。
クラッシュはこの次に観客たちに質問をします。
その質問は高確率で「人間は泳げるの？」という質問なのですが、質問の内容自体は特に重要では御座いません。
重要なのはクラッシュがこの質問の中で、先ほどの「人名」と「地名」についてのイジリを入れるということ。
それでは良くあるパターンをご紹介させて頂きましょう。
この後、クラッシュがゆっくりと泳ぐ
ここから冗談を交えて話す（マニュアル）
そして速く泳いでどっかへ行く
大雑把にいうと、クラッシュの会話はこのようになります。
この会話の中で重要なのは、最初にクラッシュが手に入れた「人名（太郎）」と「地名（愛知）」というワードを使ってイジること。
特に重要な人名は挨拶のたびにイジっているので、この段階でかなり鉄板のネタへとなってきてくるのです。
それではこの２つのキーワードが、タートルトークのもっとも重要なポイントである「観客からの質問に答える」でどう効いてくるのかを解説させて頂きましょう。
ズバリ、この２つのキーワードが「ワイルドカード」になるのです。
大抵の質問はマニュアルで回答が出来る
それではいよいよ下準備が整ったところで、タートルトークの最大の目玉である「観客からの質問に答える」というセクションについて解説させて頂きましょう。
クラッシュはこのセクションを上手く乗り切るために、ここまでの会話を繰り広げていたのです。
コミュ力お化けのクラッシュでも、ここまでの下準備がなければあれほど上手に観客からの質問を裁くことはできないでしょう。
そもそも、観客からの自由な質問に答えると言っても、質問のパターンは決して多くはありません。
観客の多くは子供なのですが、子供が聞く質問は「好きな食べ物は？」「好きな色は？」などの定番のものばかりで、事前に回答が十分に用意されていると言えるでしょう。
また大人の観客も、基本的には空気を読んだ質問をするので、質問のパターンは限られます。こちらもまたマニュアル化が十分に出来ると言えるでしょう。
さらに一見すると回答が困難に見える「クラッシュを困らせようとする質問」は実は完全に想定内の質問であり、これもマニュアルで対処可能です。
あの手のアトラクションをぶち壊したがる人は決して少なくありませんので、「クラッシュを困らせる質問」は意外にもかなりメジャーな質問なのです。
そして言葉は悪くなりますが、子供のいる空間で夢をぶち壊そうとする頭の悪い方がする質問など、そこまでパターンは多くありません。
※クラッシュを困らせてやろうとする人がよくする質問と想定マニュアル
・「スッポンが好き」など、カメを食べる系の質問
→その質問をした観客に「カメは友達、餌じゃない」と宣誓させる。
・「時給いくら？」「週休何日？」などのメタ系質問
→「質問の意味が分からないが、君はどうなんだい？」と逆に質問をする。
・「子供の作り方」などのエロ系質問
→基本的には「俺たちは卵から生まれる」系の回答をする。また「子供もいるんだぜ？」と観客に注意を促す。
・「彼女が欲しいです」などの恋愛系質問
→まず結婚系は「海は結婚という概念がない」と回答する。またクラッシュのパートナーのシェリーの話をすることも多い。なお「恋人が欲しい」系の質問はかなりよくある質問でマニュアルが完全に出来ている
・「今後の日本経済はどうなるんですか？」などの雰囲気に全くそぐわない質問
→空気が読めていないので「わかんね」「知らね」で対処可能。観客のヘイトが質問者に向かっているので、質問者があしらわれるだけで笑いになる。
また「クラッシュを困らせたい人」の質問全般に言えることですが、観客もその質問をした観客に対してヘイトが溜まっているので、その観客に対して冗談っぽく
と言うだけで、基本的に回避が可能です。
それではクラッシュがもっとも困る質問とはいったい何か？
それは「悪意なき想定外の質問」で御座います。
明らかに悪意のある質問であれば、クラッシュはその観客を逆に困らせることで、その場を盛り上げることが出来るのですが、悪意なき想定外の質問の場合はこの方法があまり使えません。
ですので、この「悪意なき想定外の質問」への対処方法を用意することこそが、タートルトークを常に面白いアトラクションにするもっとも重要なポイント。
そしてそれこそが先ほどのワイルドカードで御座います。
それでは具体的に「悪意なき想定外の質問」を用意して、クラッシュがどのように対処をするか考えてみましょう。
