異性の友情は成立するのか?
「はっきりするなら振られた方がいい」
先輩の本心はおそらくこの言葉にあったことでしょう。
おそらく先輩は比較的前から、ご質問者様に好意を持っていたことと思います。
その好意はおそらく異性としての好意。ご質問者様のことを1人の女として好意を持っていたことと思います。
しかし、それはご質問者様のことを女友達として見ていなかったという意味では御座いません。
友達として好きであり、
同時に異性としても好き。
きっとそんな気持ちであったことと思います。
私は両親のことが親として好きであり、人間として好きであり、師として好きです。
それと同じように、先輩はご質問者様のことが女友達として好きであり、可愛い後輩として好きであり、そして異性として好きだったのでしょう。
それはなんら不思議なことでは御座いません。
友達として好きであり、異性として好きということはよくあることで御座います。
おそらく先輩は不安だったのでしょう。
ご質問者様が異性の友人として自分のことを慕ってくれていることは分かっていたし、先輩として好いてくれていることも分かっていた。
ですがご質問者様が自分のことを異性として好きでいてくれているのかどうかは確信が持てなかったのでしょう。
だからこそ先輩は、それを確かめずに卒業することが出来なかったです。
先輩にとって最悪なことはその気持ちを伝えないまま疎遠になることだったのでしょう。
だからこそご質問者様が「ごめんなさい」と言ったのは極めて真摯な対応だったのです。
どうかご安心くださいませ。
ご質問者様は少しも失礼なことを言っておりません。
もしもご質問者様が「またまた先輩、冗談はやめてくださいよ」というように、先輩の告白を冗談にしてしまったら、それは先輩を傷つけたかもしれなかったでしょう、
しかしご質問者様は先輩の告白をきちんと告白として受け取り、対応した。
それを真摯な対応と呼ばずして、何と呼べば良いのでしょうか?
選ばなかった未来は最悪にしておけばいい
ご質問者様が先輩の告白を断ったことが正しい選択だったか間違った選択だったか、ということは私には分かりません。
私にも分かりませんし、ご質問者様にも分からないのです。
しかし少なくともご質問者様は誠意ある対応をされました。
それだけは間違いありません。
間違いなく、告白の時点では最大の対応をご質問者様は行いました。
ですのでそれが正しい選択だったかどうかなんてそんなに重要な話では御座いません。
選択はいつも選んだ方の結果しか見ることができないのです。
選ばなかった方の選択をした場合の未来を私たちは知ることができません。
だからこそ選ばなかった方の選択はもっと良かったのではないか?と悩んでしまうのですが、それは「選ばなかった未来」に期待をし過ぎというものでしょう。
確かにご質問者様が告白を受け入れていれば、バラ色の未来が待っていたかもしれません。しかしそれはただの妄想なのです。
もしかしたら先輩の告白を受け入れていたら、ご質問者様はそのことに浮かれ学校からの帰り道で車に轢かれて死んでいた可能性だってあるのです。
選ばなかった未来に過大な期待をしても後悔しか生まれません。
だからこそ選ばなかった未来は最悪の未来だったと想像しておけば良いのです。
安心してください。
もしもご質問者様があの時、告白を受け入れていたら、ご質問者様は車に轢かれて死んでおりました。
そういうことにしておきましょう。
男女の友情は成立する
ご質問者様は先輩と元の関係に戻ることをお望みのことと思います。
しかし残念ながらそれは不可能でしょう。
溢れたミルクは戻りませんし、覆水は盆に返らないのです。
先輩が告白をし、その告白をご質問者様が断った。
その事実は決して変わりません。
そしてその事実がある以上「異性として意識しないただの友達」に戻ることは不可能でしょう。
しかし、溢れたミルクは戻らなくとも、ミルクを新しくグラスに注ぐことは可能で御座います。
そもそも告白というビッグイベントが無かったとしても昨日と同じ関係のまま今日を迎えることは出来ません。
関係は刻一刻と常に変わり続けているのです。
昨日と同じ関係は二度と訪れません。
関係は何もなくとも毎日変わり続けています。
ですので「まだ告白をしていない仲の良い関係」に戻ることは不可能でも「告白をしたけど仲の良い関係」になることは可能でしょう。
それは決して難しいことでは御座いません。
「お互いに異性として見ている異性の友達」になれば良いだけのことで御座います。
正確に言えば今回の場合は「異性として見ている先輩」と「自分が異性として見られていると知っている後輩」という異性友達になるでしょう。
私は昔告白して振られた女性と、いまだに仲良くしております。
しかしそれは「お互いに異性として見ない異性友達」という関係では御座いません。
私は彼女を異性として見ておりますし、彼女もまた私が異性として見ていることを知っているのです。
その上で「異性の友達」として仲良くさせて頂いております。
たまに「ほらほら、私のこと好きなんだからここは奢りなさいよ〜」と言ってきたり、3倍返しを前提にしてバレンタインにチョコを送ってくる(ご丁寧に値札がちゃんと付いている)ことがちょっとアレですが、お互いに異性の友達としてうまくやっているつもりです。
彼女はすでに結婚してしまったので、私と付き合うことはないでしょう。
それは重々承知で御座います。
ですが私は彼女のことを異性として好いていますし、同時に友人として好いているのです。
そして彼女は私のことを友人として好いてくれていて、異性としてはおそらく好いてはおりません。しかし私が異性として好いているということは重々に承知している。
私は男女の友情は基本的に成立しないと思っておりますが、それは「お互いに異性として見ない男女の友情」が不可能だと思っているだけで御座います。
そんなセンチメンタルで綺麗な話が成立するとは到底思えません。
一方で「お互いが異性として見ていることを知っている男女の友情」は成立すると考えております。
異性として好きで、友達としても好き。
それを「異性としては見ていないけど、友達としては好きだよね!」と曲解したら、成立するものも成立いたしません。
「相手は私のことを異性としても友達としても好いてくれている。だけど私は友達としてしか好きではない」
そのことをきちんと理解している場合にのみ、男女の友情は成立することでしょう。
私と彼女の関係はあくまでも友達で御座います。
そして決して手に入らない彼女のことを未だに一番に思い続けているほどセンチメンタルな関係でも御座いません。
ただ私のカテゴリーにおいて、彼女は「女」というカテゴリーと「友達」というカテゴリーの両方に入っているだけの話で御座います。
おそらく、先輩はご質問者様のことを異性として見ていることでしょう。
しかし、おそらくはそれと同時に友人として、可愛い後輩としても見ていることと思います。
ですので、もしもご質問者様が先輩と付き合う気はないものの、今までのように仲良くしたいのであれば、告白をなかったことにしてはいけません。
先輩は異性として自分のことが好きであり、なおかつ友人として自分のことが好きであるという状況を受け入れてこそ、男女の友情は成立するものであると私は思います。
「先輩とは仲良くしたいですが、先輩と付き合うことは出来ません。ごめんなさい。
でも気持ちはとっても嬉しいです。先輩の気持ちはきちんと受け止めます。
その上で、わがままかも知れませんがこれからも一緒に遊んでください。」
と素直に言えば良いのでしょう。
それでおそらくはうまくいくことと思います。
大抵の女性は「告白」を無かったことにしようとするから関係がこじれてしまうのです。
相手が自分のことを異性として見ているということを受け入れる。
その上で友達としての関係を築くということこそが、関係をまた築くために最も重要なことなので御座います、
最後に心優しいご質問者様に1つだけ忠告をさせて頂きます。
間違っても先輩と付き合いたくないのに、先輩との関係を継続するためだけに嫌々付き合うなんてことをしてはいけません。
それは間違いなくご質問者様を不幸にします。ご質問者様の優しさは美徳ですが、人に優しいのと同じだけ、自分にも優しくしてあげてくださいませ。
余談
余談になりますが、最後に1つだけ私の心配を聞いて頂ければ幸いです。
今回のご質問文を読んでいて、私はご質問者様と先輩の関係が見えてきませんでした。
ご質問者様は先輩を「唯一の男友達」と仰っておりますが、ご質問者様と先輩はどうして仲良くなったのでしょうか?
そしてご質問者様はどうして先輩以外の男性と仲良くなることがなかったのでしょうか?
普通に考えて、高校1年生と3年生がそんなに仲良くなるとは思えません。もちろん仲良くなることもあるでしょうが男友達が2学年上の先輩だけ、という状況が不思議なのです。
男友達が0ならば分かります。
男友達がたくさんいて、そのうちの1人が2年上の先輩という人も分かります。
しかし2年上の先輩しか男友達がいないという状況がいまいち見えてきませんでした。
ご質問者様はこの1年の間、一体どんな学生生活を歩んだんだのでしょうか?
もちろん徒然チルドレンよろしくご質問者様と先輩の2人しかいない部活だったとかそういう事情ならわかります。しかし、もしもそうではないのなら、ご質問者様ははどうして先輩とだけ仲良くなったのでしょうか?
同級生の男子と仲良くならなかったのでしょうか?
先輩の友達と仲良くならなかったのでしょうか?
そこが少しだけ気になりました。
その原因が不幸なものではないことを祈っております。