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サイコパスの思考方法 サイコパスには世界がどう見えているの?

相手の考えていることが全然分からない

私は人の気持ちが全然分からないことで悩んでいます。

サークルの後輩の女の子が好きなのでデートに誘いたいと思っていたのですが、それを友人に相談したところ「どう考えてもあの子はお前のことが好きじゃない」と言われてしまいました。

他の友人やサークルの別の女の子に聞いても言い方こそ違えど同じような回答でした。

私は彼女から嫌われているとは全然思っていなかったのですが、実際にデートに誘っても全然うまくいかなかったのでおそらく彼らの意見が正しかったのだと思います。

上野さんに質問です。

どうして彼らは「私のことが好きじゃない」と分かったのでしょうか。

またどうして僕は「嫌われている」と分からなかったのでしょうか。

人の気持ちが分かるようになりたいです。

人の気持ちが分からない原因

ご質問誠に有難うございます。

人の気持ちが分からない、と言えばサイコパスなどがその典型でしょう。

早速ですが、ご質問者様にはサイコパス診断ということで次の問題を試して頂きたく思います。

]目の前に2つのボタンが御座います。

ボタンAを押すと貴方は100万円貰えます。

一方でボタンBを押すと100万円貰えますが、同時に別室にいる男性に電流が流れます。

この男性と貴方は完全に赤の他人で、今後出くわすことは絶対にありませんし、貴方が押したということが彼にバレることはありません。

さらに貴方と彼は完全に別室なので、お互いに相手の様子を見ることも聞くこともありません。

さて、貴方がどちらのボタンを押したか絶対にバレないとして、貴方はどちらのボタンを押しますか?

分からないor悩む

さて、先ほどの問題は如何だったでしょうか?

普通の方はAを押すことでしょう。

どっちを押しても100万円は貰えるのです。

わざわざ人を苦しめる理由は御座いません。

一方でBを押した方はどうでしょうか?

一見するとサイコパスはBのボタンを押しそうなものですが、それはサイコパスの本質を理解しておりません。

ですのでBを押した方はサイコパスなのではなく「サイコパスと言われたいだけの普通の人」でしょう。

 

それではサイコパスはAとBのどちらのボタンを回答するのでしょうか。

サイコパスは良心を持たず、責任感がなく、平気で嘘をつく人間といった特徴を持つ反社会性人格のことを指しますが、それはサイコパスの本質ではありません。

何故ならばサイコパスは犯罪者以外にも経営者や宗教家などの職業にも多く、彼らは必ずしも反社会的な人間ではないでしょう。

「責任感の無さ」や「嘘をつく」というのはサイコパスの特徴の表層であり、それはサイコパスの本質ではございません。

それではサイコパスの本質とは一体なんでしょうか?

それはズバリ「他人への興味のなさでございます。

「共感性の欠如」と言えば分かりやすいでしょう。

つまり他人がどうなろうとも興味がないから平気で嘘をつくのであり、他人がどうなろうと知ったことではないから責任感がないように見えるのです。

サイコパスにとっては嘘も無責任さも自分の目的を達成するための手段に過ぎません。

他人に関心がないだけであり、わざわざ無意味に嘘をついたり人を殺したりする訳ではない。

それを私たちが「無意味な嘘」と思ってしまうだけであり、彼らにとっては意味があるのです。

その点を考慮して先ほどの問題を考えてみましょう。

ボタンAとボタンBの違いは「全く関係のない男性が痛い目を見るかどうか」という一点しか御座いません。

そしてボタンBを押すことによって、今後何かしらの不利益を被ることはない。それならばサイコパスから見てあの問題はどのように見えるでしょうか?

おそらくは

こう見えます。

 

これをサイコパスではない方にも分かりやすく表現を変えると

このように見えるということで御座います。

問題がこの電球の形であったなら、皆様は何と回答をしますか?

「どっちでもいい。というか何が違うの?」

ではありませんか?

ですので最初の問題をサイコパスが回答するとすれば

「どっちでもいい。というか何が違うの?」

というものになると考えます。

メモ

ただしサイコパスは自分の利益に対しては敏感なので「ここはAを押す」と回答した方が世間体的に自分の得になるということは理解が出来る場合も御座います。

その場合、心の中では「どっちでもいい」と思いながらも「Aを押す」と回答することでしょう。

またサイコパスは「電流を流れている姿を見たい」というような欲求に駆られることも御座いますが、今回は電流が流れている姿を見る(自分の得)が一切ないので、やはりBを選ぶことはないでしょう。問題文をちゃんと読まずに「見られるんじゃね?」「その男性って敵だよね」と勝手に勘違いしてBを押す可能性は御座いますが。

推測・共感・関心

さて、それでは本題に入りましょう。

私は「人の気持ちが分かる」という能力を分解すると3つの能力がそこにはあると考えております。

それは「関心」「共感」「推測」の3つ。

それぞれについて説明をさせて頂きましょう。

関心

関心は言葉の通り、そもそも相手の気持ちに興味があるかどうかということで御座います。

基本的にほとんどの方は相手の気持ちに関心を持っていますが、世の中には人の気持ちに関心がない方も少なく有りません。

もちろん0か100かという問題ではなく程度の問題であることは間違いありませんが、この能力が低いと独善的になったり相手の気持ちを推し量る気がなくなるため、人間関係に問題が起きやすいのは間違い無いでしょう。

ただし、独善的というのはある意味でカリスマ性でもあるため、リーダー性が求められる仕事に就いている方はこの関心の無さが武器になることも御座います。また人の気持ちに興味がないので病みにくいという傾向があるとも考えられるでしょう。

逆にこの能力が高いと人との関係性を大切にする傾向が御座いますが、それは憎しみという意味で現れることもあるので注意が必要です。

関心が高い人の特徴

  • 人の好き嫌いが明確
  • 集団行動を好む
  • 自分の意見を押し殺す

 

関心が低い人の特徴

  • カリスマ性がある
  • 独善的
  • 冷静で合理的

共感

共感とは「相手の気持ちを自分のことのように捉える能力」のことであり、基本的に女性の方が高い能力で御座います。

私たちは一般的にこの能力が高い方のことを「コミュ力が高い」と言いますが、彼らは必ずしも「相手の気持ちを察する能力が高い」という訳ではないので注意が必要でしょう。

感動系の映画で泣くことが多い方や、スポーツの試合で一生懸命応援することが出来る方などがこの能力の高い方で御座いますが、彼らは「もしも自分がその状況であったら、どう思うか」ということを考える力に長けているだけであり、相手が何を考えているか、ということを想像しているわけでは御座いません。

例えば「この前、深夜の山道で車が止まってしまった」という話をしたとしましょう。

共感力の高い方がその状況を想像して「不安」や「恐怖」という感情を自分のことのように感じることが出来るのです。

しかし、ここで重要なのはその車に乗っていた人が必ずしも「不安」や「恐怖」を感じていたとは限らないということ。

もしかしたら「星がキレイだ」と感動をしていたかも知れません。映画のようでワクワクしたと感じていたかも知れません。

このような状況も存在するため共感だけでは必ずしも相手の気持ちを理解できる能力が高いとは言えませんが、だいたいの場合において人が感じる感情は似たり寄ったりなので、共感だけで人の気持ちを考えても問題ないのも事実で御座います。

共感が高い人の特徴

  • 映画などを見て泣く
  • 怖い話が好き、もしくは物凄く嫌い(共感性が低い人は怖い話を聞いても感情が動かない)
  • コミュニケーションは概ね良好

 

共感が低い人の特徴

  • 映画などで泣かない
  • 相手の意見を否定する(本人は建設的だと思っている)
  • 割り切った考え方をする

 

推測

推測は相手の性格や状況から、相手の気持ちを推理するという能力で御座います。

例えば先程の山道の話で考えると「自分はその状況であったら恐怖を感じるものの、その状況にいたAさんは天文学が好きなので恐らくは恐怖よりも感動が勝ったのではないか」というように推理をするというような能力のことで御座います。

私が最初に行ったサイコパスの問題もこの推測に基づいて作成されていると言えるでしょう。

私はあの状況で「どっちも同じじゃね?」とは思いませんが、サイコパスの方の思考方法を考えると恐らくは「どっちでも同じじゃね?」となると推測をしたのです。

この能力はある意味で最も「人の気持ちを考える」ということの本質に近いのですが、いくつか問題点があるのも間違いありません。

まず、この能力で正確に相手の気持ちを推測するのは極めて困難で御座います。私は「どっちでも同じじゃね?」と思うのではないか、と推測をしましたがこれは推測に過ぎません。

あの程度の問題であればある程度は推測をすることもできるでしょうが、現実世界はもっと複雑です。

事実上、正確な推測は不可能と言っても過言ではありません。

また、仮に可能であったとしても「共感」と違い推測は結論が出るまで時間がかかる、という欠点も御座います。

例えば泣いている人を見た時、共感であれば一瞬で自分も悲しい気持ちになることが出来ますが、推測で行う場合「状況把握」⇨「感情の推測」⇨「相手の性格を考慮」⇨「相手が「悲しい」という感情であると結論付け」⇨「相手が「同じ感情になってほしい(共感して欲しい)と願っていると推測」⇨「泣いている演技を行う(共感性がない場合、悲しい気持ちにはならないので演技しか出来ない)」という段階を踏む必要があるのです。

しかもそれだけ段階を踏んでいても結果として出来るのは「演技」

共感で泣く方の方がはるかに相手からの信頼や好感度を獲得できるのです。

推測が高い人の特徴

  • 論理的
  • しばらくしてから「ああ、あの人はこう思っていたんだ」と気がつく
  • 分かっているのに上手く行かないことが多い

推測が低い人の特徴

  • 「あの人は理解できない」ということが多い
  • コミュニケーションは感覚
  • 反応が早い

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