浮気と盗み見、どっちが悪い!?
先日友人のカップルが喧嘩しました。
原因はよくある理由で、彼女が彼氏の携帯を盗み見をして彼氏の浮気がバレたことです。
彼女「浮気するなんて最低!」
彼氏「人の携帯勝手に見るなんて最低!」という感じです。
自分の意見を聞かれても、正直どっちもどっちだと思ったが、別れたほうがいいとしか言えませんでした...
こういうよくある話なんですが、上野さんの考えでは、どっちのほうが悪いと思うのでしょうか?
20代女性
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
どちらが悪いか、ということを考える上で「2つの事件が発生している」ということを考える必要があるでしょう。
つまり今回の場合は「浮気をしている彼氏のスマホを彼女が覗き見た」という1つの事件で考えるのではなく、彼氏が「浮気をした」という事件と、彼女が「スマホを覗き見した」という2つの事件が発生しているということで御座います。
もしもこの2つの事件を1つの事件として考えるのであれば、2つの事件の間に何かしらの因果関係がなくてはなりません。
つまり逆に言えば因果関係が存在しない場合、2つの事件は無関係であると考えられるのです。
さて、因果関係というのは「AがあったからBが起きた」というような関係性のことで御座います。つまり今回の話で言えば「彼氏が浮気をしたから、彼女がスマホを覗き見した」という因果か「彼女がスマホを覗き見したから、彼氏が浮気をした」という因果のどちらかが存在しなければなりません。
それではまず「彼女がスマホを覗き見したから、彼氏が浮気をした」という因果を考えてみましょう。
確かに「スマホを覗き見するような束縛の厳しい彼女だから、自分も嫌気がさして浮気をした」という因果は分からなくもありません。しかしこの場合は盗み見(原因)→浮気(結果)ではなく「束縛気質(原因)→浮気(結果)」「束縛気質(原因)→盗み見(結果)」と分けて考えるべきでしょう。
この場合は「束縛」と「浮気」に因果関係があり、また「束縛」と「盗み見」には因果関係があると考えられるので、「盗み見」と「浮気」には因果関係がないと考えられます。
次に「彼氏が浮気をしたから、彼女が盗み見をした」という因果について考えます。
この因果関係は一見すると成立しているように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし「因果関係がある」とするためには「Aが起きたからBが起きた」ということと同時に「Aが起きなければBが起きなかった」ということもまた成立する必要があるのです。
今回の場合、彼女様は携帯を盗み見するまで、彼氏が浮気をしているかしていないのか知らなかったのですから、彼氏が浮気をしなければ彼女は盗み見をしなかったという理論は残念ながら成立しないと言えるでしょう。
もしも彼女様が何かしら別の場所から彼氏の浮気を聞きつけて、その証拠集めとして携帯を盗み見したのであれば、彼氏が浮気をしなければ彼女は盗み見しなかった、と言えますが今回の場合はそうではないのです。
失礼な話では御座いますが、このように携帯を盗み見する女性というのは彼氏が浮気をしていなくても、携帯を盗み見するものでしょう。
ですので、この2つの事件には因果関係がないと考えるべきであると私は思います。そして因果関係がない以上、1つの事件として捉えるのではなく2つの事件として捉える必要があるでしょう。
そして事件が2つである以上、それぞれの事件に対して「こっちが悪い」ということは出来ますが、全体として「こっちが悪い」というような判断を下すことはできません。
浮気に関しては彼氏側に非があると言えますし、盗み見に関しては彼女側に非がある。
どちらが悪いかと言えば、これ以外の回答は御座いません。