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友達としての君に価値はない

好感度もそもそも0

就職の話題が出ましたので、ここで少し「コネ入社」についてお話をさせて頂きましょう。

コネ入社が良いか悪いか、という善悪の話ではなく「こんな状況があったらどうしますか?」ということでお考え頂ければ幸いです。

 

さて、ここに1人の学生がおりました。

彼は別段高学歴でもありませんし、仕事が取り立てて出来るということもありません。しかし、彼には1つだけ大きな違いがありました。

そう、彼のお父さんはテレビにたくさんのCMを出稿している大企業の創業社長なのです。

そんな彼はテレビ局を志望し、見事に内定を獲得。誰がどう見ても立派なコネ入社で御座いました。

それもそのはず、テレビ局からすればたかだか彼さえ採用すれば今までどおり多くのCMを出稿して貰えるのです。極端なことを言えば、彼が全く仕事をしなくとも十分にペイできる採用であったと言えるでしょう。

 

さて、そんな折に彼のお父さんの会社が倒産してしまいました。

当然テレビCMは打ち止め。

このような状況で皆様だったら、この男性をどうするでしょうか?

正社員は法的にそう簡単にクビに出来ませんが、今回は法律のことを無視して考えて頂ければ幸いです。

このコネで入社した男性をどうしますか?

 

クビにすると答えた方も多いでしょう。またクビにしないと回答をした方も「クビにする」と言った人の気持ちはご理解頂けるのではないでしょうか。

そもそも彼は「お父さんが凄い!」という下駄を履いていたからこそ、テレビ局に就職できたのです。その下駄が無くなった今、彼を雇い続ける理由はありません。

それではもしもここで彼が「パパが凄いせいで僕はクビになった! パパが普通の会社員だったらクビにならなくて済んだのに!」と言い出したら、皆様はどう思いますか?

もちろん皆様、こう思うことでしょう。

「もしも君のお父さんが普通のサラリーマンだったら、そもそも君がテレビ局に入社することは無かったよ。」と。

それでは今回のご質問に戻りましょう。

私は今回のご質問者様に過失があったとは思いません。

ただ1つ。極めて危険な思い違いをしていると感じたので、その点についてお話をさせて頂こうと思います。

それは「ただその場でぱーっと楽しくゲームが出来れば良い」という点。

ご質問者様は恋愛関係のような重い関係ではなく、ただゲームを楽しく出来る関係でさえあれば良かった、とお考えのようですが、もしも男性が「ただゲームを楽しくしていたい」と思っていたのであれば、ご質問者様と仲良くなることはなかったかもしれません。

「ただゲームを楽しく遊んでいたい」という望みは「恋愛観関係になりたい」という望みよりもずっとずっと難しい望みなのです。

友達試験

人は誰しも付き合う人間を選びます。付き合うといっても恋愛の話だけではなく「友人」「同僚」「家族」「恋人」など、ありとあらゆる関係性の中で人は付き合う人を選ぶのです。

付き合う人を選ぶ、ということは言い換えれば「付き合うための試験」があるとも言えるでしょう。人それぞれに基準があり、ある一定の水準を満たした場合のみ、その人と付き合うのです。

これは企業の採用試験で考えると分かりやすいので今回の男性を会社に見立てて考えてみましょう。

彼と仲良くするというのはこの会社に入社するということだとお考え下さいませ。

さて、この会社には大きく2つの入社ルートが御座います。

1つ目は「友達入社」

2つ目が「恋人(候補)入社」で御座います。

もしも私がこの会社に入ろうと思ったら、友達入社を選ぶしかありません。何故ならば彼は男性ですので、同じく男性である私を「恋人(候補)」として入社させることはないでしょう。

この「友達入社」の試験は「話の面白さ」や「趣味の一致」など総合的な能力で判断をされます。詳しいことは企業秘密ですので詳細は不明ですが、概ねそういった能力で判断されていることは間違いないでしょう。

一方で「恋人(候補)入社」の場合はどうでしょうか?

「恋人(候補)」の試験の場合は、まず性別による審査が行われます。男性は無条件で不採用になることでしょう。次に外見的な美しさや、女性としての魅力が審査されます。彼の会社が巨乳好きであれば巨乳補正が入りますし、彼がゴスロリ好きならゴスロリ服補正も入るでしょう。詳しい基準は企業秘密ですが、概ねそういった観点で判断をされています。

この2つの試験のどちらで合格をしたとしても彼の会社に入社することは出来ますが、彼が新入社員に何を求めるのか、ということはその入社経路によって異なります。

友達入社をした社員には「一緒に飲みに行く」「ただ楽しくゲームを遊ぶ」などの業務を求めますが、恋人入社をした社員には「手をつなぐ」「キスをする」などの業務が求められるでしょう。

ですのでもしもご質問者様が「ただ楽しくゲームをしたい」とお望みなのであれば、「友達入社」をしなくてはならなかったのです。

友達試験に受かるのか?

今回ご質問者様は意識的か無意識的かはともかくとして【恋人(候補)入社】でその男性と仲良くなったのですが、ご質問者様はそうではなく【友達入社】をしたかったご様子。

それではご質問者様は【友達入社試験】を受けた場合、はたして合格するのでしょうか?

【恋人候補入社試験】は応募に際して様々な条件が御座います。性別は勿論、年齢、見た目など様々な条件を満たさなくてはそもそも試験が受けられません。

しかしその反面”その条件を満たしさえすれば”合格は非常に簡単なのです。

これはコネ入社みたいなものでしょう。「親族に大企業の社長がいる」という条件を満たすのは大変ですが、その条件さえ満たせば合格するのは簡単。応募に厳しい条件がある試験というのは、応募条件さえ満たせれば簡単に合格できるのです。

一方で【友達試験】は応募条件こそ御座いませんが、試験は難関の狭き門で御座います。

何よりも【恋人候補試験】には存在しなかった「男性応募者」の存在が最大の問題でしょう。

友達入社試験に合格するためには、男性応募者を差し置いて「面白い」と思われなくてはならないのです。

そもそも男性の多くは女性の話を面白くないと思っているので、友達入社試験で合格するのは至難の業であると言わざるを得ません。

ですのでもしもご質問者様が【友達入社試験】を受験したのであれば、おそらく高確率でご質問者様はその試験に落ちたでしょう。

試験に落ちれば当然「ただその場で楽しくゲームをする」なんてことは出来ません。

つまりこれまで短い期間とは言え、ご質問者様がその男性と楽しくゲームを出来ていたのは、ご質問者様が【恋人候補】として姫待遇を受けていたからなのです。もしもご質問者様が男性であったなら「あいつ話つまんねえし面倒くせえ」と思われて、そもそもその男性と仲良くなることすらなかったでしょう。

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