「三菱東京UFJ銀行」から「東京」が消える日

日本とアメリカの貿易摩擦の対応策として、円高ドル安になる政策を行う合意。

もともと円安政策がされていたので、この合意をきっかけにして一気に円高に転換した。

東京銀行の債務は9000億だが、これは円ではなくドルベースのものが多かったため、9000億円ではなく約38億ドル（当時は1ドル＝235円）の債務であった。

円高になり1ドル150円になると、38億ドルの債務は9000億円から5700億円まで一気に目減りする。

もちろんここまで簡単な話ではないものの、円高で借金が一気に減ったのは間違いない。

当時、三井は銀行のトップレースから明らかに遅れていた。

なんと三井物産が「三井銀行は使えねから富士銀行と取引するわ」と言い出したほどである。

しかし三井というブランド力から何となく一流感があったため「銀行協会会長」を任されることもあった。

能力はないけど家柄が良いから会長に選ばれている感じ。三井としては屈辱以外のなにものでもない。

三井銀行と太陽神戸銀行の合併により誕生した銀行。

当初は「太陽神戸三井銀行」という三菱東京UFJ的な酷さを感じさせる名前だったが、2年後にさくら銀行に改名

三井

三井の名前を残したい！

太陽神戸

三井ちゃん。そのプライドが問題なのを忘れちゃった？ 　　結婚するんだから2人で新しい名前にしましょ？

的な経緯があったらしい。

埼玉県を中心に営業していた埼玉銀行と、東京を中心にしていた協和銀行が合併して誕生。お互いに大手銀行から吸収合併を狙われる中堅銀行だったこともあり、大手からは「好きな女の子同士て結婚しちゃった」的な感想を持たれた

この年「親が子供に入社して欲しくない企業ランキング」で住友銀行は３位にランクインしてしまった。

銀行という世間体が物凄く良い業種でこのランキングに名前が乗ることは異常すぎる出来事と言える。

ちなみに１位はイトマン。４位が大和のお父さんこと野村證券

当時三菱は大蔵省の天下りを断固として断っている数少ない銀行であった。

一方で東京銀行は大蔵省とべったりの関係だったので、大蔵省としては東京銀行には自分のいうことを聞く銀行と合併して欲しかった。ちなみに住友も言うことを聞かないタイプであったが、イトマン事件のせいもあり大蔵省に逆らいにくい状況にあった。