お悩み相談

「好きか嫌いか分からなくなった」はどう考えても好きじゃない【お悩み相談第56回】

【ご質問】

僕は友達より恋人となってしまう依存体質なのですが、彼女は友達も恋人もどっちも大切というタイプです。

彼女は最近居酒屋のバイトを始めました。

そこで働いている彼女の友人が色々と大変な問題に巻き込まれている、という話をしてくれました。

信頼してくれたから話してくれたんだろうと思い「大好きな親友さんがそんなに大変な状況にあったらすごく不安だよね。」と共感していました。

すると彼女がぽつりと言いました。

「忙しいからなのか分からないけど、最近会いたいとか寂しいって思わなくなった。自分のことで精一杯で好きかどうかわからない。」と。

僕は動揺しました。ここまで好きになった人は彼女が初めてだったので、その人に好きかどうかわからないと言われ、すごく混乱しました。

なんとか引き止めたいと思い、今は忙しいから、きっと時間に余裕がもてたらまた変わるよ、だから一緒に乗り越えよう等としつこく迫ってしまいました。

すると彼女は非常に怒り、声を荒らげ、好きかどうかわからないんだからほっといて!と怒ってしまいました。

これ以上何かしてはダメだとそこでようやく気づき、わかった、ごめん。と身を引きました。

別れ際、LINEをしていいかと聞いたら好きにしてくれと言われました。

上野さん、僕はいったいどうしたらいいのでしょうか。

別れたくないです。彼女にもう1度好きだと確信してもらいたいです。

どれだけ時間がかかっても、どれだけ素っ気なくされても、もう1度好きだと言ってもらえるのであれば努力を惜しみません。

アドバイスを頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します。

「好きかどうか分からなくなった」なんてことはない

ご質問誠に有難う御座います。

まずご質問者様に酷なことを言うようで申し訳ないのですが、女性の言う「好きかどうか分からなくなった」は「あなたのことを好きなのか嫌いなのか自分でも分からない」という意味では御座いません。

意味合いとしては「「どう考えても好きじゃないんだけど、わざわざ労力を使ってまで別れるほどではない」という気持ちなんだけど、それを適切に表現する言葉が思いつかない」くらいの感覚であると言えるでしょう。もしくは「完全に好きじゃないんだけど、さすがに曲がりなりにも彼氏である相手の男性に「好きじゃない」と言うのは気が引ける」のどちらかです。いずれにしても「好き」という可能性は極めて低いと言えるでしょう。

「言葉」というのは確かに便利なものですが、それでも万能では御座いません。特に女性は男性と比較すると「論理・言語」よりも「自分の感情」を優先する傾向にあるので「論理的に考えると意味がさっぱり分からない言葉」を使いがちで御座います。

例えば「お友達ゾーン」の男性がよく女性に使われる「なんか違う」などはその例として分かりやすいでしょう。

明確に「何かが違う」のです。ただその何かを適切に表す日本語が思いつかないから「なんか違う」になってしまう。

女性の中では明確に「〇〇という点が気にくわない」という感情が存在するのですが、本人すらその〇〇を適切に表現する感情が思いつかないのです。そのため「なんか違う」という非常に抽象的な言葉で表現するしかなくなってしまうと言えるでしょう。

女性は感情で物事を判断することは得意ですが、その感情を言語化することは必ずしも得意ではないのです。逆に男性は「感情」を基本的に「言語」で考える傾向があるので、自分の感情を言語化できないということはあまりありません。この差は男女の埋まらない溝の1つであると言えるでしょう。

 

最初の一歩

スポーツ・仕事・恋愛・人間関係。

何事にも言えることですが、一番大変な「一歩」「最初の一歩」で御座います。

例えば趣味を始める際に「まず形から」ということで用具を買い揃える人がいらっしゃいますが、これは「最初の一歩を踏み出す」ということさえ考えなければ非常に有効な手段でしょう。第一歩さえ踏み出せば、あとは流れで前に進むことが出来るのです。お金こそかかりますがアマゾンでポチッと道具をクリックさえしてしまえば、あとは「せっかく買ったし」とどんどん行動を起こすことが可能でしょう。逆に一歩目を重くしてしまうと、ただでさえ大変な一歩目がさらに大変になり結局諦めてしまうもので御座います。

さて、恋愛もこれと同じことが言えます。

誰かと付き合うとして、一番大変な一歩は最初の一歩。

例えばデートにしても、一度デートをしてしまえば二回目のデートは少なくとも一回目のそれよりは簡単なことでしょう。

それは別れるときでも同じです。

相手のことが好きではなくなってしまったとしても「別れる」という第一歩を踏み出すのは非常に大変な労力を伴うのです。逆に言えば「一歩目」さえ踏み出してしまえばあとはトントン拍子。大した労力もなく別れの過程を遂行してしまいます。

今、彼女様は「別れようか別れないか」という狭間で揺れておりますが、「別れる」という決断を下す場合「第一歩」がどうしても重たいのです。しかし「別れない」というのは「このままを維持する」というだけなので「一歩目」が必要ない。この「別れの一歩目が重い」という人間の特徴こそが、今のご質問者様の希望でしょう。

もしも彼女様が何かの拍子で別れの第一歩を踏み出してしまったら、それはご質問者様にとって最も望まぬ展開になってしまいます。

ですので今のご質問者様にとって最も重要なのは「第一歩」を踏み出させないことででしょう。

なぜ、好きか嫌いか分からなくなったのか

実は今回のご質問文はかなり省略しております。

元のご質問文は「友達から言われた悩み」について詳細に書かれておりましたが、本題と関係がなく長めだったので省略をさせて頂きました。

しかし「友達からの悩み」自体は関係がないものの、そのことについてご質問者様が「非常に長々と書いた」ということは重要です。何故ならば、長く書いたということはご質問者様がその部分に問題があったと感じてる、ということに他ならないからで御座います。

確かに今回の「彼女の友人の悩みに対してのご質問者様の対応」問題があったことは間違いありません。具体的には「しつこく」という部分や「友人の状況をよく分かっていないのに分かったようなことを言ってしまった」というようなあたりが問題であったことでしょう。

しかし、私の感覚で言えば今回のご質問者様の対応は「良くない対応」であったとは言え、そこまで大々的に文句を言われるような対応でもなかったような気がしてなりません。もちろん私は相手の女性にお会いしたことがないですし、ご質問者様が実際にどのような対応をされたのか見ていないので、もしかしたら「最低最悪の対応」をしていたかもしれませんが、少なくともお話を聞く限りでは「良いとは言えないものの、最悪とは言わない」くらいの対応をされていたのではないかと推測いたします。

ですので、私は今回彼女様が「好きか嫌いか分からない(=好きじゃない)」と言ったのは、何も今回の「友達の悩み事件」が原因だとは思えません。もちろん引き金になったのは間違いありませんが、今回の事件がなかったとしても何かのきっかけで同じように「好きか嫌いか分からない」と言われてしまっていたことと思います。

今、ご質問者様は「自分の何が悪かったのか」とお悩みのことと思いますが、その際は「友人の悩み事件」での立ち振る舞いではなく、それよりも前の普段の立ち振る舞いについてお悩みになった方が良いでしょう。引き金だけを思い返しても真実にはきっと辿り着けません。

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