転職したくないなら、転職の準備をしよう

悩みは転職についてです。

私は新卒で今の職場に入りまして、あと1ヶ月でちょうど1年になりますが転職を考えています。

理由は仕事のやりがいのなさと人間関係の狭さと収入の少なさです。

特に人間関係の狭さにイライラしています。

古株の意見が強く、また改善していこうという気持ちが古株に無いため発展が期待できません。

ただ、次何処に行きたいかとか、どんな仕事をしたいとか将来への展望がこれといってなく、とてもぼんやりした状態です。

現在の職種ですが、薬剤師の資格を持っています。

資格なしの仕事よりも転職しやすい状況にありますが、ここ数年で資格習得のハードルが下がったため、需要より供給が多くなりつつあり転職するなら早めにという空気もあります(人材紹介会社の宣伝文句的な色も強いですが)。

それで転職を考え始めた側面もあります。家族や大学時代の恩師には3年は我慢して働きなさいと言われます。

上野さんは転職についてどうお考えでしょうか。ぜひご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。



 

ご質問誠に有難う御座います。

今回は私の父の言葉を借りて、ご質問にお答えさせて頂ければと思います。

私の父は大手企業に入社し、そのまま定年までその会社で勤め上げた典型的な「終身雇用」の時代の人間で御座います。

こうお伝えすると、私の父の時代が羨ましいと感じることでしょうが、私の父の同期だった人間の中で実際に定年まで勤め上げたのはほんの一部に過ぎません。ほとんどの社員は転職や退職などで終身雇用のレールから外れました。

もちろん、その中には自ら望んでレールから離れた人間もおりますが、多くの方はそうではありません。様々な事情でそうするしかなくなってしまっただけなのです。特に2000年ごろには大規模なリストラ、早期退職があり多くの社員がその流れの中で会社を後にしたとのこと。父が定年まで同じ会社で働けたのは必ずしも”時代”だけではなかったことでしょう。

さて、この言葉は私の父がそんなリストラが吹き荒れる中で生き残りをかけた戦いをしているときに、私との会話の中で父が放ったセリフであり、あれから15年以上も経っているのに未だに忘れないセリフ。この一言にサラリーマンのあるべき姿が詰まっているのではないでしょうか?

 

社内での生き残りをかけていた父のセリフ

私「もしリストラになったら、どうするの?」

父「そうなった時の転職先や仕事は用意してある。だが、俺が幸運なのは、多くの他の社員はリストラになった時の準備をしていないことだ。10年も20年も働いていて「もしクビになったらどうするか?」ということを考え対策することすら出来ない無能がクビにならないわけがないじゃないか。だから俺はクビにならない。」

私は、この凄まじく絶望的な話を心に刻んで仕事をしております。

クビになったら生活がなり行かなくなる人間が積極的にクビになり、クビにしてもすぐには生活に困らない人間がクビにならない。

私は別に新卒1年目で転職をしろとも言いませんし、3年我慢しろとも言いません。

ですが、おそらくご質問者様も「出来ることならば」転職をせずに一生同じ会社で働くことを望んでいるのではないでしょうか。

この気持ちはおそらく多くの方に共通する願いで御座います。ですので今回のご質問者様の本当のお悩みは「転職すべきかどうか」ということよりも、「今の職場環境をどうしたらもっと良いものに出来るのか」というものに近いのだと感じております。

もちろんこの世の中には「人間関係を改善する方法」「上司に好かれる方法」「給料を上げる方法」などが書かれているような本が無数に存在しますので、そういった本を読んでみるのも良いでしょう。

全ての悩みを解決できる魔法の保険

会社で働いていると、様々な問題やトラブルに出くわすことと思います。

しかし、そのトラブルや悩みを紐解いてみると、その多くは「この会社に定年までいなくてはならない」という思いが強く関係しているのではないでしょうか。

特に顕著なのが「人間関係」

嫌なことがあったら会社を辞めろ!とは言いませんが、どうしても我慢できないことが起きた時「この人とあと40年一緒に働かなくてはならない」と思ったら、とんでもないストレスになることでしょう。

しかし「まぁ2年の付き合いだし」と思えれば、同じことをされても結構耐えれるもの。そもそも本当に耐えられないのなら「やめよう」と決断できることがどれだけの特効薬になるのかということをどうかご理解下さいませ。

交渉とお願いの違い

例えば多くの方がお悩みであろう「給料」について考えてみましょう。

今の給料が20万だったとして、これを30万にしたいと思ったら、皆様ならどうするでしょうか? ただし「残業を増やす」は根本的に意味合いが違うので除外します。

小さな会社であれば社長と直接話す機会も少なくありません。それでは社長に「給料を30万にして下さい」と伝えたら給料は上がるのでしょうか。

おそらくよほど善人な社長でもなければ上がらないでしょう。

 

この伝え方の何が問題かと言えば、この伝え方は「お願い」なのです。

「お願い」で状況が変わるのは、相手の「気分」と「情」次第。つまり相手のさじ加減一つで給料を下げることも上げることも思いのまま。そんな状況で相手がわざわざ給料を上げるなんていることをするはずもないのです。

状況を変えたいのであれば、お願いではなく交渉をしなくてはなりません。

交渉とは何か

交渉とお願いの違いを一言でまとめると

お願い・・・○○して下さい!

交渉・・・・〇〇して下さい、さもなくば私はこうします!

 

例えば皆様が会社のトップ営業マンであり、会社の存続を考えたら決してクビにできない社員であったとしましょう。

そんな社員から

給料100万円にしてくれません? しないなら辞めます

と言われたら、社長は給料を上げざるを得ないのです。

例えば小さな話ですが私は今の会社に入った時、エクセルのマクロを使えば簡単に出来る作業を先輩方がご丁寧に計算していることに気がつき、休日にそのマクロを作り上げました。

作業時間を半分くらいに出来るマクロだったので、会社でも採用して頂けましたが、素人が突貫で作ったマクロなのでバグも少々残っています。ちょくちょく修繕はしていますが、この修繕は私以外の誰にも出来ません。

ということは

上野
給料を上げて下さい。さもなくばこのマクロの修繕を行いません。

 

と、交渉することが出来ます。

こう言った「交渉の種」の積み重ねが会社と対等に渡り合うためのポイントになるでしょう。

 

会社の切り札

しかし、交渉においては会社もまた”切り札”を用意しています。

この”切り札”と拮抗できる切り札がなければ社員は会社と戦うことは出来ません。

その切り札とはズバリ”クビ”

給料100万円にしてくれません? しないなら辞めます

 

会社
そっか、じゃあごめん。辞めてくれ。

と言われてしまったらお終いなのです。

なぜ会社がこのように強気に出られるかと言えば

会社
(なんか言ってるけど、どうせ辞めねえだろう・・・)

と思われてしまっているから。

 

端的に言って、会社は”自ら会社をやめることが出来ない社員”の待遇などどこまでも下げることが出来るのです。

会社
「給料は10万ね、嫌ならやめろ(どうせ辞められねだろ?)」

「(フザケンナ!だが・・・俺はこの会社を辞めることは出来ない・・・) わかりました・・・」

としかなりません。

 

会社が待遇を悪く出来ない社員とは?

トップ営業マンであろうとも、天才的な技術者であろうとも、自分から会社を辞める決断が下せない人間に対して会社は”クビ”という切り札でどこまでも強気に出ることが出来ます。

ということは逆に言えば

会社
「こいつ、待遇を悪くしたら本気で辞めかねない・・・」

と会社に思われれば、会社は待遇を悪くすることが出来なくなります。

実際に会社を辞めるかどうかは重要ではありません。

「辞めかねない(そして辞めて欲しくない)」

と思われることが重要なのです。

何故ならば会社にとっての”クビ”が切り札のように、従業員にとっての”退職”もまた切り札。

持っていることに絶大な意味はあるものの、切り札は”切らずにちらつかせる”ことが重要なのです。

切ってしまったら、一応の問題解決は出来ますが、切った方もやはり大変な労力が降り注ぎます。

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