非モテ男はマジックが出来てもモテるようにならない
私は学生の頃にマジックを勉強していました。
マジックが出来れば女の子がきゃーきゃー言ってくれてモテモテ間違いなし!と思って始めたのですが、これが全くもって上手くいきません。
飲み会や合コンなどマジックを披露する場こそあれど、全くもってモテない。
多少はちやほやされるものの、全くもって抱けない。
マジックなんてモテそうなものですが、これがもうビックリするほど役に立たないのです。
モテるマジシャンとモテないマジシャンの違い
マジックを趣味にしている男性はモテない。
これは私が大学生活で学んだ知見で御座います。
とは言え全員が全員モテないというわけでもなく、ごく少数ながらマジシャンの中にもモテる人がいるのは事実。
それではモテるマジシャンとモテないマジシャンは一体どのような違いがあるのでしょうか。
ズバリ「モテたくてマジックをやってるかどうか」で御座います。
モテたくてマジックをしている男の代表が私。マジックにかこつけて女の子の手を握れるんじゃないかとか、そんなことを考えている連中はマジックをしても全くもってモテません。
一方でモテるマジシャンというのは、マジックが好きで趣味にしている方たちで御座います。
彼らはモテるモテないではなく、単純にマジックが大好きなのです。
趣味なのだから大好きなのは当然?
そんなことは御座いません。
特にマジックのようなモテそうな趣味の場合、その半数以上が好きでもないのにモテるためにマジックをやっていると言ってもよいでしょう。
モテるオタクとモテないオタク
好きでもないことをやっている方というのは傍目から見ても「一緒にいたい」とはあまり感じません。
出来ることなら誰もが「楽しそうな人」と一緒にいたいと思うことと思います。
これは仕事でも趣味でも同じ話。
好きな仕事をしている方と、好きでもないことを仕事をしている方のどちらが魅力的か、と考えれば基本的には好きな仕事をしている方のほうが魅力的に映ることと思います(好きなことをやる!とぷらぷらしている方は別)
とは言え、現実はそこまで簡単では御座いません。
「好きなことを仕事にする」ということは物凄くハードルが高いと言えますし、仮に好きなことを仕事に出来たとしても、仕事となったら全く楽しめなくなったという方も少なくないことでしょう。
ですが、趣味。
これは別にお金になる必要はありませんし、試験も面接も能力も必要ないので、好きなことを趣味にすることが出来ます。
しかし、私にはどうにも「大して好きではないのに、その趣味をしている」という方が、たくさんいらっしゃるような気がしてなりません。
その中でも特に「大して好きでもないのに、それを趣味にしている方」が多いと感じるのが
「オタク」で御座います。
私はオタク趣味がモテないとは少しも思いませんし、オタクが悪いとも全く思いません。
ですが、単純に「そこまでアニメやゲームが好きじゃないのに、自分に言い聞かせてオタクを趣味にしている」という方が少なくないような気がしてならないのです。
そしてモテるオタクとモテないオタクの違いはここ(と身だしなみ)にあるのではなでしょうか?
とは言え今回私は、モテるかモテないか、なんていう話をするために今回のコラムを書いた訳では御座いません。
それよりも私がお伝えしたかったのは「仕事はともかく趣味くらいは「好きなこと」をやって欲しい」ということで御座います。
(せめて趣味くらいは)好きなことをして生きていく
「ゲームが好きだから、俺はオタクだ!」
それはとても素晴らしいことです。
「俺は二次元の女の子が大好きだ!」
それも素晴らしいことで御座います。
「私は男性同士の恋愛を見るのが大好きだ!」
良いではありませんか、とても素敵なことだと思います。
「俺は最近アニメを見てる。でも大した量は見てないから、俺ってオタクなのか?でもあのアニメは楽しかった!」
良いじゃないですか。別にたくさん見れば偉いわけでもありませんし、楽しいならそれで良いのです。
こういった方は良いのです。趣味が浅くても深くても「楽しいからやっている方」に、私は一切の文句は御座いません。
私が今回のコラムで伝えたいことがあるのは「楽しくもないのにオタクをやっている方」
分かりやすくいうと「オタクである、ということが目的になってしまっている方」で御座います。
別にアニメが好きなわけでも、二次元の女の子が好きなわけでも、ゲームが好きなわけでもないのに、自分に必死に「俺はオタクだ」と言い聞かせている方。
こういう風にお伝えすると「人に見せつけるように缶バッチを付けてるニワカのことね」とお考えになるかもしれませんが、個人的な意見としては、良し悪しはともかくとして、彼らはとても楽しそうです。そしてオタクかどうかはともかくとして、多分彼らは「楽しいから」アニメを見て、缶バッチを付けているように見える。
むしろ、いわゆる「ニワカ」のことを見て「ろくにアニメも見てないくせに、オタクを名乗りやがって・・・」とニワカのことを不快に感じているような方こそ、私にはどうしてもオタクに見えないのです。
どうしても彼らが楽しそうに見えない。
アニメが好きだからオタクなのではなく自分で自分のことを「オタクだ」と決めたから、アニメを見ているように感じてならないのです。
そして引くに引けなくなってしまっている。
本人も薄々「別にアニメ見ても楽しくねえし、ゲームも楽しくねえ」と感じているのに、自分で決めた「オタク」というキャラに縛られて「アニメ」や「ゲーム」で遊んでいるように見えてなりません。
重ね重ねになりますが、私はオタクだろうとオタクじゃなかろうと、マニアだろうとニワカだろうと、趣味をしている瞬間に「楽しい」と感じているのなら、何一つ文句は御座いません。ここだけは勘違いしないでいただければ幸いです。
しかし、楽しくもないのにその趣味をしている方。
何も私は彼らが悪いと言いたいわけでは御座いません。
ただ、せめて趣味くらいは好きなことをしてほしい、という私のお節介から、このコラムを書かせて頂きました。
セルフハンディキャップ
「俺、全然勉強してねえわ〜」とテスト前に公言する方がいらっしゃいますが、これをセルフハンディキャップと言います。
「仮にテストの点が悪くても、それは「全然勉強してない」から当然だよね。むしろ全然勉強してないのに、これだけ点数取れる俺って凄くね?てか勉強すれば普通に点数取れっから」
要するにこういう心理がセルフハンディキャップで御座います。
さて、先ほどから私がお伝えしている「オタクである、ということが目的になってしまっている方」で御座いますが、彼らは「セルフハンディキャップとしてのオタク」と言えるのではないでしょうか?
ここに1人の少年がおりました。
彼には友達がいません。勉強も出来ません。スポーツも出来ません。顔も良くありません。特に好きなこともありません。
彼は、別にアニメが好きなわけでもありませんでした。ゲームもそんなに好きではありません。女の子はどちらかと言えば現実の女の子の方が好きでした。
さて、彼はこのように極めて辛い状況に立たされていたのですが、それを全部「自分のせい」と考えることはあまりにも辛く苦しいと言わざるを得ません。
ですので彼は、自分のことを「オタクである」と思い込むようになりました。
俺に友達がいないのは、俺がオタクだからだ。
俺はオタクだから、スポーツが出来ないのも当然だ。
オタクだからモテないんだ。
そんな彼は「自分がオタクではない」ということに気がついてしまうと、「オタクだから」という言い訳が出来なくなってしまい、自分の不遇な状況の原因が、全て「自分のせい」ということに気がついてしまいます。
ですので、彼は自分のことを「オタクである」と思い込むことをより深めていきます。
とこんな感じの昔話みたいな理由でオタクになっているということで御座います。
この話は極端にしても、このようにセルフハンディキャップとして、自分のことをオタクだと思い込んでいる方は決して少なくないように感じます。
セルフハンディキャップ型オタクの方に伝えたいこと
アニメが好きなら、ゲームが好きなら、コスプレが好きなら、二次元の女の子が好きなら、私は何も言いません。
ですが、もし貴方様がセルフハンディキャップ型のオタクであるのなら、1つだけお伝えしたいことが御座います。
別に自分のことをオタクだ、と名乗ることをやめろとは言いません。
それに「自分がセルフハンディキャップ型のオタクである」ということを認めろとも言いません。
ですが、どうか何でも良いので「楽しい」と思えることを探してみてはいただけないでしょうか?
何となく気になったことをやってみるでも良いですし、気になった趣味を調べてみるでも、気になったところに行ってみるでも構いません。
ですが「自分はオタクだから、こういう趣味は俺はしない」と楽しそうなことから目を背けること、これだけはどうかやめて頂けないでしょうか。
例えば「クラブで踊る」なんていう行為は、少なくともイメージ的には「オタクっぽくない趣味」でしょう。ですがもし貴方様がクラブで踊ったときに、少しでも「楽しい」と感じたのならば、それを否定しないで欲しいのです。
「自分はオタクなのだから、クラブで踊るなんていうチャラい行為を楽しいと感じるはずがない。だから今、俺が「楽しい」と感じたのは勘違いなんだ」というように自分の感覚を理性で潰さないでほしいのです。それは「楽しいことを見つけない努力」に他なりません。
楽しいものを楽しいと言って、つまらないものをつまらないと思う。非常にシンプルな感覚を持つだけで良いのです。
「楽しいことを見つけない努力」は、人生をどこまでも苦しいものに変えてしまいます。。