【ご質問】
私は26歳の会社員です。今バツイチ(子なし)の彼氏と付き合ってきます。
今まで出会ってきた人の中で、誰よりも私のことを大切にしてくれる存在であり、この人となら結婚して一緒に人生を歩んでいきたいと思っています。
ただ気になるのが、親です。
私の両親はとても厳しく、バツイチというだけで反対されそうなのです。
まだ話せてはないのですが、受験であったり就職であったり、人生のターニングポイントで親世代の固定概念を押し付けてきて、結局そのレールに乗ってきました。今回もそうなるのではないかと思っています。
また彼のことも信じてはいますが、前の奥さんとはどうなんだろう?バツイチと知った後に付き合いましたが、本当に今はフリーなのだろうか?と不安に思ってしまう時もあります。(彼は嘘をつくような人ではないので、フリーであると信じてはいますが、、)
そろそろ結婚を真剣に考えている歳なのでバツイチの彼と今後の将来を考えていいのかご相談にのってくださったら嬉しいです。
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
大変申し訳御座いませんが、ご質問者様に少々厳しいことをお話しなくてはなりません。
もしかするとご質問者様はこんな風に考えてはいらっしゃらないでしょうか?
「私の親は押し付けが酷い。もっと自由な親だったら、〇〇さんのように自由な人生が歩めたのに」と。
残念ながらそれはご質問者様の勘違いであると言わざるを得ません。確かに世の中には子供の選択に一切口を挟まない親も存在いたし、ご質問者様のご両親様は格別に厳しい親である可能性もあるでしょう。しかし、大抵の親というものは子供の選択に多かれ少なかれ一々文句を言ってくるもので御座います。
ご質問者様が憧れるような「自由な人生」「親世代の固定概念に縛られない人生」を歩んでいる方は、何も「寛容な親」の元に生まれたわけでは御座いません。
彼らはそこそこ口うるさい親の元に生まれながら、親の反対を無視して自由な人生を切り開いているので御座います。
もしも彼らがご質問者様のご両親のもとに生まれていたら、もっとずっと早い段階で両親の固定概念を無視して自分の人生を切り開いていたことでしょう。
大変失礼ながら厳しいことをお伝えさせて頂きます。
親の反対も蹴り飛ばせないような人に、自由は早すぎる。
すでにご質問者様は社会人。一人暮らしをされているかどうかは分かりませんが、少なくとも1人で生きていけるだけのお金は稼いでいらっしゃることでしょう。
それならば親が反対したから何だというのでしょうか?
自由というのは全ての人から自身の選択が肯定される状態では御座いません。それは自由ではなくご質問者様の独裁と呼ぶのです。
阪急電鉄
現代では当たり前になった電車の中吊り広告ですが、これを日本で初めて採用したのは阪急電鉄であると言われております。
この時のエピソードがなかなかに面白いのでご紹介させて頂きましょう。当時の阪急電鉄の社長は創業者である小林一三氏なのですが、ある日部下の1人が中吊り広告をしないか提案しました。小林一三はそのアイディアを面白いと思い早速採用と伝えたのですが、この時その部下が中吊り広告をしてもいいかどうか現在の国土交通省に確認を取ると言い出したのです。
それを聞いた小林はこのように言ったと言われています。
「バカ、確認したらダメって言われるかもしれないだろ!!(意訳)」
中吊り広告は当時日本にはまだ存在しなかったので、当然ですがそれを規制する法律もOKする法律も御座いません。しかしそれをわざわざ国交省に確認してしまったら「ダメ」と言われる可能性が非常に高いのです。
ですので小林一三率いる阪急電鉄は国交省に確認を取らずに中吊り広告を開始しました。そして皆様もご覧になったことがあるように、中吊り広告は特に規制されることもなく現代まで普及することになります。
言わなきゃ良い
ご質問者様のご両親様がどんな方なのかは存じませんが、バツイチと聞いて良い顔を親はまず存在しないでしょう。
「気にしない」ということはあり得ても「良い顔をする」ということはあり得ません。そんなことはご質問者様のご両親様に限った話ではなく、この世のほぼ全ての親に言えることで御座います。
バツイチが悪いとは言いませんが、他の全ての条件が全く同じであればバツイチよりも未婚を選ぶものでしょう。もちろんそこまで重要な要素では御座いませんが「結婚相手バツイチなの!?やったじゃん!!」なんて言い出す人はこの世におりません。
特に今回のご質問者様のご両親様は厳しい方のようですので、まず間違いなく文句を言うことでしょう。そんなこと第三者の私から見ても明白で御座います。
それならば、どうして馬鹿正直に伝える必要があるのでしょうか?
伝えたところで誰も得をしません。そんなことは言わずに黙って結婚して仕舞えば良いのです。
聞かれたら否定せざるを得ない
現代の漫画業界において、同人誌の存在は人気を左右する非常に重要な要素でしょう。
ですので出版社としては出来ることならば作品の同人誌を書いて欲しいと本音では思っているのですが、もしもユーザーから「同人誌を書いても良いですか?」と聞かれたら、基本的にOKと言うことは出来ません。出版社にとっても同人誌は有難い存在であるものの、同人誌はどうしたって法的にグレーなのです。ですのでそこそこ大きな会社である出版社が「同人誌OKです」と答えることは出来ません。
出版社としては黙ってやって欲しいのです。本音では書いて欲しいものの立場的にOKとは言えない、聞かれたらダメと答えるしかない。しかしダメと言ってしまったら同人誌がなくなり出版社も困ってしまう。ですので出版社に聞かずに黙って書いて欲しいというのが多くの出版社の本音で御座います。
それでは今回のご両親様はどうでしょうか?
ご質問者様から「バツイチなんだけど良いかな?」と聞かれたら、ご両親様は「やめた方がいい」と言わざるを得ません。本心では「別にいいんじゃない?」と思っていたとしても、それでもなお厳格であることを良しとしているご両親様は「No」と言わざるを得ないのです。
ご質問者様にはご質問者様の立場があるように、ご両親様にはご両親様の立場があるのです。そしてその立場で考えれば、本心がどうあれ「No」と答えざるを得ない。
だからこそ聞いてはいけません。
聞きさえしなければ「知らぬうちにバツイチと結婚していた」で済みますが、聞いてしまったら「親の反対を押し切ってバツイチと結婚した」ということになってしまいます。どちらの方が親との関係が悪化するか言うまでも御座いません。
「正直に話せば良い」「隠し事はよくない」「全てを話して理解してもらおう」なんていうのは子供の意見でしょう。人間には体裁があり、建前があり、立場があるのです。それらを踏まえて「知らないふり」や「わざと言い忘れたり」するのが大人がすべき立ち振る舞いで御座います。