【ご質問】
モテる男といい男って何が違うんですか?
いい男とモテる男
ご質問誠に有難う御座います。
例えば「ガツガツしている男」と「ガツガツしていない男」であればどちらの方が「いい男」でしょうか?
おそらく多くの方は「ガツガツしていない男」の方が「いい男」であるとお考えになったことでしょう。
もちろん私もガツガツしていない男の方がいい男であると思います。
それでは質問を変えましょう。
「ガツガツしている男」と「ガツガツしていない男」のどちらの方が「モテる男」でしょうか。
安打と打率
皆さま、野球はお好きでしょうか?
私は野球が好きなのですが、野球の打者の成績表を紹介させて頂きます。
歴代野手安打・打率・打数記録(4000打数以上)
※安打……ヒットを打った数
※打率……どれくらいの確率でヒットを打てるか、という数字。今回は4000打数以上の選手のみ
※打数……何回出番があったかという数字
この記録はプロ野球の生涯で打ったヒットの数の累計ランキングで御座います。
日本の記録なのでイチロー選手はいらっしゃいませんが、野球好きの方からすると名だたる名選手のランキングになっていることでしょう。
さて、それでは「打率」の順位にご注目くださいませ。
この10選手は「安打数」のランキングではトップ10に入る名選手で御座いますが、打率のランキングではトップ10に入っているのは張本勲選手ただ1人。
長嶋茂雄選手や王貞治選手ですらトップ10には入れないのです。
それどころか安打数2位の野村選手や安打数5位の衣笠選手などは、打率のランキングではトップ10に入るどころか、下から数えた方が早いほど悪い順位であるのをご理解いただけることでしょう。
次に打数の順位をご覧くださいませ。
打数というのは「何回バッターボックスに立ったか」という数字で御座いますが、長嶋選手を除けば全員がトップ10圏内。
長嶋選手も14位と非常に高い順位につけております。
つまりヒットが多い選手は「打数」が非常に多いのです。
一方で打率は必ずしも高いわけでは御座いません。
それどころか「打率が悪い」と言われてしまうような選手すら、存在するのです。
伊藤智仁という男
皆様は伊藤智仁というプロ野球選手をご存知でしょうか?
1993年にヤクルトスワローズに入団し、1年目の4月20日に初出場。
その後7月中旬に怪我をしたため、わずか3ヶ月で戦線を離脱しました。
その後も彼は怪我に悩まされ続け、結果として現役は7年。
通算成績は37勝27敗25セーブ。
この数字はプロ野球選手としては決して突出したものでは御座いません。
しかし、わずか3ヶ月の活躍でありながら、いまだに伊藤智仁の投球を忘れられないファンは非常に多いでしょう。
かく言う私もその1人。
野村克也、古田敦也など名捕手たちが口を揃えて「最強のピッチャー」と呼ぶその投球は、野球を全く知らない人が見ても異常とわかることでしょう。
そんな彼の最大の武器といえば高速スライダー。
ピッチャーから見て左に大きく曲がるその球は、解説者に「この球を投げられたら、打てる球がない」と言わせるほどの切れ味を持っていました。
しかし、このスライダーは伊藤智仁を伝説のピッチャーにすると同時に、伊藤智仁の選手生命を大きく縮めてしまう要因だったのです。
実は彼にはある身体的な特徴が御座いました。
それは「ルーズショルダー」
ルーズショルダーとは肩の関節が極めて柔らかいという特徴であり、スライダーを投げるためには非常に都合の良い特徴で御座います。
しかし、一方で「ルーズショルダー」は伊藤智仁の選手生命を大きく縮めてしまいました。
「関節が柔らかい」といえば聞こえは良いですが、言い換えれば「肩の関節がガバガバ」なのです。
そもそもルーズショルダーは一般的には「非外傷性肩関節不安定症」という疾患です。
野球選手だったからこそ、有効に働くことも御座いましたが、基本的には疾患なのです。
つまり伊藤智仁選手は「ルーズショルダー」という特徴のおかげで常人離れした投球を生み出したと同時に「ルーズショルダー」という特徴のせいで選手生命を短くしてしまったと言えるでしょう。
まさに諸刃の剣。
攻撃のみに特化した防御力皆無の特徴だったのです。