【ご質問】
上野さんに背中を押して貰いたくてメッセージさせていただきます。
4年続いた彼がいました、口では好き愛してるなどど言うくせに、何回も嘘をつかれて信用もなくなり、彼と価値観が違うかもと思うようになりました。
「ここ直して気を付けて」って言っても、最初は気を付けてるものの、すぐに時間が経つとすぐ元通り。
何回も同じ繰り返しされてるのに、ちゃんとするという言葉に押されて今まで許してズルズルといましたが、ついに我慢の限界がきてしまいました。
いつも別れを切り出しても、何回も許してしまっていたので、他に良い人が出来たと言って別れを告げました。
年齢的にも20代後半で子供や結婚のことを考えると、この先子供も産む機会がなくなってずっと1人かもと不安があり今までちゃんとさよなら出来ませんでした。
やっと諦めてくれたかと思う反面、未来を考えるとどうしようもなく不安になります。
どうかこれが良い選択だったと別れた決断が間違いではないと背中を押してほしくてメッセージさせて貰いました。
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
上から目線で大変申し訳御座いませんが、今回のご質問者様の決断に点数を付けさせて頂こうと思います。
全てを考慮することは出来ませんが、ご質問様のご決断は70点とさせて頂きました。
100点満点では御座いませんが、決して悪いご決断ではないことと思います。
「あそこでこうすればよかった」とか「こうしたほうが上手くいった」という部分も30点ほど御座いますが、それよりも良かった点が多く、この点数とさせて頂きました。
それでは私がどうして70点とさせて頂いたのかを解説させて頂きましょう。
別れる時は覚悟を持とう
まずは減点要素から解説させて頂きましょう。
ご質問者様の減点要素はズバリ別れ話をした時に何回も許してしまったことで御座います。
恐らく彼氏様が別れ話の際にゴネたことで、結局ご質問者様が折れてしまったのでしょう。お気持ちは分かりますが、これはあまり良いこととは言えません。
相手がゴネるのは当然予想が出来ることなので御座います。厳しい言い方になりますが、その程度で折れるなら最初から別れ話など切り出すべきでは御座いません。
ご質問者様にそのような意図がないのは分かりますが、このような行為は客観的に見ると「別れ話をしても相手が引き止めてくれるか試している行為」にしか見えないので御座います。
1人の男と付き合えた
続いて加点要素。つまり今回のご決断で良かった点について解説させて頂きましょう。
まず1つ目は「4年間交際が続いたこと」で御座います。
彼には色々と問題があったでしょうし、ご質問者様にはふさわしくない人物だったかもしれません。しかし4年間も交際が継続した以上、彼はご質問者様のことを「恋人」として見ていたことは間違いないでしょう。
「そんなのは当然だ」とお思いになるかもしれませんが、特に現代においてこれは決して平凡なことでは御座いません。
恋人としてすら扱われないような関係性しか築くことが出来ず、何度も何度も短命な関係を繰り返している方が今の日本にはたくさんいらっしゃるので御座います。そういった方々は一見すると派手でモテているように見えるかもしれませんが、実際のところただの1人の心を掴むことすら出来ておりません。
それに比べてご質問者様は1人の気持ちを掴むことが間違いなく出来たと言えるでしょう。
嘘をついてまで相手を守った
ご質問者様は別れる際に「他に良い人が出来た」と言ったようですが、これを私は強く評価させて頂きました。
そんなの嘘のはずなのです。もしも他に良い人が出来たのであれば、こんなご相談文にはなりません。
ですので、これは別れるためについた嘘でしかないのですが、どうしてご質問者様はこんな嘘をついたのでしょうか。
おそらくご質問者様は「彼の反論を封じるため」くらいにしか考えていらっしゃらないことでしょう。ですが多くの方はそういう時に「相手の欠点」をあれやこれやと引っ張り出して来るものなので御座います。
「貴方は言ったことを守らない」「貴方は嘘ばかりつく」「あのときだって~」
そんな相手への不満をつらつらと並べて別れ話を切り出すのが普通で御座います。
しかしご質問者様は嘘をついてまでそれをされなかった。
自覚はないことと思いますが、これは本当に優しく、そしてこれから別れる相手のことを考えた行動だと私は思います。
ご質問者様は相手のために、嘘をついてまで自分が悪者になったので御座います。
「こうして別れることになったのは、私に良い人が出来たからであり、その責任は私にある」
振られる側の立場として、こんなに楽な振られ方は御座いません。相手を憎むことも出来ますし、自分には問題がなかったと開き直ることも出来る。ご質問者様はこれから振る相手に気持ちのやり場を作ってあげたので御座います。
無意識の判断だったとは思いますが、このような判断をされたご質問者様は本当にお優しい方なのでしょう。
コンコルド効果
1962年11月29日、イギリスとフランスの間で1つの協定書が結ばれ、両国の航空機メーカーは超音速旅客機の開発に取り掛かり始めました。
その機体の名はコンコルド
ロンドンとニューヨークをわずが3時間で繋ぐこの夢の飛行機は1976年に就航し、そして残念ながら商業的に大失敗しその運命を終えことで知られています。
2つの失敗
コンコルドは超高性能である反面、超高コストな飛行機で御座いました。
車で言えばF1カーみたいなものでしょう。軍用ならともかく一般旅客機では完全にオーバースペックであり、多くの航空会社からは敬遠されてしまいました。
そんなコンコルドですが実はコンコルドはその開発途中で商業的に大失敗すると判明していたと言われております。
1970年頃には試作機が完成して航空会社へプレゼンを行いましたが、その反応は極めて冷淡。この時点で開発陣はすでにコンコルドが商業的失敗することが分かっておりました。
ですのでこの時点で開発を中止にしていれば損害を抑えられたのですが、すでに何百億と開発に投資していたため開発は続行され、そして航空機史上最大と言っても良いほどの赤字を叩き出すことになります。
さて、それではコンコルドの決断の誤りについて考えてみましょう。
コンコルドはその運命の中で大きく2回の決断ミスをしました。
1つ目のミスはそもそもコンコルドなんてものを開発しようとしてしまったこと。マッハ2で飛ぶ飛行機なんてそもそも必要とされていなかったのです。
しかしこれは避けられない決断ミスだったと言えるでしょう。というのも「マッハ2の飛行機なんていらない」と分かったのはコンコルドが失敗したからであり、開発が始まった頃は誰もそんなことは分かっていなかったので御座います。
2つ目のミスは開発を中止しなかったこと。
こちらは明確に避けられる決断ミスで御座いました。試作機が完成し実物を見ると、多くの航空会社が「これ…いらなくね?」という判断を下しました。その結果、開発中止にした方が赤字を抑えられるとその時点で判明していたのです。
1つ目のミスはミスじゃない
ご質問者様は2つの決断を行いました。
1つ目は「彼と交際する」という決断。
2つ目は「彼と別れる」という決断。
結果から見れば1つ目の決断は誤りだったと言えるでしょう。
しかしこれは交際したからこそ分かった誤りであり、交際を決めた時点で判断できるはずが御座いません。
4年前、彼と交際を始めた頃のご質問者様にはこの交際が失敗になるなんて分かるはずがないのです。ですのでこの決断はミスではなく避けられない災害だったと言えるでしょう。
一方でご質問者様は2つ目の決断で正しい判断を下しました。
彼との未来がないと分かったため、ご質問者様は別れるという決断を正しく下すことが出来たので御座います。世界的大企業であるコンコルドでさえ間違えたミスをご質問者様はされませんでした。
保険に入ったと考える
ご質問者様は将来孤独になるのではないかと不安に感じていらっしゃることと思いますが、私は3つの理由でその心配はないと考えております。
1つ目の理由は長期恋愛。
ご質問者様には4年という長期間恋愛をされた実績が御座います。人と長い関係を築くことが出来る方なのですから、孤独になるとは到底思えません。
2つ目の理由は別れのセリフ。
ご質問者様は別れる際に相手を思いやる言葉をかけました。無意識的だったかもしれませんが、そのような言葉を選べる優しいご質問者様に人は集まるものでしょう。
そして3つ目の理由が保険。
「男の恋は名前をつけて保存。女の恋は上書き保存」なんてよく言われますが、これはそれなりに正しい言葉でしょう。私を含めてほとんどの男は”本気で嫌いになる前に別れた女性”を嫌いになることはそうそう御座いません。
私はよく「復縁は難しい」と言っておりますが、それは「振られた側」が復縁をしたいと言っている場合に限ります。
逆に言えば振った側が復縁を望んでいる場合、その成功率はそんなに低くありません。特にそれが女性であれば、そこそこ高い確率で復縁は可能でしょう。
もちろん復縁できたからと言って幸せになれるかと言えば話は別ですが、復縁の成功確率自体は悪くないので御座います。
つまり、ご質問者様は元彼という保険に入ったと言えるでしょう。
5年後か10年後か、もしもご質問者様が本当にどうしようもなく孤独であったら、最後の手段として彼に連絡するという手段が残されているので御座います。
もちろん1度は別れを決断するような相手で御座いますから、彼との復縁はベストの選択とは言えないでしょう。こんな保険を使わないで済むに越したことは御座いませんが、それでも保険に入っているかどうかで気分が大きく変わるのも間違いありません。
ご安心くださいませ。慣用で心優しくご質問者様が捨てたような男なので御座います。そう簡単に別の女性が見つかることもないでしょう。もしも本当にどうしようもなくなったら、彼にすがるという手もご質問者様には残されているので御座います。