【ご質問】
上野さま、いつも楽しく読ませていただいております。24歳の読者です。
わたしの長らくの悩みがあります。
それは自分の女性としての価値についてです。
わたしは(痴漢には遭ったことがあるものの)セクハラというものに遭ったことがありません。
そして、男性からチヤホヤされるという経験もしたことがありません。
「セクハラ」の報道などを聞くたびにセクハラに遭ったことのないわたしは世間から女性として見られていないのではないか?女性として魅力がないからセクハラをされないのか?と悩んでしまいます。
セクハラに遭わないに越したことはないのかもしれませんが、遭ったことのない身からすると、「セクハラに遭わない不安」が拭えないのです。
わたしはセクハラに遭わないどころか、男性に「ねぇあの子エロいよね。そう思わない?」などという話を聞かされる始末です。
もはや男友達感覚で話されてしまうのです。
上野さん視点で「セクハラに遭わない女」について語っていただきたいです。(セクハラに遭わないやつは魅力的じゃないからだと思ったら、正直に言っていただきたいです)
先程「セクハラに遭わない不安」と言いましたが、たぶん「セクハラに遭わない自分はなんなのか」という不安なのです。
上野さん視点で構わないので、「わたしがなんなのか」答えをいただけませんでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
ラブホスタッフという職業柄、私は仕事中に少々エロいハプニングに出会うことが御座います。
例えばお部屋から電話があり「俺たちがプレイをしているところを見てくれない?」とお願いされたことも御座いますし、ルームサービスをお部屋に運んだ際に「俺のチ○コを見てくれ。こいつをどう思う?」とくそみそテクニックのワンシーンのようなことを言われたことも御座いました。
私は男性で御座いますので、おそらく「女性としての魅力」はほとんど御座いません。にも関わらず、このようなセクハラ発言をされるのですから、「女性としての魅力がない人はセクハラをされない」という理屈は間違っていると言えるのではないでしょうか。
セクハラをされたことがない
私は29年間生きておりますが、これまでセクハラをされたことは御座いません。
いきなり前言を撤回するような発言になりますが、私は確かにセクハラをされたことがないのです。
なぜならば仕事中に先ほどのような行為をされても、私は少しも傷ついていないから。
確かに先ほど紹介させて頂いたラブホテルでの出来事は、一般的にはセクハラに分類される言動と言えるでしょう。「俺のチ○コを見てくれ。こいつをどう思う?」と言われた時は言葉だけではなく、局部を完全に見せられたのです。これがセクハラでないのならば何をセクハラと言うのか全く分かりません。
しかし、それでもなお私はセクハラをされたことがないのです。一般的にどれだけセクハラと言われる行為をされたとしても、私自身が少しも傷ついておらず、少しも困っていないのでセクハラをされたとは思っておりません。
それではご質問に戻りましょう。
痴漢はセクハラではなく犯罪で御座いますが、性的な嫌がらせという意味では痴漢もまたセクハラの1つであることは間違いありません。一応補足をしておきますが痴漢という犯罪行為をセクハラという言葉で軽くしているのではなく、痴漢はセクハラの1つに分類されるという意味で御座います。分かりやすく言えば「強盗殺人は強盗の1つである」という意味と同じとお考え下さいませ。
つまりこの時点でご質問者様はすでにセクハラ被害に遭っていると言えるでしょう。
また男性から「ねぇあの子エロいよね。そう思わない?」という話をされることも一般的にはセクハラに分類される行為の1つで御座います。少なくとも職場で女性の部下にこんなことを言ったら完全にアウトな案件であると言わざるを得ません。
つまりご質問者はご質問文にあるだけで2つもセクハラに遭っているのです。
ご質問文だけで2つもセクハラに遭っているのですから、これ以外にも様々なセクハラをご質問者様は経験されていることでしょう。
ですのでご質問者様のお悩みである「自分が女性として見られていないのではないか?」という不安は2つの理由で否定させて頂きます。
1つ目の理由は、セクハラと女性としての魅力にはあまり関係がないということ。
2つ目の理由は、客観的に見てご質問者様はセクハラに遭っているということ。
どちらか片方でも十分すぎる理由が2つもあるのです。ご質問者様が「女性としての魅力がないのではないか?」と悩む必要は全く御座いません。