【ご質問】
私の会社はいわゆるブラックです。
上司は口では「残業しなくても良い」と言っていますが、会社の雰囲気的にどう見ても「残業しなければダメ」な雰囲気があります。
私もほぼ毎日22時くらいまで残業をしているので、正直クタクタです。
もちろん私以外の社員もみんな残業をしていているのですが、昨年入ってきた中途の社員が定時で帰ってしまいます。
さすがにまだ直接口に出して注意をする人はいませんが、みんなが仕事に追われ残業をしているのに1人で帰ってしまうのはどうなんでしょうか?
また上司はどうして直接注意をしないのでしょうか?
匿名希望・会社員28歳男
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
確かに「残業しなければいけない空気」というものが存在することは否定致しません。
そしてそんな空気がある会社で残業を断れば村八分にされてしまうのも間違いないでしょう。
しかし、今回のご質問の場合、果たして本当に「残業しなければいけない空気」なるものが存在するのでしょうか。
残業しなければならない空気
そもそも「残業しなければならない空気」が成立するには2つの条件が必要であると私は思います。
1つ目は「残業しろ!というプレッシャー」
この点については確かにご質問者様の会社は満たしているかも知れません。
上司を含め、社員の多くが残業をしているのです。
そんな状況であれば「残業しろ」という無言の圧力を感じてしまうのも仕方がありません。
また今回のご質問とは関係ありませんが、どうやっても業務時間内に終わらない量の仕事を割り振られるなども「残業しろ!プレッシャー」であると言えるでしょう。
2つ目は「残業しなかった場合の罰則」
罰則と言っても、別に給料や昇進などの話だけでは御座いません。
上司から小言を言われるとか、社内で村八分にされるというようなものも間違いなく罰則であると言えるでしょう。
今回のご質問ではこの2つ目の条件が成立していないように感じました。
もしも、その定時で帰ってしまう中途の社員様が何かしらのイジメにあっていたり、業務的に不利益な評価を受けているのであれば「残業しなかった場合の罰則」が現実に存在すると言えるでしょう。
しかし、少なくとも上司は何も言っていないようですし、それ以外の面でもご質問文を読む限りでは特に実害は発生していないようで御座います。
もしもこの推測が当たっているのであれば、ご質問者様が仰る「残業しなければならない空気がある」とは一体何なのでしょうか?
確かに「残業しなければいけない空気」は存在するかも知れません。
しかし、上司は「残業しなくても良い」と言ってくれており、そして本当に残業をしていない社員様は何も実害を被っていない。
それなのに残業をしているのであれば、これはもう失礼ながら「ご質問者様が勝手に残業をしている」としか言えないのではないでしょうか?
残業しなかった罰則
少し未来を予想してみたいと思います。
何年後か分かりませんが、ご質問者様が出世をし課長になったときの未来を想像してみましょう。
その時、ご質問者様の課は「残業しないと本当に村八分にされる課」になっているのではないでしょうか?
今回のご質問者様は明らかに「残業をしていない社員」の方に対して何かしらの制裁を望んでいらっしゃいました。
「私は残業をしているのに、あの人が残業をしていないのは許されない」
そんな風にお考えではないでしょうか?
今の日本には多くのブラック企業があることは間違いありません。
しかし今回のご質問者様の状況は、自分自身で首を絞めているとしか思えないのです。
ご質問者様は上司様のことを「口では「残業しなくていい」と言っている」と仰っていますが、何の罰則も与えていないのであれば本気で「残業しなくてもいい」と思っているとしか思えません。
確かに「残業しなくていいよ」と言っていながら、常に残業をしている課長に全く問題がないということは無いでしょう。
しかし、今回のご質問文を読む限りでは、課長は仕事が好きで残業をしているだけなように思えます。
「自分は仕事が好きだから残業するけど、みんなは別にしなくていいよ」
その気持ちの表れこそが「残業しなくも良い」という言葉なのではないでしょうか?
残業しなくてはいけない空気
もしもご質問者様の会社に「残業しなくてはいけない空気」が成立しているのであれば、その発生源はご質問者様自身かもしれません。
先ほど「残業しなくてはいけない空気」には2つの条件がある、とお伝えさせて頂きましたが、2つ目の条件である「残業しなかった場合の罰則」についてはご質問者様こそが罰則を作っているのです。
ご質問者様はすでに残業しない方に対して「嫌う」という罰則を与えています。
今は役職持ちではないようですので「嫌う」で済んでいますが、今後ご質問者様が権力を持ったとき、その罰則はより厳しいものになるのではないでしょうか?
ですのでもしもご質問者様の部署に「残業しなくてはいけない空気」が成立しているのであれば、ご質問者様の「残業しない人を嫌う」という態度こそが「残業しなくてはいけない空気」を作り出すように思えます。
ご質問者様は誰だ?
このご質問はメールで届いたものですが「メールの送り主(匿名希望さん)は実はご質問者様ではない」と私は予想しております。
もしもメールの送り主の方がこのご質問文の主人公にあたる方なのであれば、いくらなんでも自分にとって都合の悪い情報をあまりにも多く羅列されているのです。
人間は基本的に自分にとって都合の悪い話をしたがりません。
ということは、今回のご質問文に書かれている内容はこのメールの送り主様にとって都合の良い情報であったと推測されます。
それならば、このメールの送り主様とは一体どなたでしょうか?
私は「定時で帰る中途の方」こそが、このメールの送り主なのではないかと思いました。
おそらく今回の状況はメールの送り主様の会社で実際に発生しているものなのでしょう。
「定時で帰る社員」であるメールの送り主様は、そんな同僚のことを否定してスカッとしたかったからこそ、あたかも同僚が書いたかのような文面で、こうしてご質問文をお送りになったのではないかと私は推測しています。
「お前がメールしてるけど、お前が悪い!」という回答を見たかったのではないでしょうか?
もしもこの仮説が当たっているのであれば、ご質問者様ではなくメールの送り主の方にお伝えさせて頂きたいことが御座います。
恐らく、その同僚様はとても苦しい状況にあるのでしょう。本人も自分の行っていることが自分自身の首を絞めていることは理解しているものの、残業をし、残業をしていない方のことを否定することでしか自分の優位性を示せないのです。
メールの送り主様にとってもその方が迷惑な存在であるのは分かりますが、彼は彼でとても大変な状況にあると、温かい目で見守ってくだされば幸いです。