一条
ふふんふふふふふんふんーん♪
上野
おやおやご機嫌ですね。何を歌っているんですか?
一条
知らないんですか?今若者の間で大人気の西野カナさんの『Darling』ですよ
上野
西野カナさんが大人気なのは否定しませんが、今の若者に大人気なんですかね……2014年の曲ですよ……
一条
僕の中の若者の間では大人気なんですよ!!
上野
まぁ君が言うならそうなんでしょうね、君の中ではね
上野
まぁ今の若者の間で人気かどうかは知りませんが、私その曲すごく好きなんですよ
一条
え、めっちゃ意外なんですけど。先輩って震えてたり、側にいたりする感じの曲とかバカにしてそうじゃないですか。
上野
何を言いますか、西野カナさんの作詞センスは天才ですよ。特に『Darling』なんて人間心理を的確に突いた素晴らしい歌詞ではありませんか
一条
人間心理?そんなとこありましたっけ?
上野
勿論ですよ。JASRAC的な問題があるので歌詞は意訳しますが……
前に友達と理想の男性のタイプについて語り合ったんだけど、それとまるでかけ離れているタイプなのに貴方のことを好きになっちゃった。
私ってやっぱり変わり者なのかなぁ?
※JASRAC的な理由で、歌詞を意訳しております。
上野
この部分とか最&高じゃないですか!!
一条
凄く嫌な予感がするんですけど……一応理由を聞いて良いですか?
上野
この歌詞を要約すると「理想のタイプと違う男性のことを好きになってしまった私は変わり者」ってことです。
上野
ですがこの歌詞が大ヒットしたということはこの歌詞に多くの人が共感したってことですよね?
一条
まぁ……そうなりますね
上野
ということは「理想のタイプと違う男性を好きになってしまって、自分のことを変わり者と思う」ということは超普通のことなんですよ。
上野
「私はもしかして変わり者ではないのか」と思いたがる超平凡な感情を見事に表したこのフレーズ!!
いやー西野カナさんは天才ですね!!
一条
そんなことばっか言ってると嫌われますよ……
上野
まぁ冗談はさておき、「理想のタイプと全然違う人を好きになってしまう」という現象は結構多くの方が経験することなのは間違いありません。
上野
というわけで今回は「なぜ理想のタイプと全然違う人を好きになってしまうのか」ということについて解説させて頂きましょう。
一条
最初からその話をすれば良いのに……
もしも客に何が欲しいかを聞けば「もっと速い馬を」と答えたことだろう
上野
ヘンリーフォードという人物をご存知ですか?
一条
知らん
上野
フォードは1863年にアメリカで生まれた企業家で、現在でも世界第6位の自動車メーカーであるフォードモーターを創業した人物です。
上野
彼が作ったT型フォードは現代の自動車産業の基礎となった自動車として現代でも知られています。
一条
ほーん、凄い人なんですね。
上野
さて、そんな彼が残した名言を1つご紹介させて頂きましょう。
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。
ヘンリー・フォード
一条
どういう意味?
上野
つまり顧客は自分が本当に欲しいものが何なのか分かっていないということですよ
上野
フォードが自動車を作った時代には、まだ自動車は一般大衆が購入するものでは御座いませんでした。当時の主な移動手段は馬。ですので顧客に「何が欲しい?」と聞いても「自動車が欲しい」と答える人はいなかったということです。
上野
しかし実際にフォードが自動車を作ると、顧客はようやく「これが欲しかったんだ」と気が付くのです。
一条
なるほど?
上野
ちなみにジョブスも同じようなことを言っています。
多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいかわからないものだ
スティーブ・ジョブス
上野
つまり「理想のタイプ」なんていうものは「もっと速い馬が欲しい」みたいなものであり、実際に自分がどんな異性に惹かれるか本当に分かっている人はほとんどいないのです。
上野
実際に目の前に好みの異性が現れて、その時になってようやく「あ、私はこのようなタイプが好きなんだ」と気が付ける。
だからこそ「いつの日か友達と語り合った感じで考えていた理想の人と全然違う人」を好きになってしまうのでしょう。
住めば都
上野
住めば都と言いますが、恋人もまた「付き合えば理想」みたいなところがあるでしょう。
一条
どゆこと?
上野
まぁ付き合えば情も沸きますし、なんだかんだでそこそこ好きになるものですよ。
好みのタイプでは無い異性だったとしても、普通はそれなりに長い時間一緒にいればある程度好きになるものです。
一条
まぁそうですよね
系統とランク
上野
と、まぁここまではよく言われている話でしょう。
「好きな人 全然違うタイプ 付き合う」みたいなワードを入力して検索すれば、おそらくこんな話が出てきます。
一条
ほうほう、つまりこれ以外の話があると?
上野
そうです。そしてこれこそが今回の主題。
上野
系統とランク問題です。
一条
系統とランク?
上野
それでは早速ですが簡単に解説させて頂きましょう。
上野
というわけで話をわかりやすくするために、男性のタイプを仮に7つに分けさせて頂きました。
上野
ちなみに君は「バカ元気系」ですよ。
一条
褒められてんだか、貶されてるんだか微妙なとこですね。
一条
で、この中でどのタイプが1番モテるんですか?
上野
どのタイプでもモテますよ
一条
???
上野
例えば「兄貴系」の男性が好きな女性がいたとしましょう。
20代女性
お兄ちゃんみたいな人が好き!
上野
この場合、この女性は兄貴系の男性が好きなわけですが、ここで1つ「魅力度」という概念を考えなければなりません。
一条
魅力度?
上野
今回は魅力をレベル1からレベル5までの5段階としましょう。
つまり兄貴系と一言で言っても
・魅力レベル1の兄貴系
・魅力レベル2の兄貴系
・魅力レベル3の兄貴系
・魅力レベル4の兄貴系
・魅力レベル5の兄貴系
上野
の5種類の男性がいるということになります。
一条
ほうほう
上野
勿論他のタイプも5段階の魅力度で分けることが出来るので、こういう図が描けることになります。
一条
ほうほうなるほど?
上野
さて、先ほどの女性は「兄貴系(赤)」が好きなわけですから、1番理想的な男性は左上の枠になります。
一条
でしょうね
上野
問題なのはこの後です。
上野
2番目に好きなタイプはどの枠になりますか?
一条
え、兄貴系が好きなんだから、1番左の列の上から2番目になるんじゃないですか?
一条
こんな感じ
上野
まぁそういう人もいるんですが、実際のところ多くの人は
上野
こうなります。
一条
あー……まぁ分からなくも無いような……
上野
君、うどんと蕎麦ならどっちの方が好きですか?
一条
蕎麦
上野
それなら「つるとんたん」の3000円くらいするうどんと、緑のたぬきならどっちの方が食べたいですか?
一条
つるとんたん!
上野
まぁそういうことですよ。
上野
好きなタイプというのは基本的に「同レベルならそっちの方が好き」というだけで、レベルに差があれば普通に高レベルの方を好きになるものです。
一条
つまりドリュウズはミミッキュとの相性が最高だけど、レベル1のドリュウズとレベル50のミミッキュなら普通にミミッキュが勝つ、みたいな話ですか?
上野
どうしてわざわざそんな分かりにくい例えを出すのか分かりませんが、まぁそういうことですね。
上野
まぁ君の分かりにくい例えのせいで混乱された方もいらっしゃると思いますので、具体例を出して説明させて頂きましょう。
上野
例えば「オラオラ系」が好きな女性がいたとしますね?
20代女性
ちょっと強引にリードされれば落ちます。
上野
しかしこの女性が好きなのはレベル5のオラオラ系なのです。
一条
ふむふむ
上野
ですのでもしもレベル5のオラオラ系の男性が身近にいるのであれば、レベル5のミステリアス系の男性では太刀打ちができません。
20代女性
オラオラ系君の方が好きです。
上野
しかしもしも身近にいるのがレベル1のオラオラ系であった場合、多くの女性は普通にレベル5のミステリアス系に恋をすることでしょう。
20代女性
オラオラ系だけどこれは嫌いです。
上野
しかしもしもその女性の周りにいるのがレベル1のオラオラ系とレベル1のミステリアス系だった場合、その女性はオラオラ系の男性に恋をすることでしょう。
20代女性
これに比べれば、まだオラオラ系レベル1の方がマシです。
上野
まぁどっちも好きにならない可能性の方が高いですけどね……
理想の人と違う人を好きになるかならないか
上野
これが「理想の人と違うタイプ」を好きになってしまう理由の1つでしょう。
つまり理想タイプはあくまでも「同レベル」なら優先されるというだけで、レベルに差がある場合は普通に上位レベルの男性のことを好きになることが多いのです。
一条
ってことはあんまり好みって重要じゃないんですか?
上野
勿論好みに合っているならそれに越したことはないですが、そこまで重要ではないのもまた事実。相手の好きなタイプになるのも重要ですが、普通にレベル上げをした方が効率的です。
一条
なるほど……
上野
ただし、たまにいるんですよ……
一条
何が?
上野
好みにめちゃくちゃ素直な人。
一条
と言いますと?
上野
まず今回の解説で説明した優先順位は
上野
このようになります。
一条
そうでしたね
上野
ただ実際のところ
上野
こんな感じの人が多いです。
上野
好きなタイプの場合、レベルを1プラスして計算されるということですね。兄貴系が好きな場合、レベル4の兄貴系とレベル5のその他のタイプが同じくらいの評価になるということです。
一条
ほうほう
上野
ただ、本当に稀ですがたまにこんな感じの優先順位の方がいらっしゃいます。
上野
私の経験則ではこのタイプは激レアなのですが、いないというわけではありません。ですのでもしも相手の方がこのタイプの方であった場合は、多少強引にでも相手の好きなタイプになる必要があるでしょう。
西野カナは男性に刺さらない
上野
最後に1つだけどうしても言いたいことがあります。
一条
おう、言ってみな
上野
男性が「好みと全然違う人を好きになった」って言っている場面ってあんまり見ないと思いませんか?
一条
まぁ確かに……少なくとも女性よりは聞かないですね。
上野
でも男性だって普通に好みの話をしますよね?
それなのに何で西野カナらないんですか?
一条
変な造語を作るんじゃない……
一条
でもそういえば何でですかね?
上野
まぁいろいろ考えたんですけど、多分理由は2つ。
上野
理由1
基本的に恋愛は男性からアプローチをすることが多いので、そもそもタイプではない女性にアプローチをしないから。
一条
なるほど、納得の理由です。
上野
ただ正直これって綺麗事だと思うんですよねぇ……
一条
じゃあ本当の理由って何なんですか?
上野
それが理由2です。
上野
大抵の男性は自分のことが好きならOKで、そもそも好みのタイプなんてものがない。
一条
身も蓋もないこと言わないでください……