【合格実績多すぎ】中学受験合格者数は水増しされているのか？

SAPIX　262名(62%)

早アカ　146名(34%)

四谷大塚　123名(29%)

日能研　38名(9%)

浜学園　32名(8%)

これは2024年度の各塾が発表した開成中学の合格者数と全合格者に占める割合で御座います。

この時点で不穏な空気を感じ取った方も多いことでしょう。

この５塾が発表した合格者の合計は601名。しかし開成中学が公式に発表した合格者は424名であり、177名もオーバーしているのです。

これは各塾が自社の合格実績を大きく見せるために、様々な手段で水増しをしているから……では御座いません。

このような数字になってしまうのは1人で複数の塾に通っている小学生が存在しているからで御座います。

確かに2021年には臨海セミナーが合格者の水増しをしているのではないかということで、大手19社から共同で抗議声明を発表したりしましたが、そんなものは当然過去の話。今日では公益社団法人全国学習塾協会の定める基準に従ってどの塾もクリーンかつ公平に合格実績を発表していることでしょう！

というわけで今回は合格者多すぎランキングということで、全国の主要名門中学20校に関して、主要48塾の合格発表数を比較したランキングを制作させて頂きました。

大手塾が発表する合格者数と実際の合格者数の乖離が大きいほど高順位。つまりそれだけ合格者数が複数の塾を兼塾していたということになります。

塾実績/公式発表ランキング

20位　甲陽学院中学校（113.18％）

「そもそもこのランキングに上位も下位もねえだろ」という至極真っ当なツッコミは無視するとして残念ながら最下位になったのは関西の名門甲陽学院中学校。

とはいえ最下位でも余裕の100％超え。1校くらい100％を下回る中学があるのではないか？と思っていた幻想がいきなり打ち砕かれました。

19位　東大寺学園中学（124.51％）

18位　西大和学園（124.71％）

合格者こそ777名もいるものの実際に入学するのは200名強と、尋常ではない数の入学辞退者が出る西大和学園が第18位。

これは西大和学園が奈良県にありながら全国８箇所（奈良・札幌・東京・名古屋・岡山・広島・福岡・沖縄）で入学試験を行っているため。

17位　渋谷教育学園渋谷（125.56％）

今では幕張の方が規模も大きく有名なものの、元祖渋谷教育学園の渋谷中学が第１７位にランクイン。

16位　洛南高等学校付属中学校（128.97％）

15位　慶應義塾中等部（135.86％）

上位３校だけで203名の合格者を公表しているのに、実際の合格者は198名の慶應義塾中等部が第15位。

14位　慶應義塾湘南藤沢中等部（136.51％）

湘南と名乗ってるが海からは全然近くない慶應義塾湘南藤沢が第14位にランクイン。

早稲アカ・サピ・四谷の３校だけで合格者の97％を輩出していますが、これより上位は軒並みこの３校だけで合格者数を越えてくるのでマシな方。

13位　桜蔭学園（138.33％）

女子御三家の中でも最高峰。おそらく中学受験最難関校である桜蔭が第１３位にランクイン。

サピ占有率は脅威の65.8％。これは今回の調査で最高の数字です。

12位　豊島岡女子学園（142.00％）

上位３校の合格発表数は567名。もはや３校だけで合格者数を越えていることに疑問を抱けなくなった豊島岡女子が第１２位にランクイン。

ちなみに今では女子学院や雙葉より偏差値が高かったりします。

参考記録　京都大学（142.40％）

11位　女子学院（143.46％）

10位　駒場東邦中学校（145.79％）

9位　渋谷教育学園幕張中学校（148.37％）

合格発表者数1138名は今回の記録で最多。

8位　早稲田中学（150.32％）

7位　麻布中学（150.57％）

6位　早稲田実業学校中等部（156.20％）

5位　雙葉中学（156.45％）

4位　早稲田大学高等学院中等部（158.91％）

とうとう早稲アカとサピだけで合格者数を越えてきた早稲田大学高等学院中学部が第４位。

参考記録　東京大学（166.46％）

3位　武蔵中学（166.67％）

2位　開成中学（173.58％）

東の最高峰、開成中学が第２位にランクイン。

1位　灘中学（173.96％）

西の最難関であり、日本最難関と言っても過言ではない灘が堂々の１位に輝きました。

灘と開成は何かと比較されますが、このランキングでは僅差で灘に軍配が上がりました。まぁこんなランクインで勝っても何の意味もありませんが…

２０校合計

本当に水増ししてなさそう

正直に言って、今回のランキングは「どうせ水増しやってんだろ」という邪な思いから記事の作成に取り掛かりました。

しかし蓋を開けてみれば全体の比率は142％。つまり42％だけ合格者が二重カウントされておりますが、これは中学受験で兼塾する小学生の割合（約30％）とそこまで乖離しておりません。

もちろん水増しが全く無いと保証することは出来ませんが、少なくともこの数字を見る限り、どの塾もかなり誠実に合格者実績を発表していることが分かりました。

特に今回のランキングは名門中学に限って計測したので、約40％が兼塾しているという数字はかなり現実的なものでしょう。

中でもSAPIX生が早稲田アカデミーのNN（何が何でもコース）志望校別コースを受講するというのはめちゃくちゃありがちで、これだけで42％の大半が説明ついてしまうと言っても過言では御座いません。

むしろ今回の数字が出たことで、特に上位校を目指す生徒はその多くが兼塾していることが分かり、中学受験の恐ろしさを改めて痛感することになりました。

ランキング制作に使用した主要４８塾（順不同）

サピックス・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー・栄光ゼミナール・希学園首都圏・希学園関西・TOMAS・グノーブル・スクールFC・啓明館・ジーニアス・市進学院・臨海セミナー・浜学園・個別教室のトライ・エルカミノ・伸学会・スタジオキャンパス・ena・Z会・Z会の教室・進研ゼミ・馬渕教室・啓進塾・京進・能開センター・進学館・成基学園・第一ゼミナール・ACADEMY・エデュコ・おぎしん・進学塾Musashi・茗渓塾・スクール21・創研学院・開成教育・NextAge・誉田進学塾・アントレ・龍馬進学研究会・日本教育学院・アップ教育企画・市田塾・開成ベガ・ティエラコム・創学アカデミー

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