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せめてセフレになれたなら

ヒューズ型とマグカップ型

人が人を見限るのは2つのパターンがあると私は考えております。

1つ目がヒューズ型。

ヒューズというのは電化製品が壊れることを防ぐために付けられている部品で御座います。過剰な電気が流れるとヒューズが焼き切れて、電化製品本体に過剰な電気が流れて壊れるのを防ぐ仕組みを持っております。

例えば3A(アンペア)のヒューズは、2.9Aを何回流してもなんにも起こりませんが、3Aの電流を流すと焼き切れます。

このようにヒューズには「一定のラインまでは何ともないものの、一定のラインを超えると一発で焼き切れる」という機能があるのですが、人間関係でも同じようなことが起こるでしょう。

小さい不満が何度あっても相手のことを嫌いになったりしないものの、限度を超えた一撃があると一発でその人のことを嫌いになる。

サッカーで言えばレッドカードみたいなものでしょう。それまでの経緯に関係なく、一発で退場となる形の見限り方で御座います。

2つ目のマグカップ型は、コップから水が溢れるというイメージで考えると分かりやすいでしょう。

多少大きなイライラがあっても、それだけで一発アウトにはならない。しかし小さなイライラも確実に蓄積されていき、あるときカップから水がこぼれてアウトになる。

マグカップ型の最大の特徴は「最後の一撃」が些細なことであることが多いというところでしょう。

皆様の周りにも「そんなことで!?」という理由で恋人と別れた人がいらっしゃることと思いますが、そういう方はマグカップ型の別れかたをしているのです。

最後の一撃がたまたましょうもないことであっただけで、それまでの関係の中でカップはすでに満杯。それがなくとも別れは時間の問題だったのです。

「なんかわからんけど急に無理になった」という経験をされたことがあるかもしれませんが、それはおそらくマグカップ型だったのでしょう。最後の一撃があまりにもしょうもないと、本人すら最後の一撃が何なのか分からず「不満の水が溢れ出た」という結果だけ残ってしまうのです。

 

さて、ここで1つ重要なポイント。

ここまでの説明であれば「マグカップ」と言わずに「コップ」でも通用する内容で御座いました。

それなのに私がわざわざ「マグカップ」と言ったのは、マグカップ型にある重要な特徴があるからで御座います。

それは「上から見ないと中身が見えない」ということ。

陶器のマグカップは横から見ても、中身がどれくらい入っているか分かりません。中身を確認するためには上から覗かなくてはならないのです。

ですので自分のマグカップにどれくらい不満の水が溜まっているのかは本人では分かりません。第三者が上から覗き込まないと、中身の量は分からないのです。

 

良いか悪いかは別にして、今回の男性は優秀な男でしょう。

少なくとも女性の扱いは間違いなく上手い。ご質問者様が「好き」と言った時も、迂闊な言葉を言わずに「ありがとう」とか「知ってる」とか「当然だろ?」みたいな言葉で誤魔化しているのではないでしょうか?

事情はどうあれ、付き合ってもいない女性に金を貢がせているのです。それが良いか悪いかは別にして、優秀であることだけは疑いようがありません。

 

ですのでこの男性がヒューズを焼き切ることはないでしょう。バカな男性であれば迂闊な一言でご質問者様のヒューズを焼き切るかもしれませんが、こういうタイプの男性は絶対に地雷を踏みません。ご質問者様のヒューズが焼き切れるギリギリは攻めても、ギリギリで必ず踏みとどまるのです。

そういう意味ではこの男性が優秀だから厄介なのです。平凡な男性であれば、どこがで地雷を踏み抜いてご質問者様がこんなに悩むことはなかったでしょう。しかし優秀な男だからこそ「1度はセックスをして、金を貢がせ、それなのに生殺しにする」という地雷原でも地雷を踏まずに歩き切っているのです。

 

しかし幸いにして、人が人を見限る仕組みはもう1つ御座います。

ご質問者様は気がついていらっしゃらないでしょうが、こんなご質問文を送るのです。私が上から覗き込んだご質問者様のマグカップはすでに決壊ギリギリまで不満の水が溜まっています。

あと1滴。彼がほんのわずかな何かをやらかせば、ご質問者様の不満のマグカップは決壊します。

ある朝、目が覚めたら急に彼のことがどうでもよくなる日はもう目前に迫っているのです。

 

それがご質問者様の考える「いい方向」と一致するかは分かりませんが、第三者の私が勝手なことをいうのであればこれほどの「いい方向」は御座いません。

 

これまで溢れそうなマグカップを必死に押さえ込んできたことでしょう。

本当に本当に辛かったことと思います。

ですがそれももう限界です。

ご質問者様がどれほど押さえ込もうとも、溢れた水は戻らないのです。

ですので最後の最後まで、ご質問者様は必死に水が溢れないように自分を騙してくださいませ。

彼のことが大好きだ。

彼と一緒にいたい。

優しく遊んで欲しい。

そう自分に言い聞かせていただいて問題ございません。

 

なぜならばどれほど自分を騙そうと、もうすぐ水は零れるのです。

零れた水は戻りません。目を瞑ろうと自分を騙そうと、戻らないものは戻りません。

嘘だと思うなら、少し考えてみてくださいませ。

 

どうしてご質問文の冒頭に「お金は渡している」なんてことを書いたのでしょうか?

こんなことを書いたら、私が彼の文句を言うことくらい目に見えていたはずです。

 

どうして時間のムダと書いたのでしょうか?

彼との時間が大切なら、無駄なんて思わないはずです。

 

どうして「スパッと切ってくれたらいい」と書いたのでしょうか?

彼と付き合う未来を望んでいるなら、そんなことは書けるはずがありません。

 

どうして「苦しい」と書いたのでしょうか?

「助けて」とは書けなかったからではありませんか?

 

 

どうして「どういう返事がほしいのかもわかりません。」と書いたのでしょうか?

本心で欲しているセリフを書いてしまったら、彼と付き合う気がないと言ってしまうようなものだからでしょう。

 

どうして「やめたほうがいいと言われてもやめられません。」と書いたのでしょうか?

安心してくださいませ。

私はご質問者様がどれほど嫌がろうとも、その背中を蹴り飛ばします。

 

マグカップの中身はもう溢れる間近なので御座います。

 



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