ネットワークビジネスの闇
私はネットワークビジネスが必ずしも悪いものだとは思っておりません。
実際にごく僅かですがそれで大成功をする方もいらっしゃいますし、ご質問者様も仰る通り法的に問題がある手段でもないからで御座います。
しかし、ネットワークビジネスをしていると交友関係が破滅的になってしまう可能性が高いのもまた間違いないでしょう。
何故ならばネットワークビジネスはその構造的に友人と金をトレードしているからで御座います。
さて、今回の男性がご質問者様に声をかけた理由は私には分かりませんが、その動機の一部に会員になってもらえるかもしれないというものがあったのは間違い無いでしょう。
もちろん「可愛いから声をかけた」とか「一緒に飲みたくて声をかけた」という理由がなかったとは言いません。しかし決して少なく無い割合で「(いつか)勧誘したい」というものがあったのは間違い無いでしょう。
つまり、ご質問者様は下駄を履いているのです。
「いつか会員になってお金を落としてくれるかもしれない」という下駄を履いているからこそ、ご質問者様は彼に声をかけられ、楽しい関係を継続できているのでしょう。
それでは、その下駄を脱いだ時、彼はご質問者様を今と同じように接してくれるでしょうか?
ご質問者様は「飲んだり遊んだりして楽しい」と仰っておりますが、それは子供の頃にディーラーさんと遊んでもらっていた私と同じなのです。
よほどのバカでもなければ、金のなる木に失礼な対応などいたしません。
木が金を生み出し続けてくれるように丁寧な対応をしてくれるのです。
金と友達のトレード
「ネットワークビジネスは友達と金をトレードしている」
この言葉の真意を理解して頂ければ、ネットワークビジネスに入る方の本当の理由が見えてくることでしょう。
多くの方はネットワークビジネスを「友達を金に変えている!」と捉えておりますが、これはネットワークビジネスの一側面でしかありません。
トレード。
つまり双方向。
ネットワークビジネスは「友達を金に変える」だけではなく「金を友達に変える」という側面もあるのです。
それはつまりどういうことか。
ネットワークビジネスは実は「友達料」でもあるのです。
空気清浄機や健康サプリなんていうものは友達料の決済手段に過ぎません。
友達がいない人間を仲間に引き入れ友達になってあげる代わりに彼らからお金をとる。
友達がいない人間は彼らのビジネスや商品に疑問を抱いても、一緒に遊んでくれる友達が他にいないので商品を買い続ける。
友達がいない人間に「友達」という夢を見せる商売こそ、ネットワークビジネスの一側面であり闇なのです。
もちろん友達料は友達料という名目で回収されず、会員費やら空気清浄機やら化粧品を買うことで決済されているのです。
ですのでご質問者様が会員になり、お金を払い続けている限り、彼らは永遠に楽しい友達ライフを提供してくれることでしょう。
ホームパーティーを開き
河原でバーベキューをし
海に旅行をし
よくわからない賞をくれる。
そんなリア充っぽい生活を、ご質問者様は金で買うことができるのです。
つまりネットワークビジネスの本質は「友達が欲しい人」と「友達料が欲しい人」のマッチングであると言えるでしょう。
それではご質問者様は「友達が欲しい人」と「友達料が欲しい人」のどちらに該当するでしょうか?
「地方から出て来ており近所の友達という希少性を手放したく無い」と仰っているご質問者様がどちらに該当するかは、考えるまでもないでしょう。
友達を金で買う
ネットワークビジネスを否定するつもりは御座いません。
しかし、残念ながらネットワークビジネスに参加する方の多くは「友達が欲しい側」の人間なのです。
サービスを提供する側ではなく、サービスを受ける側で参加してしまっているのですから、商売がうまくいくはずもないでしょう。
友達をたくさん作れるような人しか成功しないビジネスなのに、友達がいない人ばかり集まってくるのがネットワークビジネスの構造的な欠陥なのです。
もしも私がネットワークビジネスの勧誘員であったなら、ご質問者様は格好のカモに見えたことでしょう。
4月という出会いと別かれの時期に、1人でバーに来ている若者なんて「友達がいない人」にしか見えません。
友達を欲しがっているのが丸わかりなのです。
そんなカモを見逃しているようでは、ネットワークビジネスで成功することは難しいでしょう。
間違いなく、今回の男性は今後もご質問者様に大変優しく、そして楽しく接してくださることと思います。
しかし、それは「ホストが優しい」と言っているようなものなのです。
金のなる木に冷たい態度を取る人などおりません。
是非ともご自身が履いている下駄の高さに気が付いて頂ければ幸いです。
少し冷静になって周りをみてくださいませ。
ご質問者様にはきちんと「やめとけ」と言ってくれる友達がいるではありませんか。