【ご質問】
こんにちは、私は恋愛経験0の高校3年生の女です。
受験が終わったら一つ年上の男の人と食事に行くことになったのですが、どんな話をすればいいのかわからず困っています。
今まで男友達などはいましたが気の置けない人以外と話すのは苦手で、あまり親しくない女友達や少し気になる男子と話したいと思っても何を話せばよいのかもわからず逃げていました。
けれど友達ゾーンにいる人以外とも話したいしそこから恋愛に発展させたい!と思い相談した次第です。
彼は浪人生なので大学の様子なども聞けませんし、私は勉強ばかりしていて話せるような趣味はありません。
沈黙が怖いです。
どうすればいいでしょうか?
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
デートに限らず誰かと会話をする場合、2つの方法があるとお考え下さいませ。
1つ目の方法は演説。
簡単に言えば片方が自分の話したいことを相手に伝えるという形での会話形式になります。
今回ご質問者様は「話せるような趣味はない」と仰っておりますが、仮にご質問者様が何かしらの趣味を持っていた場合のことを考えてみましょう。
例えばご質問者様が「お菓子作り」を趣味にしていたとします。
そうしたらご質問者様は一体どんな話を相手にされるでしょうか?
クッキーを作るときはこのバターがいいとか。
ケーキのスポンジを上手に作るためにはこんな風にした方がいいとか。
この前はマドレーヌを作ったとか。
そのような話をされるのではないでしょうか?
このような話をした場合、お菓子作りという自分の話を相手に聞いて貰うという形になるでしょう。
これが演説という形になります。
一般的に「話が上手い」と言われる方はこの演説が上手い方が多いのですが、演説型の会話で相手との距離を縮めるのは非常に難しいと言わざるを得ません。
というのも演説型の会話をする場合、無関心な相手に関心を持って貰うというところから話を始めなくてはならないのです。
先ほど「お菓子作り」を例にさせて頂きましたが、多くの男性はお菓子作りに興味が御座いません。
ですのでお菓子作りの話をして相手と盛り上がるためには
- お菓子作りに興味を持って貰う
- 相手と会話で盛り上がる
という2つの段階が必要なので御座います。
2つの段階といえば大したことが無いように思えますが、「相手に興味を持って貰う」というのは並大抵のことでは御座いません。
世の中の広告業のほとんとは「興味を持って貰う」ということをして、お金を稼いでいるのです。
つまり自分の趣味の話をして、相手に興味を持って貰うことが出来る方は広告業者としての才能に満ち溢れた方であると言えるでしょう。
もしもご質問者様が広告で飯が食えるほど相手の関心を引き出すことが上手な方であるのなら、演説型の会話で盛り上がることを狙っても良いかと思います。
しかし、おそらくはそうではないでしょう。
普通の方は無関心な相手に関心を持って貰うことが出来るほど、高い広告能力は持ち合わせていないのです。
関心がある話題なら盛り上がるのは簡単
関心がない話題で盛り上がることは非常に難しいと言わざるを得ません。
人間に関心を持たせるのは非常に難しいのです。
しかし逆に言えば、すでに関心を持っているテーマで盛り上がることは決して難しいことでは御座いません。
会話が盛り上がっている関係やグループというのは、その中に天才的な話術を持つ人間がいるのではなく、同じ話題に関心を持っているグループを構築しているだけであると言えるでしょう。
地方から上京した方が久しぶりに地元に帰ると、地元に残った友人たちがいつまでも学生時代の話をしていることに驚くことが御座いますが、それも構造としては同じです。
彼らは「学生の頃の思い出」という共通の関心テーマで結束したグループなのです。ですのでその話題に関心がない方、その話題が出来ない方とは話を盛り上げることが出来ません。
善悪の問題ではなく、人間は歳を取ることごとに新しいものに関心を持つことが苦手になっていく生き物なので御座います。
例えば「ラブホの上野さん」という漫画はほぼ全ての回で何かしらの漫画のパロディを行っていましたが、それもこの傾向を狙っているものでした。
「ラブホの上野さん」という新しいものに関心を持って貰うことは非常に困難ですが、すでに知っていて関心を持っている漫画をネタにして笑いを取るのは比較的簡単なのです。
パロディ無しの場合
ユーザー「ふーん」
→ラブホの上野さんに関心を持って貰わないとお読み頂けない。
パロディ有りの場合
アイドルP「お、まじか」
クライマー「どんな風に出てるの!?」
チルドレン「カオルくん出せや」
→ラブホの上野さんに関心がなくても、自分の関心がある作品の延長線上に置くことでラブホの上野さんを読んで貰いやすい
会話が盛り上がるかどうかは話題選びで決まる!
相手に関心のない話題で会話を展開する方法が演説だとすると、相手に関心のある話題で会話をする方法は共感型と言えるでしょう。
最初にお菓子作りの話をさせて頂きましたが、もしも相手の男性もお菓子作りに関心があった場合は共感型の会話になります。
共感型の会話は演説型の会話と比較すると非常に簡単でしょう。
会話において最も困難な「相手に関心を持って貰う」という段階が最初からクリアされているのです。
関心のある話題であれば、よほど変なことを言わない限り会話が盛り上がらないことはありません。
相手の関心がある話題を選んだ時点で、会話は9割成功したと言えるのです。
そう、会話が下手な方というのは、トーク力がないのではなく話題の選び方が下手なのです。
相手に関心がない話題を選んでしまったら、よほどトーク力がある方でもなければ会話で盛り上がることは困難でしょう。
逆に相手が関心を持っている話題さえ選ぶことが出来れば、適当に喋っていてもそれなりに話を盛り上げることが可能です。
つまり会話が上手い方はトーク力があるのではなく、相手が関心のある話題を選ぶことが得意なだけなのです。