【ご質問】
今年働き始めたばかりの大卒新社会人なのですが、未だに性行為の経験がありません。それどころかキスすらしたことがないのです。
全く恋愛経験がないというわけではなく、中学から高校初期までは彼氏がいました。しかし何もありませんでした。
理系単科大に通っていたため男性との出会いが少なかったわけではありません。友達に彼氏ができると羨ましいと思うことはあっても行動にうつせませんでした。というのもそういう友達がいた反面、自分のように恋愛に触れることなく過ごしている友達もいたからのように思います。
社会人になり新たなコミュニティに踏み込んだ今、自分のように"恋愛未経験"、はっきりいえば処女や童貞、ましてやファーストキスもまだな人間は多くはないことを悟りました。今は自分も彼氏がほしい!と思っています。
しかしこの思いは「恋愛してみたい」という好奇心ではなく「他の人が経験していることを自分が経験していないのは腹立たしい」という気持ちのように感じます。そう思うとこんな気持ちで相手を探すのは申し訳ないし、あまり良いことに繋がらなさそうと思います。
このような気持ちで恋愛に向くのはやはりよくないでしょうか?
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
トヨタでは「なぜなぜ分析」という分析方法で問題解決をしているそうです。
私は自動車業界には明るくないので、私のテリトリーであるラブホ業界でこの「なぜなぜ分析」を紹介させて頂きましょう。
例えば私の働くラブホテルで「お風呂のお湯がぬるい」という問題が発生したとします。
1回目のなぜ:なぜお風呂のお湯がぬるくなったのか
答え「貯湯タンクに入っているお湯の温度が下がったから」
2回目のなぜ:なぜ貯湯タンクのお湯の温度が下がったのか
答え「地下のボイラーからお湯をタンクまで持ち上げるまでの間で冷めたから」
3回目のなぜ:なぜ地下のボイラーからお湯を持ち上げる際に冷めたのか
答え「配管が外気によって冷め、お湯の熱が管に逃げたから」
4回目のなぜ:なぜ配管が外気によって冷えたのか
答え「配管の防寒材が剥がれたから」
5回目のなぜ:なぜ防寒材が剥がれたのか
答え「防寒材の補修の際に耐水性のない素材を使っていたから」
最終結論:耐水性のある防寒材を配管に巻き付ける。
このように「なぜ?」を繰り返して問題の本質を導き出す方法。それがトヨタの「なぜなぜ分析」で御座います。
全てのオシャレはモテるため
「オシャレをするのは異性からモテるためである」と言うと、おそらく多くの方から反感を買うことでしょう。
しかし、これは「なぜなぜ分析」の階層の問題であると私は考えております。と言うのも私は「オシャレをするのは異性からモテるためである」という考えは正しいと思っているのです。
それではこの問題を「なぜなぜ分析」してみましょう。
1回目のなぜ:なぜオシャレをするのか
答え「オシャレをすると楽しいから」
2回目のなぜ:なぜオシャレをすると楽しいのか
答え「オシャレをすると脳内で快楽物質が分泌されるから」
3回目のなぜ:なぜオシャレをすると脳内で快楽物質が分泌されるのか
答え「オシャレをすると脳内で快楽物質が出る個体が生き残ったから(オシャレをしても快楽物質が出ない個体は死んだ)」
4回目のなぜ:なぜオシャレをすると脳内で快楽物質が出る個体が生き残ったのか
答え「オシャレをしたほうが生存において優位だったから」
5回目のなぜ:なぜオシャレをしたほうが生存において優位だったのか
答え「異性からモテるので優秀な遺伝子の確保、及び子孫への食料供給において優位だったから」
人間の行動原理を「なぜなぜ分析」すると、大体のものが「そっちの方が生存において有利」や「モテる」という結論に到達します。そのため「オシャレをするのは異性からモテるため」という説も「なぜ」を何回か繰り返すと、正しいと言えると私は考えております。
しかし「なぜ」を何回か繰り返せばその結論に到達するといっても、それを人間が自覚しているかと言えば話は全く別問題。
「なぜ」を1回しか繰り返していない方からすれば「オシャレをするのは、オシャレが自分にとって楽しいことであるから」というところまでしか認識できないのです。そのような方からすれば「オシャレをするのは異性にモテるためである」という理屈は非常に不快に感じることでしょう。
根拠が存在しているとしても、それを認識しているかどうかは全く別の話なので御座います。
階層の差
人を好きになる理由や恋愛をする理由を文学的に表現することはいくらでも出来るでしょうが、それは「なぜ」の第一階層や第二階層くらいの理屈で御座います。
ですがどんな綺麗な理由だって、1、2回「なぜ」を繰り返せば「セックスしたい」とか「ムカつく」とか「性的快感を得たい」になりますし、もう1、2回「なぜ」を繰り返せば「そのほうが生存において優位だから」というものになることでしょう。
今回のご質問者様は「性経験を得られない憎しみ≒性経験を得たい」まで「なぜ」を分析することが出来ておりますが、それはご質問者様の思考階層が深いだけに過ぎません。
「恋とは人間の神秘であり、運命的な出会いによって燃え上がる」みたいなそれっぽい名言ポエムだって「なぜ」を2回くらい繰り返せば「他の人は性的快感を得ているのに、自分だけ得られないのが不快」みたいな原始的な動機に辿り着きます。
もしかしたらご質問者様の身近な方は「不純な理由で恋をするのはよくない」みたいなことを仰っているかもしれませんが、そういった方は第一階層で思考が止まっているので自身の不純な部分に気がついていないだけに過ぎません。思考の階層が深ければ深いほど良いというわけでは御座いませんが、「愛されたいではなく、愛したい。それが真の愛だ」とか言っている方だって、それは思考が第一階層で止まっているだけなので御座います。
残念ながら恋の動機は得てして階層が浅い方が綺麗な言葉に見えるのは間違いありません。大体男性のロマンチックな言葉なんて、そのほぼ全てが「なぜ」を1回行うだけで「セックスしてえ」になるわけですが、そんな言葉よりも綺麗でロマンチックな言葉の方が聞きたいことでしょう。
ですのでどうかご安心くださいませ。みんな恋を綺麗な言葉で自分の気持ちを表現しておりますが、それも「なぜ」を3回くらい繰り返せば今のご質問者様のような不純な動機に辿り着くのです。ちなみに男性の場合「なぜ」を1、2回行うと「セックスしてえ」に辿り着きます。
ご質問者様が自身の動機が不純であり、そんな動機で恋をするのは相手に失礼であるとお考えのようですが、相手も”自分では認識できていないだけで”本質的にはしょーもない理由で恋をしているのでご安心くださいませ。