振る作法
確かにご質問者様が「最後に話をしたい」という気持ちを抱いていることは判ります。
もちろん「復縁したい」という気持ちが0ということはないでしょうが、それ以上に様々な複雑な感情が入り乱れ、結果としてそれが「話をしたい」という感情になっていることも判ります。実際に話をする機会があれば、ろくに話すことも出来ず、心にもない社交辞令を言ってしまうような心境なのも判ります。
本来なら振る側は、振られる側が抱いている「自分でもよく分かっていない複雑な感情」を解消させてから振るべきなのです。
これは男女どちらが相手を振るにしても共通した話でしょう。
どうしても振る側というのは、一刻も早く別れたいことが多いので、雑に相手を振ってしまいますが、振る時にちょっとだけ、2時間でも3時間でもいいので、ゆっくり話を聞いてあげる。
振られる側というのは、自分で何を言いたいのか整理が出来ていないことがほとんどですので、理路整然とした話なんて出来ることはまず御座いません。本人すら何を言ってるかよく分かっていないような話なのです。男性でも女性でも理路整然とした話なんて出来るわけもありません。
しかし、そんな訳のわからない話を、それでも一生懸命理解しようとして必死に聞く。
この時であれば、比較的簡単に「振られた側」の傷を浅くすることが出来るのです。
しかしそれを放置して別れてしまうと、その傷が何倍にも大きくなってしまう。
そのため「振る側」は「振られた側」のためにも、この過程を踏んだ方が良いのです。たかだか2時間程度のことで相手が圧倒的に早く立ち直ることが出来るようになる。それならば過程を踏んだ方が良いとは思えないでしょうか?
確かに別れ話をする相手です。相手がその後、立ち直るか立ち直らないかなんていうことに興味がないという方も少なくないかもしれません。
ですが、1度は付き合った相手なのですから、最後の時間くらい作って、話を聞いてあげるくらいのことはしても良いのではないでしょうか。
それに今回のご質問者様はそこまででもありませんが、このわずかな手間を惜しみ相手が爆発した時に、恋愛による殺人事件が発生するのです。そう考えれば「自分の身を守るために」相手の話を聞くとは考えられないでしょうか?
誰かを振る際には、相手が抱いているであろう「グチャグチャな感情」を最後に必死に聞いてあげる。
このことが振る側には求められるのではないかと私は思います。
そんな振る作法をしっかりと踏んでもらえなかったご質問者様は「あの人が手を抜いたせいでなかなか立ち直れない!」と愚痴っても良いので、どうかどうか元彼に会わないようにして頂ければ幸いです。
※ただし一刻も早く逃げなくてはいけないような場合はそんなことを気にせずに逃げるように別れましょう。