コラム

きのこの山・たけのこの里総選挙をやるべきではないと思った話。

はっきりさせるだけが正解じゃない

さて富士山山頂問題ですが、この話を聞いて「バカじゃねえの?」と思った方も多いことでしょう。

確かに富士山が山梨県だろうと静岡県だろうと、興味のない方からすればどうでも良い話でございます。しかしもしも富士山が山梨県と決定したら、静岡出身の私の母親はその決定に対して非常に憤ることでしょう。逆もまた然り。静岡に決まれば山梨の方が憤るのは目に見えています。

ですので私はこの富士山山頂問題における各所の判断はとても良いものであったと考えています。境界を明確にしたところで、誰も得をしないのですから曖昧なまま放置をしておけば良いのです。

しかし世の中には何事でもはっきりさせないと気がすまない方がいらっしゃるのも事実。

そんな方からすれば、この富士山山頂問題における各所の対応はとてもいい加減なものであると感じることと思います。

ただそもそもどうして物事をはっきりさせないといけないのか、ということの目的を考えると、今回の場合はっきりさせることはむしろ本末転倒であったと私は考えます。

例として適切ではないかも知れませんが、ヤクザの縄張りは「物事をはっきりさせる理由」として極めて分かりやすい例でしょう。

ヤクザの場合、縄張りで曖昧な地域を残すとそこで組員が喧嘩をし、余計な抗争を発生させてしまうのです。

ですのでヤクザは明確に自分の縄張りはここまで!と決めることで無駄な抗争を避けていると言えるでしょう。

このように「抗争を避ける」という目的を達成するために「縄張りをはっきりさせる」という手段をヤクザは取っているのです。

あくまでも「はっきりさせる」は手段に過ぎません。重要なのは「目的」を達成することであり、手段のために目的が蔑ろにされるようなことはあってはならないのです。

 

富士山山頂問題に関して言えば、山梨と静岡の抗争を避けるために縄張りをはっきりさせないようにしていると言えるでしょう。県境をはっきりさせなければ冗談交じりの「富士山論争」で話は済みますが、はっきりさせてしまったらそれこそ血が流れる抗争になってしまうかもしれません。

つまり「山梨と静岡の対立を避ける」「山梨も静岡も「富士山は俺のもの」と言えるようにする」ということが目的なのです。その目的を達成するための手段として「境界を決めない」という決定は極めて有効であったでしょう。

きのこたけのこ戦争

きのこ派とたけのこ派はこれまで何度も競い、戦い、エンターテイメントを私達に提供してくれていました。

どっちが勝者なのかということをはっきりさせないことでお互いがお互いに「こっちが正しい」と遊ぶことが出来ていたのです。

しかし、それを今回のように公式が総選挙なんてものを行ってしまったら、どんな議論をしても

「公式でこっちだから」

で終ってしまします。

負けた側の方は自尊心を傷つけられ、勝った側もたのしい議論相手を失ってしまう。

こんな総選挙、誰も得を致しません。

 

はっきりさせない

きのこたけのこ総選挙に関して言及は冗談で御座いますが、今回のお話で「何でもかんでもハッキリさせれば良いというわけではない」ということを皆様にお伝えすることが出来たのであれば幸いです。

例えば家事の分担で考えてみましょう。

確かに家事の分担は必要でしょうが、これを明確にルール化することにはあまり賛成が出来ません。

何故ならばはっきりと線引をしてしまうと「ルールを破った」と極めて簡単かつ強力に相手を非難することが可能になってしまうからで御座います。

あいまいに決めておけば相手を非難するにしても議論が生まれますが、厳格にルール化してしまうと議論の余地がなく相手を言及してしまうようになることでしょう。

本来、家事の分担をするのは「良好な結婚生活」のためであったはずなのに、ルールを厳格化することでその目的の達成を阻害してしまうのです。これでは本末転倒としか言えません。

もちろんそういった厳格なルール化をすることで良好な結婚生活を維持できるような関係であれば厳格にルール化をしても良いでしょうが、そうではないのであれば「ルール化」という手段を達成するために、良好な結婚生活という目的を犠牲にするようなことがあってはならないのです。

 

色々と偉そうなことを申し上げましたが、今回の話はコンビニで総選挙の文字を見かけた時に

「こういうのって決めないから面白いのに……」

と思ったことを書かせて頂いただけであり、それ以上の深い意味は御座いません。

ちなみに私はたけn……

どっち?

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