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【お悩み相談第24回】知的障害の妹と統合失調の母

両親が望むこと

ご質問者様は「可能な限り妹と暮らしたい」と仰っておりますが、それは一体なぜでしょうか?

単純に妹が好きだから一緒にくらいしたい、という理由かもしれません。

そうではなく、知的障害を患っている妹を見捨てるわけにはいかない、という理由かもしれません。

ただ、ご質問文には「障害を持つ妹と将来、可能な限り妹と暮らしたい」と書いてあるので、おそらくは後者の感覚が強いのでしょう。

さらにご両親がご質問者様に対して「妹は将来的に施設に預ける」と言っていることからもそれを察します。

ご両親から見て、ご質問者様は「責任感が強い女性」に見えているのでしょう。ご両親からすると「この子は、妹のために自分のことを犠牲にしてしまいかねない」と見えているからこそ、わざわざ「妹は施設に入れる」とご質問者様に伝えた。

私はご質問者様が妹様を思う気持ちを否定するつもりは御座いませんし、真っ当で真面目で優しく高潔だとすら思います。

その上で、言いましょう。

自己満足で、人を不幸にするべきではありません。

この「人」というのは、ご両親のことであり、ご質問者様が結婚する相手であり、その子供であり、そして何よりもご質問者様本人のことで御座います。

「可哀想な妹を思うと、見捨てるわけにはいかない!」くらいのことを考えていそうなものですが、その自己満足で人を不幸にするな、と言っているのです。

ご両親が、なぜ「妹は施設に入れる」とご質問者様に言ったかお考えくださいませ。

誰も言わないでしょうから、私が言いましょう。

「せめて貴方だけは普通に生きて幸せになって欲しい」と言っているのです。

ご両親が「知的障害の妹のために、姉が苦労してはいけない」と思うことを否定する人間のことを私は生涯好きになれそうにありません。ご両親様だって苦難されたことでしょう。どうしたらいいのか、親として2人の子供に何ができるのかと必死に悩み抜いたことと思います。

それは、ご両親様が「妹を施設に預けるお金」を用意していたことが何よりの証拠でしょう、もちろん「お金」についてご質問文には御座いませんが、ご両親の発言から察するに用意をされていることと思います。お父様がどんな仕事をされているのかは分かりませんが、とんでもなく稼ぎのいい仕事をされていたという訳でもでしょう。それならばどうしてご質問者様の家には、妹を施設に預けるだけのお金が存在するのでしょうか?

おそらくは27年前に、今日のことを予想したのでしょう。

27年前に覚悟を決めたのです。

そして27年間。それを決して忘れることなく生きてきた。

2人の子供にとって、親としてできる最善を模索し、用意をしてきた。

27年後、姉に向かって「すまないが、私たちが死んだ後、妹の面倒をみてはくれないか?」と頼まなくて済むように、それでいて妹も見殺しにすることがないように、覚悟を決めた。

細かい指摘を避けるために一応フォローを記載しておくと、負担額は妹様がどの程度の精神障害か、ということや公共施設か民間かなど様々事情によって異なることを調べた上で発言しています。調べた上で、そんな細かいことは今回関係ないと判断しました。

別段、私は「親は絶対」と言うつもりも御座いませんし、「障害者は死ね」とか「迷惑だ」と言いたい訳でも御座いません。

しかし、ご質問者様が「妹と暮らしたい」と言う理由が、簡単に揺らぐ正義感であるならば、その自己満足のために人を不幸にするな、とはお伝えしたく思います。

両親がどんな気持ちで「妹は施設に入れる」と言ったと思っているのでしょうか?

その両親の気持ちを考えたら、私であれば、よほど強い意志がない限り「妹と暮らそう」とは言えません。

別に親の言いつけを守れというつもりはありませんし、本人の好きなように生きれば良いとも思いますが、人の気持ちや思いを軽んじろということではないのです。

本来、私は「自分の幸せのために、妹を施設に入れなさい」と言うべきでしょう。

しかし、ご質問者様のように真面目な方には「自分の幸せのために」という言葉が届きにくいことを私は知っています。

だからこそ、今回私がご質問者様に送る言葉は

あなたの勝手な我儘で、親の努力を、思いを、願いを、幸福を無駄にするな。

で御座います。

9 Comments

ふう

全面的に同意です。
1つ付け加えさせていただければ、相談者さんが妹さんより健康で長生きできるとは限りません。
また、妹さんが施設に入所したとして、時々でも面会に行き、必要なときは妹さんの立場で決断や手続きができる人がいるといないとでは、妹さんの幸福度は全く違ってくると思います。
それを思えば、もし結婚して子どもをつくができたら、「あなたたちの叔母さんは施設にいる。私に何かあったらできる範囲で助けてあげて」と頼んでおくのも大切なことではないでしょうか。

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匿名

自分も近い境遇ですが、
(離婚し父親はいない。母はパート。弟は重度知的障害者。一人では暮らせない)
母親に「私が死んだら、弟は施設に預けるから、気兼ねなく結婚してくれ、ただし盆正月くらいは会ってやってくれ。お金は貯めてある。」と言われてます。
それをそのまま受け入れ、「ありがとう」と言いました。

質問者の方はとても真面目ですね。

いいんですよ、自分のために生きましょう。

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匿名

結婚したくなるような相手が見つかるとも限らないのですから、諦めがつくまで婚活してみては。

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クロ

私も相談者様と同じような事を考えていた時期があり、10代の頃に一生独身でいる覚悟を決めました。
でもご縁があり結婚した際、母が
あんたが人並みに、普通に、幸せになってくれてうれしいと泣いていました。
そして、人がしなくていい苦労をかけてごめんね、と。

将来も会いに行けるよう、妹が入る予定の施設から遠くない距離に家を買いました。

今持っている優しさをそのままに、もう少し自分勝手に生きていいと思います。

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匿名

仮に妹さんと暮らしていく事を決断したとします。しかし、今こんなに悩んで苦しんでいる質問者さんが、妹さんを“憎まずに”生きていけるのでしょうか?質問者と私は全然違う人間ですし、どれだけ善人なのかわかりませんがきっと「この人さえいなければ私は…」と思う日が来ると思います。たとえ妹さんになんの落ち度がないとわかっていても。しかし、そのとき「確かに残酷な状況であった。選び難い選択だったかもしれないが、それでも最後に決断したのは自分」としかなりません。途中で投げ出したとしてもその頃には質問者さんの年齢的に結婚はもっと難しくなるでしょうし…。 質問者さんは「見捨てる自分」を許せないのでしょう。でも妹さんは誰に世話をみてもらってもそんな変わらないのではないでしょうか。質問者さんの幸せを下敷きにして面倒をみてもらうより、プロにお金を払ってやってもらう方が良いのではないでしょうか。身内だからって良い事はそんなにないでしょう。なにより上野さんの言うとおり、妹さんを見捨てる(施設に預ける)より、ご両親に「どっちも幸せにしてあげられなかった」と思わせる方が酷だと思います。

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クロ

私も相談者様と同じような事を考えた時期があり、10代の頃に一生独身でいる覚悟を決めました。
でもご縁があり結婚する事になった際、母が
あんたが人並みに、普通に、幸せになってくれてうれしいと泣いていました。
人がしなくていい苦労をさせてごめんね、と。

将来も会いに行きやすいよう、妹が入る予定の施設まで遠くない距離に家を建てました。

今持っている優しさをそのままに、もっと自分勝手に生きていいと思います。

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nnc

本当に、とても同意なので思わず返信を。

施設に入った後、後見の人がいる事、本当に本当に重要です。そして、その後見者がしっかりと自分の生活基盤を確立している事が。
質問者の方が自分の生活を幸せなものにして、経済的にも精神的にも、ともかく色々と余裕を持てる状態にすることは妹さんの幸福にも絶対大きく寄与します。

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田吾作

上野さんの御回答が、社会福祉の本質をついて
いて、とても共感致しました。
私は病院の精神科看護師をしております。質問者
様と同じような境遇に長年ある患者と家族に関わって来ました。一人では自立できない障害者にとって、支えてくれる家族の存在はとても大切です。ですが、その為の前提として、家族自身が
健康かつ幸福でなければ、患者を見る余裕が
なく共倒れになります。大切なのは何十年単位で支援を継続出来ることであり、そのためには
家族が一度に受ける負担を減らさなければなりません。
妹様からの視点ではどうか、自分の良き理解者がそばにいてくれるのはありがたいと思います。ですが、妹様が健全者と同様に考えていれば、いつかは家族の元を離れて自立したいと願うのではないでしょうか。自立の本来の意味は、依存する対象を家族から、社会の多くの専門職に移すことです。一人で生きていく能力ではなく、多くの助けを得られる能力なのです。
質問者が「自分のために妹様を見捨てる」から「妹様のために家族から巣立つのだ」と考えて頂けることを願ってやみません。質問者様ような
家族の苦悩を引き受けるために、福祉職は存在するのです。

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みーにゃ

「障害児」をきょうだいにもつ方のことを「きょうだい児」と呼びます。

私もその1人で、3人のうち1人が障害児です。
幼い頃は偏見の目で見られ、思春期はずいぶん苦労しましたが、、今、私含め他のきょうだいはそれぞれ結婚し、子供もいます。そして常に「いつか親が見られなくなったら、私たちきょうだいで支えていこう」と決めています。
物理的に近くにいることだけが正解ではないはずです。
支援してくださる施設や同じ境遇の方たちは他にも多くおり、心の支えになってくれますよ。

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