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転職したくないなら、転職の準備をしよう

転職はいつするべきでしょうか?

悩みは転職についてです。

私は新卒で今の職場に入りまして、あと1ヶ月でちょうど1年になりますが転職を考えています。

理由は仕事のやりがいのなさと人間関係の狭さと収入の少なさです。

特に人間関係の狭さにイライラしています。

古株の意見が強く、また改善していこうという気持ちが古株に無いため発展が期待できません。

ただ、次何処に行きたいかとか、どんな仕事をしたいとか将来への展望がこれといってなく、とてもぼんやりした状態です。

現在の職種ですが、薬剤師の資格を持っています。

資格なしの仕事よりも転職しやすい状況にありますが、ここ数年で資格習得のハードルが下がったため、需要より供給が多くなりつつあり転職するなら早めにという空気もあります

それで転職を考え始めた側面もあります。家族や大学時代の恩師には3年は我慢して働きなさいと言われます。

上野さんは転職についてどうお考えでしょうか。ぜひご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

対策を考えない無能

ご質問誠に有難う御座います。

「10年も20年も社会で働いていて「もしクビになったらどうするか?」ということを考え、対策することすら出来ない無能がクビにならないわけがないじゃないか。だから準備が出来ている俺はクビにならないだろう。」

これは今から20年ほど前、私の父が私に言った言葉で御座います。

時は2000年。バブルが弾けて日本経済が不景気のドン底にあったころ、私は父に「もしもリストラになったらどうするの?」と質問をしました。

その時の父の答えが先程の言葉で御座いました。

「もしもリストラされたとしても、転職先は準備している。多少給料は下がるかもしれないが、食うに困ることはない」

「だが幸運なことに多くの社員はリストラになった時の準備をしていない10年も20年も社会で働いていて「もしクビになったらどうするか?」ということを考え、対策することすら出来ない無能がクビにならないわけがないじゃないか。だから準備が出来ている俺はクビにならないだろう。」

父の会社で何人リストラされたのかは分かりませんが、この言葉を残した父は定年までその会社で働き続けました。父の会社は金融系であり、定年まで勤め上げた社員はせいぜい全体の2割から3割程度でしょう。

おそらくご質問者様は出来ることならば転職をせずに、定年まで今の会社で働くことをお望みのことと思います。

もしもそうお考えならば、どうかこの父の言葉を覚えておいてくださいませ。

お願いしても状況は変わらない

「いざとなれば会社を辞めることが出来る」

会社を辞めないにしても、その保険の有る無しで心の余裕は大きく変わります。嫌な上司に当たったとしても「最悪の場合、辞めれば良い」と思えれば、かなり気が楽になることでしょう。

また、この余裕は給料交渉でも有効に働きます。

例えば皆様が「給料を1万円上げて欲しい」と社長にお願いをしたとして、給料は上がるでしょうか?

勿論、こんなことを言っても給料が上がることは御座いません。なぜならこれは「交渉」ではなく「お願い」だからで御座います。

「お願い」は自分のメリットの話しかしておりません。給料が上がって嬉しいのは自分だけであり、社長からすれば何のメリットもないどころか人件費増大というデメリットを押し付けられているので御座います。

それでは給料をあげて欲しいのであれば、一体どうすれば良いのでしょうか?

お願いを交渉に変える必要が御座います。

交渉とお願いの違い

「交渉」と「お願い」は一体何が違うのでしょうか。

一言で言えば「さもなくば」になるでしょう。

例えば給料交渉の場合「給料を1万円上げてください」だけではただのお願いで御座いますが、「給料を1万円上げてください、さもなくば私は転職します」となればこれは交渉になります。

社長としては給料なんて1円も上げたくはない。しかし上げなくては転職されてしまうという条件を突きつけられることで、ようやく上げるかどうかを考慮して貰えるので御座います。

「さもなくば」がない依頼は全てお願いに過ぎません。相手が善良な聖人であればそんなお願いでも通用するかもしれませんが、社会人という厳しい環境においてそんな聖人に出会えることはまずないでしょう。

会社の切り札

私達が「さもなくば」を使うのと同じように、会社も交渉において「さもなくば」を使ってきます。

それは「クビ」

会社から「嫌なら辞めろ」と言われてしまうと、私達は何の抵抗も出来ないまま会社の要求を飲まざるを得ません。

ボーナス削減、サービス残業、休日出勤、パワハラ、セクハラ。会社からどれほど酷い扱いをされても「嫌なら辞めろ」に抵抗出来ない社員は、それを我慢することしか出来ません。

現実的な問題として「どうせこいつは辞めないだろ」と思われている社員には、会社はどこまでも厳しく接してくるのです。

「クビ」という会社の切り札への対策が出来ていない社員は、会社から見ればどれだけ搾取しても問題のない奴隷と変わりません。

もちろん奴隷ですら手厚く扱ってくれる神のようなホワイト企業も無いことはないでしょうが、恐らく皆様の会社はそうではないでしょう。

そしてどれほど待遇を悪くしても辞めない社員に対して、待遇を上げることは決して御座いません。

会社が待遇を悪く出来ない社員とは

トップ営業マンであろうとも、天才的な技術者であろうとも、絶対に会社を辞めない社員であれば、会社は「クビ」という切り札でどこまでも待遇を悪化させてきます。

それでは会社が待遇を悪く出来ない社員とは一体どのような社員でしょうか。

それはズバリ「こいつは本気で辞めかねない…」と思われている社員で御座います。

GoogleやAmazonのような会社が極めて高給で、福利厚生が尋常ではないほど充実しているのはまさにこれが原因でしょう。

あのような会社で働いている優秀な社員は世界中で引っ張りだこなので、待遇をちょっとでも悪くするとすぐに辞めてしまうのです。

つまり彼らは会社から「こいつは本気で辞めかねない…」と思われていると言えるでしょう。

もちろん、実際に会社を辞める必要は御座いません。会社から「辞めかねない」と思われていれば十分なので御座います。

なぜクビにならないのか

「お前の代わりはいくらでもいる」

ブラック企業でよく聞く言葉で御座いますが、これはある意味で事実でしょう。

私を含め、世の中の99%の仕事は代わりが効きます。「その人にしか出来ない仕事」なんていうものは極々限られた天才以外に関係のない話でしょう。

しかし「代わりはいくらでもいる」と言われたという話はよく聞きますが、本当に代わりが来てクビになったという話を聞いたことがあるでしょうか?

確かに「代わり」はいくらでも存在します。

ですが、その「代わり」が簡単に用意できるかと言えば決してそんなことは御座いません。代わりを本当に用意するのは莫大な時間とコストが掛かってしまうので御座います。

例えば私はラブホテルで働いておりますが、私をクビにして他の人材を採用しようと思ったら

1)面接にかかるコスト

2)私をクビにするコスト

3)教育をするコスト

4)応募を集めるコスト

5)使い物にならない人物を雇ってしまう可能性のリスクとコスト

6)すぐに代わりが見つからないリスクとコスト

などのような膨大なコストが発生してしまいます。

そんな面倒で膨大なコストを払うくらいなら、多少問題があるにせよ私を使い続けた方が効率的と言えるでしょう。

つまりよほどの無能社員でもなければ「お前の代わりはいくらでもいる(が、そいつを雇うコストとお前をクビにするコストが結構高いので、できればお前には辞めないで欲しい)」というのが企業の本音なのです。

特に人手不足が叫ばれる今日では、よほどの無能社員でもない限り、会社は皆様に辞めて欲しいとは思っていないでしょう。

ですので、あとは「辞めかねない」と会社に思わせることができれば、会社は皆様の待遇を上げざるを得ないのです。

辞めかねないと思わせるための転職

私は転職をしろと言うつもりも、転職するなと言うつもりも御座いません。

ですが、転職をする気がないにしても「辞める準備」をしておくことは、サラリーマンとして生きる上で極めて重要なことであると考えております。

一番簡単なのは、他の企業からヘッドハンティングされることですが、誰も彼もにこんな勧誘がくるわけでは御座いません。

また副業を始めるのも「辞める準備」と言えますが、現実問題としてこれも誰も彼もに出来る手段ではないでしょう。副業を始めた人の5割が1円を稼げずに終わるなんて話もあるほどで御座います。

ですので転職サイトなどで自分が転職できる先を確保しておくことというのが現実的な方法になるでしょう。

もちろん転職先などそう簡単に確保することなど出来ません。しかし「その気になれば転職できる」と心に刻んでおくだけで、会社との交渉でも極めて強い立場で戦うことが出来るでしょう。

信用を勝ち取る最も簡単な手段

私はラブホテルで働いておりますが、新しく清掃スタッフを雇ったとき、その人間の信用度を測るためにある行動をしています。

これは非常に簡単で「彼らが清掃に入る部屋に財布を置いておく」というもの。

彼らが「忘れ物があった」と申告すれば合格。

言わなければ不合格。

つまり「やろうと思えば財布を盗める状況で、財布を盗むかどうか」ということを試しているのです。

 

会社における信頼もこれに近いものがあるでしょう。

会社にとって転職で人材が流出してしまうのは、明らかな損害で御座います。

ですので特に優秀な社員であればあるほど、会社はその人材の確保に躍起になりますが、彼らが「転職しない」と信用される最大の理由は「転職できるのにしなかった」というものなのです。

他社からヘッドハンティングされたに、それを断った。

その気になればいくらでも転職先があるのに転職をしなかった。

そういった「出来るのにしなかった」という事実の積み重ねこそが信頼として積み上がっていくのです。

 

逆に言えば「生涯働きます」と口にしていたとしても、それは「転職しなかったのではなく、出来なかっただけ」と思われるだけ。

女性にモテない男性の言う「俺は浮気しない」と同じくらい説得力が御座いません。

サラリーマンは全員転職を考えた方がいい

サラリーマンとして働く以上、転職する気があってもなくても「自分が転職できるのかどうか」をきちんと考えておくべきでしょう。

これは会社との交渉でも役立ちますし、日頃の仕事でも挑戦が出来るようもなります。

特に人間関係を楽にするということにおいては、全てを解決する魔法の手段ですらあるでしょう。

重ね重ねになりますが、私は別に「転職しろ」と言いたいわけでは御座いません。

「転職できる準備」を日頃からした方がいいと言っているだけで御座います。

会社はリストラという切り札で従業員の待遇をどこまでも悪くすることが出来る存在です。

その切り札と戦うためにはこちらも「辞めることが出来る」という切り札を持たなくてはなりません。

この切り札は切らなくていいのです。

持っているだけで相手は恐れ、強く出れなくなる。

 

私は仕事用のカバンの底に日付の入っていない「退職願い」と「退職届」を忍ばせております。

この紙を今のところ使う気はありません。

ですが、必要とあればいつでも使う、ということを決して忘れないために、いつもカバンの底に忍ばせているのです。

少なくとも私にとっては、労働基準法なんていう厚い本より、この2枚の紙の方がずっと自分の労働環境を守っていてくれていると感じております。

転職したくないなら、転職の準備をしよう

私は今のところ転職する予定は御座いませんが、転職サイトに登録しております。

転職するためではなく、転職をしないで済むようにするため。

転職サイトに並んだ求人を見ていると「その気になればいつでも辞められる」という自信が少しだけ湧いてきます。

気休め程度ではありますが、そんな自信を貰うためにも転職サイトに登録してみるのも良いでしょう。

そんな私が登録している転職サイトがミイダス

「市場価値診断」という診断が面白かったのでミイダスに登録をしました。スキルや年齢を入力すると転職をした際の想定年収が計算される面白い診断で、私の想定年収は800万円ほどでした。

転職する意志がある方はすでに登録されていることと思いますが、転職の意志がない方も「いつでも辞められる」という自信を付けるために登録してみることをオススメさせて頂きます。

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